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さまよいごっこ再び

クラシックなマンションに住んでいる。ゆったりした間取り、優雅で遊びのある造作がとても気に入っているのだが、いかんせん人間とおなじであちこちにガタが来る。1年前に水道管が老朽化でアカンことになり、工事のため半月ほどホテルぐらしを強いられた。そしてなんと本日、またアカンことになったのである。

しょんぼりしても水道管はなおらないので(残念ながらそういう能力はない)、さまよいごっこスタートである。手始めに、すみやかに大好きなホテルをとった。開放感があって、部屋はヨーロッパのアパートメントのように可愛らしく、朝ごはんがおいしくてかたちも素敵。すごいホテルは数あれど、私はここを愛している。

駅前のカフェで仕事をしたら夕方にチェックインして、部屋ですこし仕事をしよう。そしてふらりと外に出て、軽めにごはんを食べる。ウイスキーの小瓶と炭酸を買ってホテルに戻ったら、お風呂にお湯をはって好きなだけ浸かる。ここのバスタブがまた素敵だから。で、そのあとはベッドでふかふかの枕に背中をあずけ、本を読みながらウイスキーをのむのだ。こういうときはホテルの安っぽいグラスがまた、イイのである。バカラやラリックよりもだんぜん。そしていつしか、はちみつのようにとろりとした眠りが訪れるのだろう。

心残りがあるとすれば、老いた自室に残していく、咲きかけの芍薬のことだけ。

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