身銭を切ってやってます
個展を終えた翌朝、私はFacebookにこんなことを書いた。
(Twitterに書かなかったのは、おかしな読み方をされてしまう可能性の高い内容だと思ったから)
「安いギャラリーを借りた、内輪の文化祭みたいなグループ展に慣れているような人から勘違いされているみたいなので苦言。
ギャラリーは作品を売る場所であって、内輪でおしゃべりするための場所じゃないんです。
一等地のお高いギャラリーを借りて個展をやるのは遊びじゃできないんです。
ポトレ界隈の人にそういう傾向があるので釘を刺しておきます。
作家を独り占めして、さんざんしゃべっておきながら何も買わずに帰るとか、営業妨害だからね。」
東京でアート系のギャラリーに出していると、自分の制作を支持してくれている人は、何かしらのグッズを買って帰ってくれる。その売り上げが次の制作に繋がると理解してくれているからだ。
写真専門のギャラリーで6日間在廊していて感じたのは、写真関連の人たちには、まだまだそういう行動が浸透していないということ。
その土地の一等地のギャラリーを借りて個展を開催するのは、それなりに理由がある。
ただ、作品発表さえできればいいということであれば、費用のかからない場所でやれば負担は少ない。
実際、そんな費用のかからないギャラリーで友人知人を招いて、毎日お酒を飲んで楽しく騒いで「展覧会って楽しい!」とやっている人は大勢いる。
それを否定はしないけど、わざわざ東京から自腹で大阪の一等地のギャラリーを借りて、会期中滞在して、来場者の話を聞きたいと毎日、終日在廊している個展を、内輪で楽しんで騒いでいるグループ展と同じように見ないでもらいたい。
ほんと、申し訳ないんだけど、そういう行動を取るのって、相互無償で女性のポートレートを撮影している界隈の人に多いんです。
金銭の介入もなく、許諾も考えずにラブホでヌード撮って、無料のSNSに上げて「表現」って言っちゃうのが成り立つ時代だからその気になっちゃうのかもしれないけど、本気で表現がやりたいなら身銭を切ってやってみろ、作品売ってみろと言いたい。
制作にはお金がかかる。
その上、個展をやるとなると、さらにお金と気力、体力、労力が必要なわけで、年に何回もできるものではない。
そうして開催した個展で人が来ない、作品、物販が売れないとなると、当然、次はできなくなる。
お金のことを言うと汚いなどと言う人がいるが、霞を食って生きている人間なんていない。
私が東京で毎年2回個展ができるのは、作品を見に来てくれる人がたくさんいて、作品や物販を買ってくれる人がいるからで、大阪で3年続けて個展をやり、来年もやれると決断できたのも、たくさんの人が来てくれて、遠征費用と展示費用以上の売り上げが手元に残るからだ。
文化庁の補助金ありきでも、今年の福岡展を諦めたのは、昨年の福岡展で人を集めることができなかったからに他ならない。
何度でも言う。
霞を食って生きている人間なんていない。
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