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2024年9月ブックレビュー#1『ヘルシンキ 生活の練習』

コロナ禍に転職のため、ヘルシンキに2児をつれて移住した著者のヘルシンキ移住記録。
ちなみに著者は在日コリアンだそうで、幼い頃からアイデンティティに関する悩みも多く、日本でも韓国でもない国に住んでみたかったらしい。
それで海外就活をし、みごとフィンランドで職をゲットし、移住となったそう。

北欧万歳ではない

この本は決して北欧礼賛ではない。
日本ではありえないような雑な?対応をされた経験ものっている。
実際の北欧ってどうなんだろうというのが知れて、なかなか興味深い。
子どもへの接し方とか。

なぜ日本人は北欧をやたらとあげるのか?

そもそも日本に住んでいる人にとって、フィンランドに住んでいる人たちの幸福度が高いかどうかなんて、そんなに重要なことだろうか。そうではなく、本当に言いたいことは、「私たちは不幸だ」ということのほうではないのだろうか。

p271『ヘルシンキ 生活の練習』

特に印象に残ったのはこのくだり。
昨今の日本ではとくに、ときに北欧礼賛ともいえるような、北欧アゲ日本サゲの論調が多くみられる気がする。
私はその理由は3つではないかと思っている。

  1. どこかに【理想の国】があると信じていて、現状の幸せに気づけていない。他人がうらやましいと思ってしまう。

  2. 日々の日本の日常がどこかギスギスしていてつらい。どこかに逃げ出したいという現実逃避。

  3. 日本への失望感。閉塞感。

たしかに日本で暮らしてると、な~んとなく暗いな~、みんなイライラしてるな~と思うことは多い。
国民性?性格の違いかもしれない。

・こういう本を読んで、北欧・他国の実態を知ること。
・理想の国なんかなくて、自分たちでよくしていくしかないと自覚すること。
・身近な幸せに気づくこと
で自分の中の考え方が少し変わる気がした。

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