『「LINE壊れてんだよね」』

「LINE壊れてんだよね」

出たよ

じゃあさっきからいじってる

その緑のアプリ

なんなんだよ

「インスタもなんか壊れたっぽい」

まぁボロいシステムだこと

こんなのは慣れている

当たって砕ければいいんだよ

俺みたいなやつは

きょうもきょうとて

出会いに勤しむ

「信じてないでしょ？」

もはや俺はこの目の前にいる女子から

撤退しようとしていた矢先

そんな言葉を投げかけられた

返答に窮した

「本当に壊れてるんだよ」

見せられたのは

LINEの画面

なんだか解読不能な文字列の名前のやつと

ぜったい解読不能な文字列のメッセージが

連続して

「写真とかも壊れちゃって」

彼女は泣きだしながら

クラウド画像アプリを開いて

そこにあるのは

おそらく彼女の家族団らん風景と思われる写真

ただその家族の顔の部分だけが

油絵具をぎゅうっと指で掻いたように

ぐしゃぐしゃになってしまって

他の写真も同様に

「写真、ぜんぶココに入れてたのに、ちっちゃい時のも…」

彼女の手を引いて

（なんて俺らしくない）

携帯ショップへ

店員に症状を申告し

スマホを手渡す

異常はないようだ

店員のお姉さんが操作すると

LINEは日本語で表示され

（見たいような見たくないような）

写真はしっかりと鮮明に映る

彼女は店員からスマホを奪い取ると

慌てて操作する

またLINEは謎の文字列へ

家族の顔はぐしゃぐしゃに

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続きが書けたので、続けます。