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化石の発掘

 三谷幸喜さんのツイートに「アイディアを煮詰めるプロセスは化石の発掘」という言葉があって、ああ、たしかにそうかも知れないと思った。
  これだけ世の中に色んなものが溢れている現代、何を創作しても、全くの自分のオリジナルなんてものなんて、存在しないのではないかと思う。必ず、何かしらの影響を受けていて、そこから創作が始まるのだと思っている。
 
 新作の撮影や、新作のzine、展示コンセプトを考えるときは、自分の中に蓄積された様々なモチーフを掘り起こして再構築している。それは自然に生まれてくるものではなく、まさに発掘作業なのだ。

 私の作品の根幹にある「昭和エロ」の記憶ー公園や河原に落ちていたエロ本、深夜こっそり買いに行った自販機本、そのへんに貼られていたピンク映画のポスター、そんなものの記憶と、高校生の頃に夢中になった小劇場芝居や、つげ義春、谷口ジローのマンガの世界、ビックリハウスの笑い、そんなものをミックスしているのが私の作品なのだと思う。
 
 そんなものの断片を掘り起こしながら、次の展示と新作zineの構想を練っている。受け入れられるかどうか、そんなことは重要じゃない。重要なのは、自分が面白いと思うかどうかなのだ。

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