ミキシングはなぜ難しいのか?
前回、イコライザーの話を書いた。イコライザーはまちがいなくミキシングでは欠かせないものだが、矛盾するようだがEQはなくてもいい。
自分は曲を作っているから、ミキシングエンジニアでないから、言えるけれど、音量コントロールだけでミキシングできない曲はどこかまちがっている。そう思う。
たとえばBDとベースの関係を考える。初期のテクノはベースの方がグルーヴとして目立っていた。BD4つうちが主流になってBDの方が目立ってきた。
これをどちらも聞かせるようにしたいとはあまり思わない方がいい。それはかなり難しい。アシッドテクノのベースは誰もベースとは聞いていないのかもしれない。だから成立する。その代わり上モノも少ない。
話をミキシングに戻すが、ミキシングの基本はどれがこの曲のメインかを決めることだといってもいい。
たまに人からミキシング前の素材をもらって、リミックスすることがあるが、そのときはまさにそのことを考える。
そういう場合は、バッサバッサと自分がいらんと思ったトラックは削除していく。残ったものだけで、再構成して、音量を整えて終わりだ。
ミキシングが難しいという人は確実にかかえているトラックが多いのだ。もし、これがギター1本なら悩むことはない。ギターとボーカルでもどういうバランスでもそこそこ正解だ。ここにドラムとベースが入ってもまだなんとかなりそうだ。
問題はこのあとである。ここからがミキシングが難しくなるのだ。
ただ、難しくしない曲の作り方もある。たとえば、先のギター、ボーカル、ベース、ドラムに、新たにキーボードをいれたり、セカンドギターをいれたりした場合、同じところで音が重なっていなければ、まずミキシングで悩むことはないだろう。2小節のリフがあって、1小節目はギターで2小節目はキーボードがやっているとか、コールアンドレスポンス的であればいいのだ。
重なるとミキシングは難しくなる。
リバーブが長いとミキシングではよくないというのは常識として聞いたことがあるかもしれないが、これも同じだ。重なっているからボケてくるのだ。
もし、スカスカな音楽があったとしたら、結構リバーブが長くても成り立つ。ダブテクノはまさにそういう風にできている。
とにかくミキシングが難しいのは同時になっている音の種類が多いからである。自分の曲ならいろんなところを削除してしまったほうが速いし、簡単で、音楽もまとまってくる。
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