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夏越の大祓(なごしのおおはらえ)@尾山神社

早くも2021年の半分が過ぎました。
穢れを祓い、新しい気持ちで年の後半に臨みたい。
そう思って、はじめて、6月30日に尾山神社の夏越の大祓に参加してきました。

大祓は、もともと平安時代に宮中で旧暦6月と12月の最終日、晦日(みそか)に行われていました。
知らないうちに蓄積してしまった穢れを祓い清めるのが目的です。

1. 人気観光スポット尾山神社

尾山神社は、加賀藩の祖前田利家とその妻まつを祀っています。境内には、利家の像とまつの石像があります。

明治6年(1873年)に建てられた神社です。屋根瓦だけでなく門、扉ほかいろいろなところに、前田家の家紋の梅が見られます。

山門は、和洋中の折衷です。
角が丸みを帯びたフォルムをしているのが中国風です。洋風部分は、神社にはとても珍しいステンドグラスが使われているところです。

街中でアクセスもよく、夜はライトアップされているので、夕涼みに寄るのもおすすめです。

2. 夏越の大祓

その日は、門をくぐるとすぐ、境内に大きな茅の輪(ちのわ)が見えました。


茅の輪は、蘇民将来(そみんしょうらい)の逸話に由来するものです。
神様が宿を求めたとき、裕福な兄は断り、貧しい弟の蘇民将来が応じて歓待したことで、好意を受け、その娘に茅の輪をつけさせ、疫病から身を守る方法を教えられたとされています。

金沢では、蘇民将来のお札を見ることはそんなにありません。でも、たまにお店の入口に見かけることがあります。

まず、木札守りと人形(人形)という人の形をした紙、説明の紙を受け取ります。


木札を首からかけて、式に臨みます。

宮司さんたちのお祓いの言葉を聞き、布を裂いて穢を払うのを見て、大幣(おおぬさ)で参列者のお祓いをしてもらいます。

人形で身体を撫でて、息を吹きかけ、穢れを吹き移します。
本当は、人形には名前と年齢を書かねばならなかったのですが、ペンを忘れてきて書けませんでした。
わたしの穢れを浄化してもらえたか、少し心配です。
それから、茅の輪を正面から左へ、正面から右へと八の字を描いてくぐるのを3セット繰り返して終了です。 

木札を返すと、氷室まんじゅうをいただけました。

この氷室まんじゅうは、金沢の大切な文化なので、次回にご紹介します。

せっかく尾山神社に来たので、お庭も寄ることにします。

3. 神社の庭園

尾山神社の庭園は、実は、本体の神社よりも長い歴史があります。

ここには、かつて金沢城金谷出丸の金谷御殿がありました。その御殿の庭として、作られたのがこの庭園です。
尾山神社庭園として、石川県の文化財に指定されています。

池があって、橋もかかっていて、まわりをめぐることのできる池泉式回遊庭園です。池は、辰巳用水の水を引いていました。

昭和になって水路は絶たれましたが、近年の工事で辰巳用水に導水間として使われていた石菅が発見されました。こちらも境内で見られます。

橋や池に浮かぶ島の名前は、雅楽の楽器に由来しています。琴橋や、笙島、琵琶島に鳥兜島です。鳥兜は、毒のトリカブトではなく、舞楽の装束として頭につける装飾品のことです。

そのため、「楽器の庭」とも呼ばれます。 
庭園の向かって左奥には、きれいな水音の響く滝「響音瀑」があります。まさに、楽器です。

春から夏は緑が爽やかです。秋は紅葉が、冬は雪景色が楽しめます。
どの季節に行っても、ハズレません。 

紅葉の映える池

雪景色

尾山神社には、お庭の他にも金沢城の門が残っていたり、代々藩主を祀る金谷神社が境内にあったり、兼六園菊桜があったり、と話は尽きません。神社について詳細は、別の機会に。

さて、茅の輪もくぐり、氷室まんじゅうもいただき、お庭も歩き、帰ります。
山門の下に、ラッキーだと本物の眠りネコが!こちらも拝んでいきましょう。

参考
「年中行事の常識67」
石川県ホームページ
 石川の文化財 尾山神社庭園
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kyoiku/bunkazai/siseki/ken2-3.html

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