【育児】ハンドメイドのセーターを着てスーパーに。

 しばらくぶりだ。洋服を前に、こんなにウキウキするのは。昨日、ネットで注文したセーターが届いた。薄いグリーンで長めの丈。ふんわりと膨らんだ袖、直線的な首まわり。鮮やかな色味も素敵だし、優しい触り心地が気に入った。今日、出かけるときに着て全身を鏡に写した。そういえば、産後、全身を鏡で見る機会も少なかった。何か老けたなー。

 出産前から産後8ヶ月のいまに至るまで、私の服選びの基準は「動きやすさ」と「家で洗濯できる生地の丈夫さ」、「手頃な価格」。デザインは「近所のコンビニやドラッグストアに行けるくらい」なら良し。毎日毎日、無難な服ばかり着るようになった。最近はジーパンか茶色のパンツ、時々、スカート&スパッツ。上はセーター。

 仕事の時に着ていた服はもう着ないし傷んできていたのでほとんど処分した。ジャケットやシャツはクローゼットの奥にしまってある。妊娠前だってオシャレだった訳じゃない。いかにも「三十代前半のOL」が着ていそうな服をデパートでパッと適当に選び、時には数年に渡って着ていた。

 産後はファストファッションのありがたみを感じた。安いし、デザインもそれなりに可愛いし、機能的。家で洗濯もできる。「上質なものを長く着る」なんて生活はしばらくは無理だし、あまり興味もない。でも、毎日「無難」な服を着て、授乳とオムツ替えと離乳食、掃除、洗濯、ご飯支度ばかりしていたら、何だか生活に埋もれた気分になってきた。立体じゃなくて、平面、とでも言うか。4Kの時代(これも古いのかな)、自分だけ白黒テレビと言うか。

 そんな時、色んなハンドメイド作家さんの物を買えるサイトを知った。洋服、アクセサリー、カバン、雑貨…。値段は様々だ。服は高価なものは数万円するけれど、数千円のものもたくさんある。見るだけで楽しい。早速、セーターを注文した。いつものファストファッションの倍の値段だけれど、特別、高価ではない。セーターが届いたとき、作家さんの手書きのメッセージが入っていた。それがすごく嬉しかった。

 いま、そのグリーンのセーターを着た私は、地元のスーパー内のイートインスペースにいる。隣は高校生らしい3人組が騒いでいて、斜め向かいではおじさんがカップ麺をすすっている。私の前にはもうすっかり冷めたカフェオレ。もうそろそろ自宅に帰って、家族に預けてきた赤ちゃんに授乳しないと。相変わらず生活の中にいるけれど、無難な服の時よりは、色が戻ってきたかもしれない。

 

 

 

 

 

 

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