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某銀行での良い話。

きょうは給与受取のための口座を開設するために某地方銀行の有人店舗に出向いた。最近は新規の口座開設に必要なすべての手続きをすべてネット上で行えるようになっていて、恐ろしい時代になったもんだなぁと思う。ここまできたらどれだけ気をつけていても、極端な利便性の裏にある罠に気づかぬうちにハマってしまうのだろう。まあ、わざわざ銀行が開いている平日に店舗まで出向かずに済むのは大変助かることだし、ご時世的なことを考えてもネットでの開設を推奨する流れになっているのも当然のこと。

そんな中、なぜわざわざ流れに逆らって"新しいものを受け入れられない頑固老人"的な行動を取ったかというと、長期的に家を空ける予定があるためネットでの開設をした後日に書留で送られてくるキャッシュカードを受け取れないかもしれない、という懸念があったからだ。月末の研修までに某地銀の口座を用意する必要があり、とても急いでいるので、書留が受け取れずに手続きが完了できないなんてことがあると困る。有人店舗での開設であればその場で受け取れるだろうし、受け取れなくても何かしらの対応をしてくれるだろうと思ったから「ネットに強い若造のくせにわざわざ」友人店舗に出向いた。入店して要件を伝えると、仙人みたいなオジサマに「あら、本当に?ありがとうね。お嬢ちゃん、免許証とかマイナンバーカードとか持ってるの?」と訊かれた。なるほど、このご時世に窓口を使う方の年齢層って相当高いんだろうなぁ。すっかり「お嬢ちゃん」気分になったわたしは年配のスタッフの方々に終始甘やかされながら、無事に口座開設を済ませた。ただ、担当してくれた50代くらいの女性のスタッフは対応こそ丁寧なものの臨機応変という言葉のかけらもなく、「大丈夫か、地銀」と思ったこともここで白状しておく。流れでクレジットカードの申し込みまですることになったので、会社のことや見込み年収などの細かい情報もタブレットに打ち込んだ。ここで再び「あぁ、来春から社会人になるんだなぁ」と思った。そろそろ来春から社会人になる自分に慣れてほしい。考え込む癖というのはこういうときに損をする。いちいち将来を考えては無駄に怯えて、辟易する。すべての手続きを終えたあと、対応してくれた女性はやさしい微笑みを浮かべながら「4月から社会人、頑張ってくださいね」と声をかけてくれた。今回わたしは柔軟な対応を求めて有人店舗に出向いたわけだが、臨機応変な対応を必要以上に求めるのではなくて、生の言葉にある"あたたかさ"をじっくりと感じられる人間になりたい、その感覚を忘れたくない、と強く思いました。ありがとうございました。

きょう開設した口座にちゃんとお金が振り込まれるよう、4月から誠意をもって働きたい。この先お給料を受け取るたびに、わたしを「お嬢ちゃん」と呼んでやさしく対応してくれた某地方銀行某支店の皆様のことを思い出すでしょう。

わあ、嘘みたいないい話。本当ですよ。


それではまた。


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