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本ができる直前4ヶ月の話

東洋経済新報社との契約が、無事に締結。

「本格的に文章の改定作業と、追加のエッセイの執筆にとりかかるぞ!」

とスイッチが入ったのは、2021年3月ごろ。

編集者には、GW明けにドラフト原稿を提出すると約束しました。
私は、目次に沿って執筆スケジュールを決め、子供たちが学校に行っている平日の午前中の2-3時間を使って執筆作業を行いました。

でも、自宅ではなかなか身が入らず……
近所のカフェでPCが使えそうでかつ静かに長時間作業できるところに出かけて執筆することが多かったです。

1番のお気に入りは、P通りの某結婚式場が運営するカフェ。
ここは、11時からオープンでそもそもお客がガンガン来ることを想定しているカフェでは無いようで、私以外にも在宅勤務らしき方がちらほら見えました。

私のスタイルは外出先でがーっと執筆して、それをプリントアウトして家で手直しする、というもの。子供が家にいると作業をする気が全くしないので、とにかく朝9時~14時の間で時間を確保して作業しました。

そして、GW前ごろには、予定通り執筆作業が無事るところまでこぎつけました。


そんなタイミングに、表紙のデザイン案を20パターンほど送っていただきました。

表紙の絵として、白血病らしく帽子をかぶった女性、時計、ドアなど数案が描かれており、またカラーもいろいろなバリエーションがありました。

「意見は受けますが、基本的には出版社側で決めさせていただきます」

との説明があり、私なりのコメントをしましたが、自分的には第二希望のデザインが採用されました。

「まあ、これだけ考えてもらって吟味してもらったからなぁ」

と、ちょっと後ろ髪をひかれる思いもしましたが、書店の棚に並んだ時にこちらの方が目を引く、というプロの説明で納得しました。


表紙が決まったころ、1つの疑問が湧きました。

「私の書きたいことだけ書いただけで、本を手に取ってもらえるのかな?」

本を書いても読んでもらえなければ意味がないと私は考えています。

「何か工夫して、本を読みたい・自宅にこの本を置いておきたいと思ってもらえないか?」

と考えました。

そこで、ありきたりといえばありきたりですが、読み返したいと思うような実用的なコラムや、闘病中の子供たちとのやり取りなどリアルな文章を含めてみたらどうか、と思案しました。

GW明けに編集者に相談したところ、コラムはよいアイディアだと思うとの返事あり。

そこで、コラムのタイトル案を見せたところ、とりあえず全部かけるだけ書いてみるよう言われました。

「わかりました。全部採用してもらわないでよい前提で、幅広にコラムも書いてみます。こちらは6月初旬に提出します」

こうして、GW明けまでの頑張りだと思っていたところ、あともうひと踏ん張りすることになりました。

10本以上のコラムを一気に書き上げとりあえず提出したところ、

「コラムですが、すこし悩みましたがすべて含めることにしました」

と連絡を受け、びっくり。

なんでもあり!と思って書いたコラムと書き起こした子供たちの当時の手紙やらメモもすべて本に収めることになったのです。


「子供たち、喜ぶな。この本で私も子供たちも闘病生活の一区切りになりそう」

私にとっての闘病エッセイが、家族にとっても意義のあることになり素直にうれしかったです。


コラムの原稿まで提出したら、出版社の方々が忙しくなります。

目次・タイトル付け作業を行ってくださり、本の体裁に整えてくださり、私の方で原稿チェック作業を3回ほど実施。

私は自宅で作業していたので、出版会社で紙だししたものを赤ペンでチェックという、非常にオーソドックスなスタイルで推敲作業をすることに。

なお、推敲作業にあたっては、近藤勝重さんの「必ず書ける『3つが基本』の文章術」を参考にさせていただきました。近藤さん自身もがんの罹患者であり、文章の書き方以外にも胸を打つ言葉が散りばめられていて、私にぴったりの本でした。

7月末には出版するというスケジュールだったので、毎回バイク便を使ってスピーディーにやり取り。

編集者はじめ出版社の方がも、私の赤入れが延々に止まらないので対応が大変だったと思います。。。

「申し訳ないと思いつつも、手をいれてしまうなあ……」

と赤入れを続けていたら、

「直しを入れるとページがずれたりするので、もう今回でストップです!」

とのお達しが……

そして、推敲作業はストップとなり印刷となりました。


「7月31日に晴れて出版となります。その前に見本として出来上がった本をお送りします」

との連絡を受け、10冊ほど自宅で出来立てほやほやの本を受け取りました。

表紙のオレンジ色が思った以上にビビッドで、その洗練されたデザインに、

「表紙、とって素敵~」

とかなり盛り上がりました。でも、ちょっと恥ずかしい?照れる?思いもあり、すぐに文章を読むことはありませんでした。



ところが、サンプル本が届いたことに気付いた小学校4年生の次女が

「ママ、読んでみていい?」

と本を手に取り、1時間ぐらいで読んでしまったのです。


「もっと味わってほしいなあ……」

とクレームを言いながら

「どれどれ、そんなにすぐに読めちゃうの?」

と確認の意味を込めて自分も読んでみることに。


「小学生でも分かりやすい文章だったよ。面白かった」

との感想通り、私も読みやすい文章でなかなか面白かったと思いました。笑

皆さんにも、どうぞお手に取って読んでいただけたら嬉しいです!

経営コンサルタントでワーキングマザーの私がガンにかかったら〜仕事と人生にプラスになる闘病記〜

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