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「『子育て』で自分を癒す」というライフハック

コルクラボで「覆面編集者プロジェクト」という活動を主宰している。コルクラボに入っている出版関係者有志で集い、新しい出版のカタチを模索したい、そんな志で集まったメンバーが20名弱。そこでは定期的に「覆面編集者大賞」というオンラインコンテストを開催していて、この本の作者、kokokakuさんこと、斎藤裕子さんとはその縁で出会った。

「ママ、怒らないで。~不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病~」
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この本は、子育てに悩むお母さんに向けて、心理カウンセラーである斎藤裕子さん、そして精神科医である彼女の夫、斎藤裕さんが共同執筆した本だ。
子育てをしていくと、かつての自分と親との関係性にさいなまされるというこの本の一説を読んだ時、妊娠中の私は、手が止まった。

ママが子育て中に”つらさ”を感じる時、実は子どもの姿に小さい頃の自分が重なり、ママが置き去りにしてきた子ども時代の心の痛みを感じていることが多々あります。我が子を通して、小さい頃の自分の体験や感情の再現が起こっているということです。
「ママ、怒らないで。~不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病~」より

出生前診断を受け、お腹の子の性別が妊娠13週という早いタイミングで分かった時、私が最初に感じたのは喜びではなく戸惑いだった。「女の子」と聞いて私が真っ先に思い出したのは、かつて自分が母親に感じていた反発。好きでもない習い事を強制されたことや、ひとり旅に行くといっては揉めに揉めたこと。留学先のイギリスに残りたいと懇願したものの却下された時のことは、今思い出しても心がずきりと痛む。

私にとって、長年「母」とは、自分のやりたいことを、悪気はないにせよ妨害する存在だった。今でこそ比較的良好な関係ではあるものの、自分が娘を持つ、となった時に真っ先に頭に浮かんだのは、思春期の当時、自分が「母」に感じていた憎悪に近い反発心。あの思いが、お腹の子から、いつか自分に向けられるかと思うと、「子どもができた」という喜びがかき消されたような気にさえなった。

ところが、この「ママ、怒らないで」を読み進めるうちに、今でも胸の奥底にきっと淀んでいる「母」への感情が、適切に処理さえすれば、子育てを通じて浄化されることを知った。

自分の時間がなくなることを恐れて、ずっと子どもを産むことに前向きになれなかった私。この本を読み終わった今なら分かる。子どもができたせいで、やりたいことを我慢しているようにみえた自分の母親に対し、自分が産まれたことを、心のどこかで後ろめたく思っていた。

ママ・パパにとっての救いとは、繰り返し起こる子育てや対人関係などの悩みや問題の根本的なところに何があるのかということに気づき、それが見直され、ママ・パパの心と自分らしさの回復がなされること。子どもさんにとっての救いとは、ママが自分らしさの回復に取り組むことで、子どもさんの気持ちを受け止められるようになり、ママに安心を感じられるようになること。
「ママ、怒らないで。~不機嫌なしつけの連鎖がおよぼす病~」より

読み進めるうちに心が暖かくなった。そしてすごく、救われた。

母親との関係に今も悩んでいる人は多い。子育て中の人向けに書かれてはいるものの、妊娠中の人、そして母親との関係に悩んでいる人にもぜひ手を取ってほしい、そう思う。


kokokaku(斎藤裕子)
Twitter:https://twitter.com/koko_kaku
ブログ:http://www.kokokaku.com


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