25歳女が肛門科に行った話。

はじめに

これはもしかしたらご飯を食べながら読む話ではないのかもしれない。
彼氏にこの記事がばれたら恥ずかしくて気を失ってしまう話かもしれない。
しかし、必ずこの記事を必要としてくれている女性たちがいると信じ、私が経験したありのままをここに記しておこうと思う。

肛門科。敷居が高いと言われる婦人科が東京タワーであるとすれば、そこはスカイツリーかもしれない。
何を言っているのか。
とにかく女性にとって(おそらく男性にとっても)受診するのにとても勇気を必要するのが肛門科であると私は思う。


見て見ぬふりをしていた4ヶ月

最初に結論を述べてしまうと私は裂肛、つまり、切れ痔であった。
正直に述べると、いつから出血していたのかもう覚えていない。
確実に記憶があるのはおよそ4カ月前である。
毎回出血するものの、次は大丈夫、次は大丈夫と信じ続け早4ヶ月が経過していた。

そして遂にトイレから出た後もズキズキと痛みがあるような気がする。
気のせいだと思いたい。「切れ痔 治らない」で検索する日々。

”切れ痔は症状が進行して慢性化すると、潰瘍やイボ、ポリープができて肛門狭窄の原因となります。 そのような状態にまでなってしまうと外科手術により切除しなければいけない可能性があります。 そのため、切れ痔が治らないときは、早めに医療機関を受診し、治療を開始することが重要です。”

EPARKくすりの窓口. 切れ痔が治らない・・・、早めに医療機関へ行ったほうが良い理由

このページがいつも一番上に表示されます。
何度見たか。怖い。
手術なんて。しかも肛門を。
でも、だからと言って肛門を見せに行くなんてことは、そんなことはできない。
どうしても自力で治したかった。
まずはやはり、あれを買いに行く。アレ、である。

天藤製薬株式会社 ボラギノールⓇ

あのリズムが脳内で再生されながら、いざ薬局へ向かう。
レジの店員さんに「この人、痔なのかな」って思われるんだろうな、いや、そんなことはないか、いや、そんなことしかないか、などと考えながら商品の陳列を眺める。

どれを買えばいいんだ。注入なのか、坐剤なのか、はたまた軟膏なのか。
私はこの時、注入を買っておけば軟膏としても使えるという点に魅力を感じ、注入を購入した。

これを読んでいる皆さんに伝えたい。これは正解です。
この後、結果的に肛門科で薬を処方してもらうのですが、注入タイプでした。
先生に教えてもらったコツとしては、
ぐっと奥まで差し込んで注入しながら引いていく
と、傷口に軟膏が上手く塗布されるそうです。


10日間の戦い。勝利。

ボラギノールは10個入っているんですね。
私は1日1個就寝前に注入しました。
これは正しいのかどうか分かりません。
添付文書には1日1~2個注入と記載されており、私は綺麗な所に注入した方が良いのではと勝手に解釈し、入浴後就寝前に注入していました。
ですが、病院で処方された注入軟膏は1日2回でした。
ボラギノールの正しい使い方は未だ分かっていません。

1日1個使用していた私は10日間で治しきるぞと決意。
ドーナツ型のクッションを購入、便秘に効果的とされるオートミールを朝食として置き換えました。
そして、水分をこまめに摂取し、小腹がすいたらこんにゃくゼリーを食べる。
便秘解消には食物繊維・水分が非常に大切です。

オートミール。これは感動でした。
あんなに爽快な気持ちでトイレを後にしたことは未だかつてありませんでした。
オートミールの効果の詳細はここでは述べません。
この記事に需要があれば、オートミールについて美味しいレシピなども書いていこうかなと思います。

そんなこんなで10日後。
出血なし。快便。勝利。

しかし、再発。

気合を入れた10日間が過ぎ去ると、結局以前のような生活に逆戻りしてしまうのが人間。
オートミールは美味しかったので続けていました。
水分摂取が難しかった。
家にいるときは机の上にミネラルウォーターのペットボトルを置いておけばこまめに飲むことができるが、外出した際などどうしてもおろそかになってしまう。

たった10日で修復された粘膜組織はとてももろかった。
水分摂取量が極端に少なかった日の翌日、再び出血。
ボラギノールなしで生活習慣の改善だけでなんとか治そうとするも、失敗。
毎回出血してしまう日々。

このままずっと痛みと出血に耐え続けるのか。
このまま放置していたら手術レベルの肛門になってしまうのではないだろうか。
そんなことをトイレから出てくるたびに考える日々。

手術の恐怖 VS 肛門科を受診する羞恥心

肛門科に行こうと思いました。
出血するということは体に異常が生じているということ。
その異常に対して見て見ぬふりをしていては自分の体に申し訳ない。
人間には全員に手足があるように、全員に肛門がある。
そこに異常が生じたから診てもらうだけだ。
何も恥ずかしいことはない。全く恥ずかしいことではない。
そう言い聞かせながら、自分の勇気が枯れてしまわないうちに翌日病院を受診することにしました。

病院に行く前に心配なことがある。

  1. やはりおしりを差し出すからには女性の医師が良い。

  2. どのような姿勢でおしりを差し出すのだろう。

  3. 待合室で、「この人痔なのかな」と想像されるのだろうか。

多少自意識過剰なところもあるのかもしれないが、分かると頷いてくれる女性もいるのではないだろうか。

1に関して、私の住む地域では女性の医師が診察してくれる病院が存在しなかった。なんということだと一瞬絶望したが、この時点で絶対に病院に行って痔を直すという決意を強固にしている私はすぐさま立て直し、妥協した。

2に関して、「肛門科 診察方法」で画像検索してみた。

痔-WEB. 診察について

なんということだ。どうかシムス体位であれ。どうか。と神様に願う。
結果、シムス体位でした。
というか、私が受診しようと思っていた病院のホームページに診察方法が説明されており、シムス体位が確約された状態で受診しました。
看護師さんがすかさずバスタオルをかけてくれるなど、羞恥心にできるだけ配慮した方法で診察してくれました。感謝。

3(待合室で「この人痔なのかな」と想像されるのだろうか。)に関して、これは行く病院によるのかなと感じました。
私が行った病院は消化器内科・外科・肛門科と記載されている病院で、私の他にも胃カメラや大腸内視鏡検査をする患者さんがいらっしゃったので、私もその一人に同化することができました。
え?別に肛門科目指してきてませんけど、という顔をしておけば大丈夫です。

肛門科を専門にしている病院もあって、そちらの方が頼りになるのかなとも思いましたが、待合室の恥ずかしさを考えたら、色々な部位を見ている病院の方がいいのかもしれません。

いざ、診察

当たり前ですが、診察は淡々と行われます。
軽く問診が行われた後、ベッドに移動し、ズボンと下着を下ろして上記に載せた画像のシムス体位になります。(すかさずバスタオルがかけられ、先生がぴらっと開けて処置をおこないます)
シムス体位の良い点は先生や看護師さんの姿が全く見えません。
壁をひたすら凝視することになります。

ゼリーのようなものを肛門周囲に塗り、さらに指を肛門内部までいれゼリーのようなものを塗布します。
そして、なにやら器具を挿入し、カメラで内部の写真を撮ってくれます。
それが終了したらあとはもうズボンを上げるのみです。
圧迫感はありましたが、痛みはほとんどありませんでした。

赤く出血している創部の写真を先生と一緒に見て、痔や薬の使い方についての説明を受けて終わりという流れです。

もう一度言いますが、とても淡々と終わります。
だからと言って肛門科に行きやすくなるかと言われれば答えはNOです。
もう一度薬の効果を見るために受診しなければならないのですが、とても憂鬱です。

病院に近づくにつれ「本当に行かなければならないのか…もう少し頑張れば自分で治せるのではないだろうか…」と永遠に考え続けていました。
しかし、やはり病院を受診し、裂肛(切れ痔)であると医師に診断され、市販薬よりは強力であろう薬を処方してもらった今、安心感が違います。
勇気を出してよかった、羞恥心を乗り越えてよかったと心から思います。
これで出血ライフともおさらばだ…と希望の光が見えました。

最後に

これを読んで、病院に行ってみようかなと思ってくださった方がいればとても嬉しいです。
生活習慣を改善してとりあえずは自分で頑張ってみようかなと思われた方、本当に応援しています。しかし、これは無理かもしれないと思った時はちゃんと病院に行ってくださいね。

「一人で悩まず、早めに医療機関を受診して下さい」との文言がよく見られますが、簡単に早めに受診できるなら一人で悩んでいません。

ですが、肛門科に突撃した25歳女が言えることはやはりこうなってしまいます。
一人で悩まず、早めに医療機関を受診して下さいね。

#痔 #切れ痔 #肛門科 #病院


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?