「青年海外協力隊のいま」#6 ドミニカ共和国で小学校教育!美川 沙央里
青年海外協力隊の「これまで」と「いま」を紹介するコーナー
「青年海外協力隊のいま」
第6回はドミニカ共和国・小学校教育隊員の美川 沙央里(みかわ さおり)さん!
日本で教師として経験を積み、ドミニカ共和国の教員を養成する大学で活動した美川さんの「いま」をご紹介します!
自己紹介
名前:美川 沙央里(みかわ さおり)
隊次:2019年度2次隊
職種:小学校教育
派遣国:ドミニカ共和国
出身地:福岡県
趣味:海外旅行、ミュージカル鑑賞、ドライブ、読書
初めまして。小学校教育隊員としてドミニカ共和国に派遣されていた美川です。大学卒業後、福岡県の小学校で3年半程度勤務した後、自己啓発等休業を利用して(学校の先生としての給与は無給)現職参加で協力隊に参加しました。
大学では小学校の国語教育を中心に勉強したり、スウェーデンに留学したりしていたこともあり、国語や外国語(英語)教育に興味があります。ドミニカ共和国では算数教育を中心に教えることになっていました。
青年海外協力隊に応募した理由はなんですか?
国際協力に興味を持ったのは、中学生の時です。学校の生徒会活動の一環で、ユニセフへ寄付するために募金活動を行いました。その際、全校生徒へ寄付したお金がどのように役立つのかを宣伝した方が募金が集まると考え、ユニセフの活動について自分でも色々と調べました。そして、水や医療など生活に必要なものが届かない子供たちが世界中にたくさんいること、その貧困の連鎖を止めるには「教育」を届ける必要があることなどを知り、いつか子供たちのために何かしたいとぼんやりと思うようになりました。
その後、大学受験に向けて進路選択を迫られたときに高校の先生から、「国際協力の道に進むなら手に職があった方がいい、先生になって経験を積み、協力隊に参加してはどうか。」というアドバイスを受けました。それ以来、10年近く「先生として協力隊に参加すること」を目標に進んできました。
派遣国はどんな場所ですか?
派遣国:ドミニカ共和国
ドミニカ共和国はカリブ海に浮かぶイスパニョーラ島の東部に位置する国で、西部のハイチと国境を接しています。
コロンブスがヨーロッパ人として初めて上陸し、新大陸で初めての植民地となったことで知られています。首都サント・ドミンゴには植民地時代に建設されたソナ・コロニアルが旧市街として世界遺産にも登録されています。
また、アフリカから多くの黒人奴隷が連れてこられた時代背景もあり、肌が黒い人が多い印象です。
任地はどんな場所ですか?
任地:サント・ドミンゴ
任地は首都サント・ドミンゴです。大きなショッピングモールやIKEAなどもあり、地方に比べると物価は高いものの、とても便利で生活するうえで困ることはほぼありませんでした。
世界遺産のソナ・コロニアルはスペイン統治時代の面影があり、外国人の観光客も多く訪れます。
一方で、クラクション鳴らしまくりながらの荒っぽい運転と、通勤時間帯の交通渋滞はかなり戸惑いましたね。
【配属先について】
配属先は、ドミニカ共和国内に6校あるISFODOSUという教員養成に特化した大学で、首都サント・ドミンゴにあるFelix Evaristo Mejiaという学校でした。
学校には約100名の先生に加えてスタッフが多数います。Felix Evaristo Mejiaには1000人近い学生が学校の先生になることを目指して勉強しています。私は4代目の隊員だったため、配属先の先生たちも学生も割と歓迎ムードで出迎えてくれて、働きやすい職場だったと思います。
どんな活動をしていました?
配属先での主な仕事は次の3つでした。
1 大学の先生たちの授業時間をもらい、タジェール(講義)をすること
算数教育を中心に行う予定でしたが、活動を始めたばかりだったので頼まれたことは断らないようにしようと思い、算数に関係ないことも話しました。(俳句の授業や日本の教育制度の紹介など)
2 学生の教育実習に引率して、授業後にアドバイスをすること
教育実習のシステムや学生の様子、現地の小学校の様子を把握するために、まずは現地の小学校を見学しました。
3 現地の小学校の先生へのアドバイス
活動で嬉しかったこと・苦労したことはなんですか?
私が初めてタジェールで学生たちの前で話した後、学生たちがたくさん質問をしたり、意見を言ったりしてくれました。きっと間違いだらけのスペイン語で聞きにくかっただろうに、興味を持って聞いてくれたことが伝わってきてとても嬉しかったです。
その一方で、スペイン語が分からないために、その質問や意見を正しく理解できなかったり、うまく返せなかったりしたことは本当に悔しく感じました。
また、授業で仲良くなった学生たちが突然オフィスに来て、「さおり!今から暇なら、遊びに行こう」と誘われたときは、「きっと先生としては見られていないな…」とちょっぴり複雑な気持ちになりつつも、その優しさや気遣いが嬉しかったです。
短い活動期間でしたが、難しいなと感じたことは「伝え方」です。
そもそもスペイン語が堪能ではないので、うまくオブラートに包んで伝えるというのは高度過ぎてできないのですが、割とプライドが高いドミニカ共和国の人に、うまく授業後にアドバイスをするのは難しいなと感じました。
帰国してから今までどうしていましたか?
帰国してから職場に復帰するまでは、今まで放置気味だった家の掃除をしたり、教育関係の本を読んだり、スペイン語の勉強をしたりしていました。
これからの予定は?
特別登録制度を選び、元の職場である小学校に戻りました。今年8月末から2学期が始まるので、元気いっぱいの子供たちと一緒にまた過ごせることはとても楽しみです。新型コロナウィルスの影響で授業時間がひっぱくしていることや、私自身が担任を持っていないこともあり、子供たちに協力隊の経験を話す時間をすぐに持つことは難しいですが、いつか話す機会があればと思っています。
また、スペイン語での教育情報の発信など、まだ具体的な構想は固まっていませんが、日本で仕事をしながらでも自分にできる国際協力の方法を模索していこうと思っています。
編集メモ:青年海外協力隊の現状
新型コロナウィルスの影響で青年海外協力隊の全隊員約1800人が帰国しました。現在も派遣国へ戻る予定は立っていません。一度、協力隊員としてのJICAとの契約を解除するものの、今後3年以内なら面接などをせずに優先的に派遣されるシステムが特別登録制度です。
編集後記
美川さんの「いま」、いかがでしたか?
中学校で国際協力に興味を持ち、大学に進学する時には目標にした協力隊。念願かなって協力隊になれました美川さんですが、現地の活動は2~3か月で終わってしまいました。
それでも、きっと前に進んでいくんだろうと感じさせてくれる美川さんの「いま」。素敵ですね。
最後までご覧くださってありがとうございました!
次回もお楽しみに!
青年海外協力隊員へ:
あなたのことを記事にしませんか?
青年海外協力隊の魅力がより多くの人に伝わるように。
みなさんの活動や気持ちを整理するきっかけにもなるように。
そんな想いで「青年海外協力隊のいま」を連載しています。
全派遣国の隊員の紹介を目標にしています。
記事を書いてくださる方、
インタビューを受けてくださる方がいらっしゃれば
お気軽にご連絡ください!
対象:どなたでも!(現役、OBOG、派遣待ちの2019年度3次隊以降)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?