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トレーニングの原則

今回は前回のトレーニングの原理の記事に続き
トレーニングの原則についてお話しさせていただきます!

前回の記事を見ていただいた方はお分かりかと思いますが
トレーニングの成果を効果的に出していくためには
トレーニングの原理原則に従ってトレーニングメニューを考案、プラグラミングしていく必要があります。

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効果的にトレーニングを進めていく為の原理原則は全部で9つあります。

【トレーニングの原理】
・過負荷の原理
・特異性の原理
・可逆性の原理

【トレーニングの原則】
・全面性の原則
・意識性の原則
・個別性の原則
・専門性の原則
・漸進性の原則
・反復性の原則

原理が3つ原則が6つになるのですが、前回の記事ではその中から原理の3つを詳しく説明しました!
今回は6つの原則について説明して行きます。


では早速、原則について見て行きましょう。


【全面性の原則】

全面性の原則は筋力や柔軟性、有酸素能力などをバランス良く全体的にトレー二ングすることを指します。
どれか1つに特化していても全体的な能力が高くなければトレーニング効果を最大限得られないと言うことです。

例えば下半身の筋力UPを目的としてスクワットをするとします。
トレーニングを始めて間もない人はグングンと使用重量が伸びて行くと思います。
しかし、使用重量が伸びて行くと急にスクワットの綺麗なフォームが取れなくなり挙上出来なくなる可能性があります。
理由はいくつか考えられますがその中の1つに体幹筋の筋力不足が挙げられます。
スクワットの挙上動作の主動筋は股関節〜下肢の筋肉になりますが
担いでいるバーの重心を体の中心に保つために体幹を下腿と平行に保つ必要があります。
その際に体幹が前に傾きすぎたりしないように必要になるのが広背筋や腹筋群などの体幹筋になります。
この体幹筋が下半身の発達より遅れすぎているとスクワットの重量が思うように上げられず、下半身の筋力UPの阻害要因になり得てしまいます。

これが全体的にバランス良く鍛えないとトレーニング効果を最大限に得られない要因になります。

スクワットに限らずトレーニングは様々な要素や能力が深く絡み合って構成されているものがほとんどになります。
1つの能力に特化してトレーニングすることも大切だとは思いますが
ほとんどの競技、種目が様々な能力が必要になると思います。
その他の能力が極端に疎かにならないように気をつけてプログラムを組んで行きましょう!



【意識性の原則】

意識性の原則はトレーニングの内容・目的・意義をよく理解し、積極的に取り組むことを指します。

現在行なっているトレーニングが何の能力を高めるトレーニングなのか、その能力が競技にどう活用されていくのか。
このようなことを選手、指導者共に意識することでトレーニング効果を最大限引き出すことができます。

他にも時期ごとにそのトレーニングをやる理由や目的なども意識して取り組む必要があります。


この意識性の原則を忘れてしまうと、目的や目標が不明瞭になったりトレーニングの効果が感じられず、ただこなすだけのトレーニングになってしまいます。
狙った効果が得られにくかったり意欲が薄れ継続的に実施できなくなる可能性もあります。


指導者と競技者の共通認識を持つ意味でもこの意識性の原則はとても大切になります、チームスポーツの場合はチームでも目的や目標を共有する事が必要です。

しっかりトレーニングの目的、目標を意識してトレーニングに取り組みましょう。



【個別性の原則】

個別性の原則はトレーニングの実施内容を個人の能力に合わせて決めるようにすることを指します。

これはトレーニングの効果を得るだけでなく怪我や病気の予防などの安全の為にも極めて重要になります。

個別性の原則が当てはまる項目はいくつかあります。

・年齢
・性別
・体型
・競技レベル
・経験値
・病歴

などなど多くの事を意識して個別にプログラミングする必要があります。

幼少期に高度な技術トレーニングを行ったり、高齢者に高強度高負荷のトレーニングをしても効果を得づらいだけでなく傷害のリスクが高いことは何となくわかると思います。


個別性の原則を当てはめ、それぞれのパーソナリティを見て個々に合ったトレーニングプログラムを実施するようにしましょう!



【専門性の原則】

専門性の原則とは競技や健康づくりなど目的に合った機能を優先的に高めていくことを指します。

当たり前のことですが競技によって重要視される能力、必要な能力は異なります。
その競技の専門性を考え一番必要な能力を優先的に鍛える事が大切です。

競技ごとの活動様式(スピード・持久力・ジャンプなど)を考えてトレーニングプログラムを作成する必要があります。

さらに細かく言えばチーム戦術ポジションによっても必要な能力の優先順位が変わる事があります。

サッカーで例えると
ハイプレスで前線から相手にプレッシャーをかける戦術と
後ろに引いて守ってカウンターを狙う戦術。

ハイプレスの戦術では持久力がとても大切になるでしょうし
カウンターを狙う戦術ではスピード感が大切になると思います。
実際はここまで簡単で単純な話ではないですが、ざっくりイメージするとこんな感じです。

ポジションで言えばキーパーとフォワードではもちろん必要とされる能力が違ってきます。

専門性の原則に沿ってそれぞれどの能力を優先的にトレーニングするべきなのかしっかりと考えながらトレーニングプログラムを組んでいきましょう!



【漸進性の原則】

漸進性の原則とは体力・競技力の向上に伴って運動の強度、量、技術課題を段階的に高めていく事を指します。

前回の記事で紹介した過負荷の原理もあるため、今の自分の持っている能力よりも高い技術、高い強度でトレーニングする事が必要になります。
その際、段階的に負荷をあげていかないといけないのですが
無理して急激に負荷を上げるとトレーニング効果が得られにくかったり、傷害に繋がる可能性も出てきてしまいます。

”漸進的=徐々に進めていく”

と言う意味の通り少しずつ負荷をあげていく事が必要になります。

少しづつ負荷をあげていく事が大切なのですが
柔軟性や筋力、持久力などそれぞれの能力は成長するスピードが異なるため
一概に負荷を上げていくのではなく、能力ごとに負荷の増加量を考慮する必要があります。

過負荷の原理があるため負荷の増加量が少な過ぎるとそれもまたトレーニング効果を最大限引き出せない要因にもなります。
この負荷量の見極めはとても難しいものではありますが
選手とコーチ間で選手の主観的な感覚やフォームなどを照らし合わせ怪我のリスクを考慮し漸進的に負荷を上げていく事が大切です。



【反復性の原則】

反復性の原則とは運動プログラムをある程度の期間規則的に繰り返して行う事で効果が得られる事を指します。

これは皆さんお分かりかとは思いますが、特に技術面でとても大切になります。
1回トレーニングをしただけではなかなか得たい技術は身につきません。
何度も繰り返し繰り返しトレーニングする事で技術が身についたり効果が得られるのです。

可逆性の原理もありトレーニングを止めるとその技術や効果も失われて行きます。
長期間で習得した効果よりも短期間で習得した効果の方が消失が早いと言われています。

反復性の原則を守り繰り返しトレーニングを行い技術や効果を習得しましょう!



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以上のが6つのトレーニングの原則の説明になります。
先ほども言ったようにトレーニングの効果をしっかりと得ていくためにはこの6つの原則と3つの原理に沿ったプログラムを組まなければいけません。


トレーニングの原則も見てみると当たり前のことかもしれませんが、その当たり前を徹底してやることがトレーニングの成果につながります。


特に忘れてしまいやすいのは意識性の原理ではないかと思います。
何の為にこのトレーニングをやってどう目標に近づけていくか意識せずにトレーニングを行ってはいませんか?


反復性の原則もあるので同じメニューや似たようなメニューを繰り返しやる事が多いと思います。
繰り返し同じことをやることによって、飽きや集中力の低下などで無意識でトレーニングをやっていることが見受けられることがあります。


何も意識せずに決められた時間や量をただこなすだけでは意識性の原則から外れてしまっている為、十分なトレーニング効果を得られていない可能性があります。


毎回意識しながらやることは意外と難しいかも知れませんが、パフォーマンスアップには欠かせない要素だと思います。


そのほかの原則もトレーニング効果を得るためにはとても大切な要素になるので前回の記事のトレーニングの原理と共にトレーニングの原則も頭に入れながらトレーニングを実践して行きましょう!

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