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私と文化人類学 その2

私と文化人類学 https://note.mu/maki_ayaka/n/na9fac644a6be

大学で人類学を専攻した私は、中根千枝の『タテ社会の人間関係』やレヴィ=ストロースの『構造人類学 』を読んだりしていた。残念ながら、『構造人類学 』は難しくてよく理解できなかった。

「人間とは何か」という問いに惹かれて人類学を専攻したものの、ではけっきょく人間とは何だったのか分からないまま卒業してしまった。

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寝ながら学べる構造主義  内田 樹 (著) 文春新書2002/6

ところが先日読んだ本にその答えが書いてあった。

P140 第五章「四銃士」活躍す その三 ーレヴィ=ストロースと終わりなき贈与 6人間の本性は「贈与」にある

「贈り物」を受け取ったら「お返し」をしないと気が済まないという気分は、すべての人間集団に観察される。「人間」とは、贈り物をぐるぐる循環させるというルールを受け入れた者である。

無理矢理3行に要約したが、元の文はとても詳しく分かりやすいので、私のようにレヴィ=ストロースが何を言っているかよく分からなかった人や、富を独占し溜めこむという資本主義の行きづまりについて考えている人はここだけでも読んでほしい

なぜこの本を読んでいるかというと、いま私が現代思想のおさらいをしているからだ。

現代哲学の大きな流れとして、「実存主義」→「構造主義」→「ポスト構造主義」というのがあって、私が大学にいた頃は、「構造主義」も「ポスト構造主義」も「ポストモダン」もぐちゃっと一緒になって、なんとなく「必須教養」とされていた感じだった。

ちょうどその頃、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起き、高学歴の若者がカルト宗教を妄信していたことが社会に衝撃を与えた。

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「オウムと身体 」片山 洋次郎 (著) 日本エディタースクール出版部1995/12

誰も身体のことは教えてくれなかったが、オウム真理教は身体について教えた。知的エリートの若者たちがオウム真理教に引きつけられたのは、身体技術のインパクトだったのではないか。

こんな論説があらわれ、メルロ・ポンティの「身体知」がふたたび脚光を浴び、私ももれなく「知覚の現象学」読んだが、やはり難しくて理解できなかった。ちなみに、メルロ・ポンティの思想史的な位置づけは、「実存主義」と「構造主義」のつなぎとされている。

ところで、個々の思想家たちがどんな本を書いて何を言ったということをバラバラに勉強していって結局その難解な文体に挫折した私は、結局「実存主義」「構造主義」「ポスト構造主義」「ポストモダン」の何が違うのか分からないままだった。

しかし最近、知の巨人たちの思想を時系列でふわっと解説してくれる良書に出会ったのである。先に紹介した

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寝ながら学べる構造主義」と、

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「マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する」 NHK出版新書 569  2018/12

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ほんとうの「哲学」の話をしよう - 哲学者と広告マンの対話
岡本 裕一朗、 深谷 信介  中央公論新社 2019/9

次回はこの本のお話から。(つづく)

喋り残したこと→ポストモダンー大きな物語のない時代と「第三舞台」、人類学の主要キーワード「贈与」となぁさんのストレッチ本が重版続きの理由(メモ)

#内田樹 #構造主義 #レヴィ・ストロース #片山洋次郎 #メルロ・ポンティ #オウム真理教    #マルクス・ガブリエル #岡本裕一朗 #深谷信介


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