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「子育て」にも「人生」にも正解がなかった話

昨日は勤めている会社の歓迎会だった。私がそろそろ出産が近いというのもあって、子育てと仕事の両立の話になった。

私以外は全員子持ちの男性。専業主婦の奥さんをお持ちの方がふたりとワーママの奥さん持ちがふたり。面白いなあと思ったのは、どの男性も奥さんにどうあって欲しいかの認識が、バラバラだということ。
専業主婦の奥さんをお持ちのJは彼女に働きに出て欲しいと再三言っているそうだし、かなりバリキャリ寄りのワーママの奥さんをお持ちのHも色々大変なことはあるものの、妻は働いているのがいちばんと断言。
一方専業主婦の奥さんをお持ちのYは今に満足しているようで、私が産後すぐ復帰するのも他人事ながら「もっとゆっくり子どもと過ごしてあげればいいのに」という感想を持っている。夜勤ありの仕事をしている奥さんを持つMは、家事の負担が重いので、いっそのこと専業主婦でもいいから家のことをもっとやって欲しいという希望があるのだそう。

私が今までの人生誤解していたこと、それは生き方には「正解」があると思っていたことだ。
長らく私にとって「結婚をして子どもを産んで、そして産んでからは家庭に軸足を置く」という生き方が模範解答で、だけどそれが自分にはしっくりこない、というのを前の結婚生活の時に感じていた。

そして離婚後、私が模索していたのは、別の答えを探すこと。結婚をせず、子どもを持たない。そういう生き方をするのであればそれなりの「正解」があるはずだと考えた。
だからそれを模索している最中に思いがけず妊娠し、また模範解答のような人生〜結婚して子どもを産む〜の入口に戻ってきてしまって、少し立ちすくんで、そして今度は「子育てとキャリアを両立する」という生き方の「正解」を探そうと考えた。

ただここ数ヶ月、色々な方の話を聞き、本や体験談を読み、そして痛感したのは「好み」こそあれど「正解」はないのだということ。子どもと過ごす時間の考え方、取り方ひとつとっても千差万別だし、自分の時間をどう確保する、何に使う、というのも「バリキャリ志向の女性」という共通点があったとしても、てんでバラバラ。たとえば自分の時間は何に使っている?と皆に聞いたのだけれど「自分のやりたいことが子どもと過ごすことになった」という人もいれば、「月1のネイルやひとりでバーに行くことで、子育てストレスのリセットをしている」という人もいて、話を聞くたびに、自分はどうだろう、どうしたいんだろう、と考え込んだ。

更に子育て界には私が思っていた以上にあべこべなノウハウが氾濫していた。子どもの自己肯定力を育てるため、ある程度の年までは好きなことを目いっぱいやらせるのがいいという考えの一方で、「我慢」こそ子どもに真っ先に学習させるべきという考えがある。すべてがすべてそんな感じ。「この育て方がいい」という体験談の裏には、まったく正反対の「この育て方がいい」の体験談がある。

今日Twitterで「コツコツと努力を続けていったらそれが人生の晩年になって実った」という話と「コツコツ努力することをやめたら人生が楽しくなった」という話を同じタイムラインで見かけて笑ってしまった。

「コツコツ」やろうが「コツコツ」をやめようが、人生はうまくいったり、いかなかったりする。だから自分が思って考えたとおりにやるしかなくて、敢えて「正解」という言葉を使うのであればそれこそが「正解」なんだろう。

大切なのは自分にとってしっくりするものを取り入れること、そしてそれに対してネガティブな意見は気にしないこと。これがこの数か月、私が「子育て」について、そして「人生」について、学んだことだ。

「コツコツ」を捨てて生きやすくなった人もいれば「コツコツ」のおかげで夢が叶った人もいる。「正解」とは自分にしっくり来る方のことを言う。好きな方を選べばいい。そう思う。

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