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大日本末期文学全集

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終末感が滲み出る文章がまとまったら、ここに投稿します。イラストと文を合わせて一つの作品になっていることもあるので、雑誌のような感覚でお楽しみください。
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#やれたらやる

『いちおう俺もアイドル』

『いちおう俺もアイドル』

やべえよやべえ

急遽”営業”の仕事

つまりアイドル活動のほう

歌って踊る仕事が入ったのは

とってもありがたいことだし

そのためにバイトのシフトを

店長に無理言って

代わってもらったのはいい

だけど場所が悪いって

なんでライブ会場が

俺のバイト先の

ショッピングモールなんだよ

こりゃまずいよ

アイドル活動してることは

店長にだけは言ってある

だけど他のみんなには

極力

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そりゃ書くモチべ途切れたら

そりゃ書くモチべ途切れたら

そりゃ書くモチべ途切れたら架空の地下お笑いライブのひとつやふたつ企画するよね。
フライヤーをどうぞ。

あーたのしい。

『うちの先祖は忍者だったって』

『うちの先祖は忍者だったって』

なにげない会話のなかで

父が教えてくれたこと

うちの先祖は忍者だったって

へぇそれはなんだかすごい

甲賀流と伊賀流

どっちなのってきいたら

両方だって

どういうこと?

そしたら詳しく

父が教えてくれた

甲賀流と伊賀流の間で

禁断の結婚をしたんだそう

ほおおおお

じゃあどちらかが

くのいちだったんだねって

そう思ったんだけど

男同士なんだって

ほおお

はへぇえ

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『スタートアップ葬儀屋』

『スタートアップ葬儀屋』

「じゃまず土葬ね」

さっすが社長

「これは旬でしょマジで」

発想力と度胸が

「許可とかそんなんはまぁ後で」

そこいらのやつとは段違い

俺は去年の春

大学に入った

そこで出会った

2学年上の先輩

スタートアップで

葬儀屋やるってよ

「生前葬ってのもいいな」

次から次へと

「いや儀式だけじゃなくて」

アイディアが沸いてくる

「火ぃつけてやるのよ、しにたいやつに」

この

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『仕事をクビになったよ』

『仕事をクビになったよ』

仕事をクビになったよ

これから先どうしよう

ぼくがいた世界は

とってもきびしいところ

定期的な人気投票で

下位の何人かは

どうしてもクビにされてしまう

そしていちどクビになったら

二度と復帰はできないし

それまでのキャラクターを

完全に封印しないといけない

つまり新しい生活を始めるには

社会的にいったん

しんだことになって

これまでの人格?を

リセットする必要があって

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『バチェラーとバチェラー』

『バチェラーとバチェラー』

俺は毒を飲まされて

もうそんなに長くはない

っていうかあと数十秒

もって数分でしぬはず

かんぜんに油断していた

こんやはとっても楽しい

元・奥様会のつどいだった

元・奥様ていうのは

俺の元妻たち

十二人

いや

十三人だったかな

まあそいつらと集まって

飲めや歌えやする会

俺はいま独身だし

なんにもやましいことはない

なんせみんな

別れるときには

気持ちよく

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『先輩との昼飯は決まって』

『先輩との昼飯は決まって』

「けっきょくこの春はベースアップなしだってな、よそはみんな給料上がっていくのにウチだけ取り残されてる気分だよなまったく、お前なんとかしてくれよ」

先輩との昼飯は決まって

「第二課の犬吠埼主任だけどさ、あいつなんて俺より後輩のくせにいつのまにか昇給しやがってさ、けっきょく胡麻摺るのがうまいだけなんだよ」

悪口と

「いやはっきりいっておまえはまだまだ足りないと思うよ、この春で2年目だろ?俺がそ

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『ままのえすえぬえすをみてる』

『ままのえすえぬえすをみてる』

ままのえすえぬえすをみてる

ぼくのうまれたころからずっと

ううん

そのまえからある

でもぼくがうまれてからは

ほとんどぼくちゅうしん

ぱぱはいないって

なんとなくぼくはしってる

だけどままは

しごとのあいまに

いろいろなところへ

つれていってくれて

たのしいおもいでがたくさん

このえすえぬえすにも

いっぱいしゃしんがあるから

ぼくもなつかしいきもち

ただひとつだけ

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『赤面人形』

『赤面人形』

その人形は

助平な言動を耳にしたり

破廉恥な行動を目にしたりすると

顔を真っ赤にするという機能があり

ある新婚夫婦が知人から

結婚祝いの品として

その人形を貰い受けた

ふつうそんなものを貰ったら

怒るのが相場かもしれないが

めずらしもの好きのこの夫婦

おもしろそうだといって

寝室のベッドの淵に

腰かけさせたんだとか

どんなふうに

赤面するんだろう

期待に胸や色々な箇所

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『行列のできる結婚相談所』

『行列のできる結婚相談所』

行列のできる結婚相談所があるときいた

その歴史は古く

戦前から今に至るまで

客足は途絶えていないというから

驚くほかはない

大手企業による運営でもなければ

オンラインでのマッチングでもなくて

特徴というか

すこし変わったところといえば

その場所

都会から少し離れた郊外

ニュータウンの開発とは縁のない

古くからある住宅街のまんなかで

ひときわ存在感を放つ邸宅がある

その家

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『送別会にて』

『送別会にて』

嫌われている

俺は上司から

とても嫌われている

と思っている

俺の挨拶だけ無視をされる

なんてのはまぁ良い

俺の提出した書類だけ

いやにケチをつけてくるし

承認も遅い

だから仕事に影響がある

俺が嫌われるだけなら

別にかまわない

ただつまりは俺の部下まで

そのあおりを受けるということ

「正解は”うさぎ”でしたー!Aテーブルのみなさんおつかれさまでした!ではお次、Bテーブ

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『不老不死の薬ができた』

『不老不死の薬ができた』

とおい昔

ある国のある大臣が

クーデターを試みた

方法は毒薬による暗殺

すべての権力を

ほしいままにしていた国王は

そのチカラを永遠のものとしようと

不老不死を強く願っていた

国民はもとより

取り巻きのものに強く当たるから

それを快く思うものなど皆無だった

不老不死の薬ができた

そんなのはもちろん嘘で

毒薬をそう伝えて飲ませようと

その大臣は考えた

「今宵お眠りになる

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『戦争とスパイ』

『戦争とスパイ』

我が祖国が敵国Qの首都を制圧した

しかもQ国の誇る重戦車部隊を

完全無人かつ全自動化された

ドローンを以って

そんな報せが世界中を

駆け巡った

完全無人かつ全自動化された

ドローンが

重戦車部隊を押し退けて

数多の人命を奪ってしまう

そんな世の中に

なってしまったのだ

私はひとり

コーヒーをすすりながら

ニュースに写された映像を

ぼうっと眺める

ところがQ国の首都

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『ローアングル』

『ローアングル』

土日は色んな意味でゆるむ

だからやりやすい

休日でも混雑している

ターミナル駅の

エスカレーター

身なりだけは

清潔に整え

お手製の腕章を巻いて

何か問われたら

名刺を差し出して

「資料用映像です」と

これだけでじっさいに

これまで幾度も難を

逃れてきた

みんなそのくらいの

努力はしなくちゃ

いい画は撮れないよ

※フィクションだからね。発狂しないでよね