ぞんびへっだ1

『ゾンビ屋れい子』も読まずに暗黒サブカルを語れると思うな


感情移入できない、深いテーマ性がない、星1です。

――アホの常套句


はじめに

人を傷つけるのが好き?人の尊厳が踏みにじられるのを見るのが好き?命が冒涜されるのが好き?女・子供が惨たらしく死んでこそエンターテイメント?

そんな倫理レベルどん底のお前たちにピッタリな漫画がある。

今回ぼくが紹介する『ゾンビ屋れい子』は、1998年から2004年まで女子中高生向けのホラー雑誌、『ホラーM(ミステリー)』に連載されていた、三家本礼氏による漫画作品だ。

一部のホラー漫画ファンの間では高い評価を得ている本作だが、まだまだ知名度は低く、知っている奴は知っている隠れた名作、くらいの作品止まりになってしまっているのが現状だ。

「オンナノコ向けホラー?どうせ腰抜け甘ちゃん漫画だろォ?」「残酷っていっても別にそこまでじゃないんだろ?」「殺すとか言うとツイッターに凍結されるし……。」

甘い。お前らは甘ちゃんだ。食わず嫌いで、世間体とか凍結とかを気にする腰抜けだ。だが安心しろ。今回のプレゼンをきちんと読んで、『ゾンビ屋れい子』も読めば、あっという間にお前らも真の男だ。

それじゃあ始めていくぞ。ちゃんと読んでちゃんと真の男になれ。


極上の英霊召喚バトルアクション

『魔界転生』、あるいはその直系の『Fate』や『ドリフターズ』のような作品が好きか?なら今すぐ本作を買って読んでいくべきだ。

この作品、序盤こそ一話完結の少し過激なだけの女子向けホラーだが、2巻から始まるバトル展開がメチャクチャに熱く、そのクールさは異能使役バトル漫画の名作、『ジョジョ』や『からくりサーカス』にも肩を並べるほど、いや、人によってはそれらの作品を上回っていると感じるかもしれないと言えるほどの勢いを秘めている、本当に熱い英霊召喚バトルアクション漫画なのである。

しかし本作は悪趣味ホラー暴力まんが、英霊といってもキング・アーサーだとか第六天魔王だとか、或いは神話存在だとか、そういうネームバリューのあるカッコいい奴らが出てくるわけではない。架空の死刑執行人、賞金首、連続殺人鬼の女子高生(後述)……。荒々しいが名状しがたいパワーを持つクール存在が大ゴマで超カッコよく登場、殺したり殺されたりする。物語が進むにつれ、登場するゾンビはゾンビなんて全く関係ないものになり、より『ジョジョ』のスタンドバトルのようなノリになっていくのも楽しい。

▲超クールだ。(3巻)

全編にわたって登場する召喚ゾンビに共通するのが、そのヘヴィメタル感たっぷりの超絶カッコいいデザイン。作者の三家本礼氏は相当のメタル・フリークで、ゾンビたちはみんなそのままアルバムジャケットに使えてしまいそうなカッコよさだ。ハッキリ言ってセンスが良すぎる。最高だ。

▲いかにも、という感じ。全編こんなノリの漫画だ。(2巻)


バケモノみたいに強い女たち

『ヨルムンガルド』『デストロ246』のような、ヤバい目をしたオンナがヤバい動きで人をブチブチブチ殺しまくる漫画が好きか?オンナが垂直チョップで人体を真っ二つにする漫画が好きか?

OK。この作品にはお前の望むもの全てがある。

まず特筆すべきは前述した連続殺人鬼の女子高生、百合川サキというキャラクターの素晴らしさだろう。彼女は自分の住んでいる街の幼女を29人ブチ殺した末に死亡、ゾンビ化して主人公のれい子に使役されるゾンビとなるのだが、こいつの初召喚シーンがメチャクチャ熱い。漫画史に刻まれるべき激アツ展開だ。そして百合川サキは巨乳でホットパンツだ。ポロリもある。オッパイとか内臓がチラリする。エッチだ。デザインとか生前の行動とか全てがクール。

▲百合川サキ。ナイフ使いだ。(5巻)

その妹の百合川みどりも最高だ、巨乳でホットパンツでレザーグローブだ!ステゴロでヤローの顔面をグチャグチャにしたりする。オンナの顔面もグチャグチャにする。しかも巨乳でホットパンツだ。ポロリはなかったと思う。

▲百合川みどり。肉弾戦がとくいだ。(9巻)

他にも黒髪ツインテの女王様とかセリフの疾走感がヤバい女軍人とかが出てくる。自分のオシッコとかを人に飲ませようとする女もいる。とにかく『ゾンビ屋れい子』に出てくる女性キャラクターはみんなどこかイッちまってる奴らばかりなのである。最高にクールだ。

▲ヤバい女軍人だ。(6巻)

もちろんヤローのキャラだって最高だ。作中最強クラスの戦闘力を持つ男子、岩田豪人(いわたごうじん)君はゾンビ召喚術を使わずに鉄パイプと拳だけでゾンビをブチブチ殺す最高にシブいキャラクターだ。必見。

▲ひと目で強キャラだと判る。カッコいい。(10巻)


90年代ダーク

ゴスロリやビジュアル系などのファッションや世界観が好き?B級ホラー/アクション映画のノリが好き?ヘヴィメタルが大好き?

この『ゾンビ屋れい子』には、そういう暗黒カルチャーのエッセンスがふんだんに散りばめられている。良質なパロディやオマージュの宝石箱だ。

元ネタの調理の巧みさはもちろんなのだが、何よりも、個々のネタにきちんと必然性があるのが素晴らしい。無理やり好きなモノをねじ込んでるような、「これオマージュだぜ~!?」みたいな押し付けがましさが皆無なのだ。

わかればニヤリ、わからなくとも全く問題ない、この漫画は本当に理想のバランスのパロ・オマージュがされている作品なのである。

▲わかりやすいパロディの例。(1巻)


圧倒的な暴力

『ゾンビ屋れい子』は、人間がただの血の詰まった皮袋であることを思い出させてくれる。人がみな惨たらしく死んでいくのだ。もちろん男女平等、美青年もかわいいデフォルメ少女も臓物ブチまけて死ぬ。メインキャラも容赦なく死ぬ。ノーモーション、一コマで死ぬ。とにかく人がバタバタ死ぬ作品なのである。

▲このドライブ感。(1巻)

その圧倒的な暴力性を更に加速させているのが素晴らしい暴力セリフの数々だ。超絶クールな文字通りのブチ殺し文句が次々にでてくるのだ。ストレートかつテクニカル、本当にセンスの良いセリフしか出てこない。

▲最高のセリフ。(6巻)

「なぜ戦わなきゃいけないのよ!」なんて腰抜けなセリフはもちろん一切出てこない。主人公のれい子からして残虐人間、敵を容赦なくバラしていく。

▲敵から情報を吐き出したい主人公・れい子。躊躇なし。(2巻)


メッセージ性が皆無

「感情移入が……」とか「メッセージ性が……」とかのたまう奴らが蔓延るインターネット。ツイッター。Amazonレビュー。お前らはアホで腰抜けだ。

お前が何を見て何を感じようが自由だ。だが、メッセージ性や教訓みたいなものを無理やりにでも見出そうとする奴が多すぎやしないか?「これは何か哲学とか思想のある作品で、自分は深いことを考えなければいけない…」、そういう無意味な使命感に捕らわれている奴ばかりなのではないか?

もしもお前がそんな腰抜けのアホになってしまっているのなら、今すぐこの漫画を読むべきだ。『ゾンビ屋れい子』は、お前を全ての重圧から開放してくれる。

『ゾンビ屋れい子』は100%エンタメと暴力で構成されている、深いテーマとかメッセージ性とは全く縁のない、本当に素晴らしい作品だ。「ためになる」「知的」、そういう腰抜け共の好む作品の対極に位置する存在だ。

作者の三家本礼センセイ本人がメッセージ性のある漫画なんて描かないぜ!と言っているので本当だ。本当に信用できる作家である。

▲『サタニスター』2巻より。本当に信用できるということがわかる。

難しいコトを抜きにして気持ちよく読み進められる純粋な娯楽、そういう作品は本当にかけがえのない素晴らしいものだ、そして本作はそういう作品だ。つまり今すぐこの漫画を読めというハナシである。


結びに

『ゾンビ屋れい子』は間違いなく暗黒サブカル漫画のマスターピースのひとつだし、ある種の人間にとっては極上のご褒美になりうる作品だ。お前が暗黒オタクならば絶対に読む作品のひとつであると言えるだろう。

あと僕が以前オススメしたHiGH&LOW、この作品とメチャクチャ親和性が高いのでそちらも観て欲しい。逆にHiGH&LOWが好きな奴は『ゾンビ屋れい子』を読め。



『ゾンビ屋れい子』1巻(Kindle版) Amazonページ


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エンタメおたく。95年生まれ。たまにIGN Japanにゲームとか映画のネタで寄稿させてもらってます。Twitterは@makichang23。