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【特集】自分の子どもになぜ会えない?6、立法の動きを串田誠一・衆議院議員に聞く

夫婦の離婚後の共同親権導入について法務省は、外務省を通じて世界24か国での離婚後親権制度の調査を行っています。7月末までをめどに行われる調査の結果が注目されます。これにより、共同親権の導入へと向かうのか。立法府の現在の動きについて、この問題に取り組む串田誠一・衆議院議員(日本維新の会)にお聞きしました。(牧野 佐千子)

ー共同親権の導入について、これまでどのような取り組みをされてきましたか?
日本維新の会には、2010年からもともとこの問題に取り組まれてきた議員がいて、私はその流れを引き継いでいる立場です。もともと弁護士としての活動を通して、この問題をは認識してはいましたが、政治家としてみなさんから陳情を受けるようになって、「ここまでひどい状態なのか」と気が付くようになりました。

国会でもこれまで少しずつ共同親権の質問を重ねてきて、今年2月25日の衆議院予算委員会の質疑で、安倍晋三首相にこのことを質問し、共同親権について「もっともだという気もする。子どもはお父さんにもお母さんにも会いたい気持ちだろうと理解できる。法務省で検討させたい」とおっしゃっていただけました。

これが、3月の法務省による外務省を通じての海外の状況を調査開始につながったと思います。

ー現在、海外の共同親権の例を調査していますが、今後の見通しは?

2014年にも同じように海外の制度の調査が行われたのですが、その時は9か国だったのです。今回はそれが24か国に増えました。夫婦の調停が成立しなかった場合の具体的事例や、裁判所の審理にどのくらい時間がかかるのかなど、導入を前提とした具体的な調査になっているようです。

7月末までにまとめると言われているこの調査結果を受けて、導入ということになれば法制審議会が開かれて、実際に改正という流れになるかと思います。

ー実際に共同親権を導入するにあたり、DVの被害者の方、伝統的家族を守りたい方などの反対が予想されます。

共同親権の導入で、DV被害者を危険にさらすという声も聞かれますが、DV被害者の方の支援ももちろん重要です。一方で、単独親権によって、一方の親だけによる子どもの連れ去りがあり、「継続性の原則」で先に連れ去ったほうが優遇されるなど、引き裂かれてしまう親子がいることも事実です。共同親権導入とDV被害者の支援体制を整えること、どちらもやっていくことが大切です。その二つは矛盾しません。

ー「共同養育」はいいが、離婚しやすくなることで家族を破壊することになる「共同親権」導入には反対という立場の方もいますね。

諸外国は、「共同親権」「共同養育」と言葉を分けて使いません。要するに、父と母で子どもを養育していくというナマの状態をどう導入するかという中身を議論していくことが大事で、あまり言葉にとらわれてしまうと中身の議論にならないと考えます。

「単独親権」の国は、G20の中でインドやトルコがありますが、中身を見ていくと日本よりも進んでいるのがわかります。トルコでは、両者が養育に合意して共同で養育するのは民法に反しないという最高裁の判断が出たようです。これについては詳細を調べているところです。言葉では「単独親権」でも、「ここまでやっていれば実質的には単独ではないよね」という国際的な共通認識はあるのです。

このあたりは、現在まさに調査しているところですので、その結果を待ちたいと思います。

ー世界では共同養育の流れで、日本はそこから遅れてしまっているという状況なのですね。

欧米では、ずっと以前は子どもは男性の「もの」だったのが、フェミニズム運動、男女共同参画運動で子どもを男女共同で育てようという流れになりました。共同親権と女性の社会進出は深く関係していて、アメリカなどでは共同親権の導入を進めたのはフェミニストの人たちなのですね。

日本では、共同親権ではDV被害者、弱い立場の女性を守れないという一点ばかりにとらわれて、共同親権の導入には入り口から反対の立場をとる人が多いです。これまで世界で子どもたちにとって一番いい方法は何かと、試行錯誤しながら乗り越えてきているはずなのに。

離婚する夫婦は、何か問題があるわけで、もうお互い話したくない、養育費だけ払ってくれたらいいと思うのはわかります。でもそれは子どもにとって良くないと、他国は子どもを守る仕組みを作ってきた。日本はその努力をしてこなかったのです。フランスやイタリアなどからは特に「子どもの権利を守らない国」と言われてしまっています。

ー離婚後、急に一人で育てなくてはいけなくなるよりも、二人で育てる仕組みがあったほうが一人の親としても楽だと思います。

そうですね。単独親権で、一方の親が子どもに関われなくなると、そちら側のおじいちゃん、おばあちゃんも関われないことになる。小学校に上がるときに、ランドセルと買ってあげるということができなくなるのですね。そうした親族からの支えからも孤立したひとり親の貧困家庭に税金を投入して、負の連鎖になる。何一ついいことないですよ。

これまで共同親権の問題を長い時間をかけて訴えてきましたが、ようやくこのところ「風が吹いてきたな」と感じています。負の連鎖を断ち切るために、これからもこの問題について取り組んでいきたいと思います。

ー貴重なお時間を、ありがとうございました。


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