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兵庫県知事のパワハラ問題に関して、一公務員がおもうこと

兵庫県知事の件、連日報道されてますね。
公務員のパワハラ問題は、最近結構報道で出るようになりました。
個人的にはよい傾向だと思っています。

なぜなら、公務員の世界はパワハラが普通にあるからです。

理詰めで追い詰める人、暴力をちらつかせて脅す人、実際に暴力をふるう人、部下に理不尽な責任を押し付ける人、セクハラキモおやじ。(今まで女性のセクハラ加害者や若手の加害者が身の回りにいなかったので、あえておやじと書いています。)

普通にいます。

かれこれ10年近く国家公務員の端くれとして働いてきましたが、だいたいの職場にいました。令和のご時世にもいます。

自分がターゲットになったこともあれば、隣の課や隣の席で展開されていたこともあります。

私の身内は、組織のお偉い人に「今から殴りに行くぞ」と電話で脅されました。

個人的には公務員の世界にはパワハラが蔓延しやすい環境と思っています。

なぜなら、
1.めったに解雇になることがない=人材が滞留している
2.業績評価ではなく、年功序列なので上意下達、上司、年輩者の言うことは絶対の文化がある。そのため若手は標的になりやすい
3.狭い世界なのでこれからのことを考えると、反抗するより我慢したほうがましと思ってしまう。
4.録音、録画などがとりにくい
5.マスコミは公務員の味方ではない(たとえ被害者でも)
からです。

1~3はとくに公務員の世界では新しいことをやりにくい、という欠陥の原因でもあります。

1.めったに解雇になることがない=人材が滞留している

公務員は犯罪を犯したり、横領するとか、業者に落札予定価格を教えるとか、決裁処理しないとかの不祥事を起こさない限り、まずクビにはなりません。今のところ。
もしかしたらこの先、業績が悪かったらクビ!っていう文化になるかもしれませんが、かなり時間がかかると思います。
なぜなら公務員の仕事は数字で現れるものが少なく、評価が難しいからです。
また公務員の組織はとにかく変化を嫌うので、それまで大きな変化は起こしにくいから。
また組織が大きすぎることが多く、拙速な変化を起こしにくいからです。大臣が言ったりしたら変わるかもしれませんが。

なので、たとえパワハラで問題になった人、それこそ部下を自〇に追い込んだと噂されている人でも、今も元気に働いています。普通に隣にいたりします。

上司にナイフつきつけたとか、同僚を階段から突き落としたとか、職場を燃やすぞとか言った人も、元気に働いています。(にっこり。)

2.業績評価ではなく、年功序列なので上意下達、上司、年輩者の言うことは絶対の文化がある。

公務員の世界で評価される基準をご存じでしょうか?
それはただただ「長く生きているか。」それだけです。

一応国家公務員にも業績評価は導入されています。
半期ごとに、SSとかSとかAとか評価もされます。
多少ボーナスに反映されたりもします。
でもその評価って、どうやって決まってるか知ってますか?
評価ごとに定員が決まっているんです。SSは全体で〇人までとか、Sは〇人までとか。
だから目覚ましい活躍をした人がSSにならなかったり、逆に、え、この人が?って人がSになったりします。
(さすがにSS、Sをとるにはある程度の成果がある人に限られますが。評価も自己申告だったりするので、うにゃうにゃ…)

業績はそんな感じで結構適当な評価なので、年齢が大きな評価ポイントです。
多少のばらつきはありますが、だいたいみんな〇歳になったら係長になって~とか、〇歳になったら課長かな?〇〇官かな?とか、正直読めます。
こいつが?って人も普通に課長とかなってます。

そして年功序列、年取ったらえらい、の文化なので、若手はだいたい、いいように使われます。裁量がある仕事ならまだ救いがありますが、何するにも上の指示をあおぎ、どうでもいい雑用をふられ、意見を言おうもんなら、あいつは生意気だ、と批判されます。
正しいことを正しいと言っただけで、いじめの標的になった人もたくさんいます。
そういう経験をした人は、もう何も言わないほうが得策だなと考えるようになっていきます。パワハラマンものさばり放題です。

3.狭い世界なのでこれからのことを考えると、反抗するより我慢したほうがましと思ってしまう。

1.でも述べたように、公務員は人材の流動性がありません。
最近は人材不足、若手退職者も増えましたが、嫌な人ほどずーーーーーっと残っています。たぶん中年のおっさんおばさんで辞めても、公務員しかしてこず、能力向上の努力もしてこなかったので、行き先がないのでしょう。

となると、異動先でもまた遭遇する可能性が高いのです。

また公務員は噂大好きマンです。
上司に歯向かったなんてネタは、恰好の餌食になります。
たとえその主張が正しくてもです。
となると今後も同じ職場で生きていくなら、反抗してやりづらくなるより、我慢して、耐えて、異動を待つのがまだましかなという思考になるのは、想像できますよね?

4.録音、録画などがとりにくい

特に録画はとりにくいです。
私も毎日居眠りする同僚を録画してやろうかと思いましたが、なにかしら個人情報が映ります。個人情報以外でも、外に出してはいけない情報がわんさかです。
(のわりに、生保レディは普通に執務室には入ってきます。人事課若手時代に堂々と生保レディが入ってきて、上司が誰も注意しなかったのには唖然としました。)

なので、証拠として外部に出すのはかなり至難のわざです。
下手したらこっちが訴えられて、不利益をこうむります。

5.マスコミは公務員の味方ではない(たとえ被害者でも)

マスコミの件に関しては、今回の兵庫県知事の告発文が出た当初、元局長に対してはイロモノ扱いというか、怪文書を出した人、どちらかといえば知事側寄りの報道が多かったように記憶しています。(ちなみに私は関西在住で、初期からこの報道に接してきました。)

風向きが変わったのは、元局長が亡くなられてから、補助金の件、2人目の自殺者の存在などが明らかになってからでした。

一般にマスコミは公務員叩きの報道が多い印象です。(やれボーナスがどうとか、年収がどうとか、そういう記事が定期的に現れます。)
最近は公務員の現状が少しずつ知られるようになり、また世間の大企業に比べたら公務員なんてそんないいもんじゃない、という実態が広く認知されるようになってきました。
それまでの公務員叩き(2000年代後半ごろ~2010年代後半ぐらい?)は、かなりひどかったと記憶しています。
景気が悪かったのも影響して、公務員がうらやましく見えたのか、それともうっぷんを晴らすために、文句を言わないサンドバッグを求めていたのかは不明ですが。(すみません、あまりにも理不尽な書かれ方だったのを思い出してヒートアップしました。汗)

なのでマスコミに訴えても無駄です。


組織には一定数おかしい人、サイコパスがいます。
大きい組織になるほど、母数も増えるので、その人数も増えます。
中にはパワハラと思わせず、精神的にじわじわ追い詰めるこざかしい人もいます。
また年功序列で肩書だけ高い人は、無駄にプライドが高いことが多いため、反抗しようもんならとことんやられる場合が多いです。

パワハラは被害にあっている人だけではなく、周囲にも萎縮させたり、発言を封じるという悪影響を与えます。

しかし組織は弱者を守ってくれません。
特に公務員の組織の上にいる人は、事なかれ主義、自分が定年まで無事に過ごすこと、だけを考えている人がかなり多いです。
(もちろんそうでない立派な心がけの人もいますが、そういう人にめぐりあえたら、かなり幸運と思ったほうがいいでしょう。)
なので組織はパワハラマンより、組織を乱す異分子のほうを懐柔・排除しようとしてきます。
なだめすかしてみたり、ごまかしたり、対応すると見せかけて何もしなかったり、脅してみたり。(今回の副知事や幹部連中のようにね)
そしてそういう組織運営に長けた、事なかれ主義の人ほどもれなく出世しています。

公務員組織の自浄作用には期待しないほうがいいです。

ということで、今回の兵庫県の事件に関して、公務員の内部事情を書いてみました。
公務員なんてこんなもんです。
だからこういう悲しい出来事が起こります。

公務員がパワハラ被害にあったときの対処法・予防法は、ぜひこちらを見てください。↓

パワハラにあったら、とりあえず病休とりましょう。
記録もとりましょう。
一応上司・上司の上司にも言いましょう。(なにもしてくれない可能性が高いですが、私は言いました的な証拠を残しましょう。できればメールを残したいところ。)

私の身内も現在進行形で若干パワハラ気味の被害を受けて、日に日に元気がなくなっています。
毎日遅くに帰ってきて、落ち込んでいるのを見ると、本当に心配になりますし、なんでそこまでして働かないといけないのかなと思います。

私も理不尽な罪を着せられて悪者にされ、あげくにその張本人(上司)に嫌がらせで年休を阻止されたり、課内会議でつるしあげられたときは、めちゃくちゃしんどかったです。
毎日本気でこの人世の中から、せめて目の前から消えてくれないかなとか、職場に隕石落ちて全部なくなれ、と思ってました。
その後表面上こちらが折れる形で和解しましたが、今も許していませんし、許すことはないでしょう。
当時は心療内科の適応障害の診断書をお守りにしてました。使いませんでしたが。

なんにせよ、ここしかない!と思うと、追い詰められます。
YouTubeのあびさんも言われていますが、本当にその通りです。
「いつでも辞められる」と思うと、「こんなとこどうでもいいわ。」となります。
すると、なに言ってるか分からない上司とか、プライドだけ高くて全部否定から入る同僚とか、人を悪者にして自分だけ安全地帯にいるのに上司ぶってるやつとか、全部が若干コントみたいに思えてきます。(実体験)

とにもかくにもお金は自由への切符。
自分を守ってくれます。
いつでも辞められるよう節約・自己投資・挑戦を続けましょう。
最悪お金がなくても、パワハラ・セクハラ・モラハラその他ハラスメントで精神が限界だったらすぐやめましょう。
生活保護でもなんでも使えるもん使って生きていきましょう。
今まで税金おさめて、住民のために働いて、十分生活保護受ける権利あります。
公務員がこんなこと書いたらまた叩かれるんだろうか?



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