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子育て回想録 なまはげになりたい

息子、のんは小さい時からおもしろい感性の子だった。上の子まゆこさんは女の子でなんとなく自分に似た部分もありそこまでびっくりすることはなかったけれど、のんは想像を超えたものがあり驚くことが多かった。    赤ちゃんの時から私の好きな劇団わらび座の舞台を観に連れていっていたのだけど1歳くらいだと飽きてしまいというより、そもそもじっと観ることなどないのだろうけど、のんは身を乗り出して舞台を観ていた。泣いたりぐずって暴れたりせず、舞台の間ちーんとしていた。おかげで私とまゆこはしっかり舞台でのミュージカルや和太鼓の演奏などを堪能できた。調子にのってあちこちで公演があるたびに子どもを連れて観に行ったものだ。

そんなこんなで秋田に行くことが数回、田沢湖芸術村のわらび座のホテルに宿泊し足をのばして男鹿半島まで遊びにいった。            男鹿といえば、、、、そう。なまはげで有名。なまはげ伝承館に行ったらなまはげ体験ができる。曲がり家の囲炉裏のある部屋に座っていると 予想だにしない場所から バーンと大きな音とともになまはげが登場  まゆこはびっくりしてぴょんと飛び跳ねた。顔はひきつっていた。で1歳半くらいののんは、泣きもせず固まる。眼だけなまはげの姿を追う。微動だにしないくらい固まっていた。「なぐこはいねえがーーー」「親の言うこと聞かねえ子はいねえがーーー」となまはげが練り歩く。泣いてないので、余計になまはげが近づいてくるが、石のように固まり声もださないでいた。

その後帰りに車の中で眠り続けたのん。恐怖で疲れたのか全然おきへんでーとまゆこが心配するくらい寝続けた。     その後、幼稚園くらいになって再びなまはげに会った。その時も泣かず、一見動じず。で、なまはげが主役のミュージカルも観た。 なにか感じるものがあったのかその後幼稚園で大きくなったら何になりたいですか?という定番の質問に 「なまはげ」と答えたのん。 なまはげになりたいん?と家で聞いたら、「うん、青いやつやで」と 青いなまはげになりたいと嬉しそうに言っていた。幼稚園で飾られた 写真と 大きくなったらなりたいもの。に なまはげ!!と書かれていたなぁ。

現在のんも21歳未だなまはげになれていない。


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