見出し画像

#8 ビジネスの主権はお客様にあり!

※この記事は「マーケティングをかたらふ夜話」のコンテンツです。よろしければマガジンの方もご覧ください。

私は社会人になった約20年、BtoCのビジネスも、BtoBのビジネスも様々携わってきていますが、この20年間の大きな変化としてビジネスの主権者が「提供者」から「お客様」に大きく変わったなぁと感じています。

日本ではかつての高度成長期からバブル期は圧倒的に「提供者」が強い時代と言われています(私もこのころは子供でしたので直接的に感じていたわけではありませんが・・・)。お客様は受動的な行動が中心にだったようです。日常の行動を見ても、テレビやラジオのプッシュ型メディアからの発信されている情報を受け取ることに慣れていた方が多いので、ごく普通の流れですよね。

商品を購入する場合は、お店に行っても棚に陳列されている商品がすべてで、「その場で提供されている商品から選ぶ」というのが当たり前の時代だったのです。

では、今はどうか?お客様は自ら積極的にインターネットを駆使して情報を探します。リアル店舗で購入を検討する場合、お店に行く行動は今も同じですが、欲しい商品が棚に陳列されていなければ他の販売店を探しますし、高価なものであればインターネットで価格比較もしてしまいます。また、はじめからECサイトで目的の商品だけを買うことも今や日常ですよね。

このようにお客様の行動が変化するとビジネスの主権がお客様に移行していき、商品やサービスの選ばれ方が変わってきます。当然、過去よりもシビアな選ばれ方をされるようになり、多くの場合はお客様のニーズの本質を突いたものが選ばれるようになると私は考えています。

すでに私とビジネスをされたことがある方にはお話したことが多いのですが、このことを考えるときに私が意識しているのがダイソンの掃除機の例です。ダイソンが日本に上陸したころは、掃除機はまだ日本の家電ブランドの寡占状態でしたが、ものの数年でダイソンがシェアを奪っていきました。

ダイソンと当時の日本ブランドの差はというと、ダイソンは「吸引力が強い」という掃除機の本質を訴求し続けたことに対し、日本ブランドは「静音」「排気」など掃除の本質と異なる付加機能を訴求していました。その結果、掃除機の本質機能に惹かれた方が購入し、その本質的機能の良さが広まるにつれて日本ブランドはシェアを奪われたと私は考えています。

また、かつて私が勤務していたAmazonもこの部分をすごく大切にしている企業です。商品の品ぞろえや販売価格はもちろんですが、ECサイトの購入に恐怖心がある購入者へ「購入前の試着OK」や「誤注文の返品を受け付ける」という本質的な解決サービスを提供しています。

主権者のお客様に選ばれるということは、お客様の抱える潜在的なニーズを汲み上げて、先回りの解決をすること。こういった事例がふえれば、「お客様」として商品やサービスを購入することで失敗し残念な思いをすることは少なるなるはず。

シンプルで当たり前のことですが、私はこれからもこの部分を最も大事にして、ビジネス構築をしていきたいと考えます!

気に入っていただけたらサポートをお願いします!未来の書籍化に向けて有益に活用させていただきます。