観察すること〜Vol1.デッサンの経験から〜
デザインの世界に興味を持ち、一歩を踏み出したのは今から5年ほど前。働きながら夜間に都内のデザインの専門学校に通いだしたときのことだった。課題の多さに辟易して授業をサボってしまうことも多く、お世辞にも優等生とは言えない学生だったが、それまで情報工学の世界しか知らなかった自分にとっては全てが物珍しく新鮮で、刺激的な経験だった。
とりわけ好きだった授業はデッサンで、「観察」の奥深さに出会ったのもこの経験が原点だった気がする。デッサンでは、たとえば瓶や玉ねぎといった比較的単純な静物