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eスポーツに“応援”の文化を創る。選手やチームの活躍を、自分ごとのように喜ぶ情熱を広めていく。-Tsubasa

MAKERS U-18 PEOPLE シリーズ。今回は中学3年生でeスポーツチーム『RAPPIT』を立ち上げ、eスポーツチームの”応援の文化”をさらに盛り上げていきたい、9期生・竹内翼さん。

友人のゲームに懸ける情熱に感化され、自身もプレイヤーに。チームを立ち上げ運営側に回ると共に、ゲームをプレイするだけではなく、選手を”応援”することに大きな喜びを感じるようになったそうです。

課題解決よりも、自分が楽しいと思うことを広めていきたい。その「狂気」を今、どのように形にしているのでしょうか。

eスポーツチームを立ち上げるまでの道のり、プロとしての厳しい現実、そして自分自身が大切にしていきたい生き方について伺いました。

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“ゲームを通じて何かをしたい、事業を立ち上げたいと思い始めました。”

簡単に自己紹介をお願いします。

 竹内翼と言います。eスポーツチーム『RAPPIT』の運営をしています。中学3年生の11月に会社を設立しました。

チームのことを詳しく教えてください。

 現在は『PARAVOX』『スマブラSP』『Fortnite』の3つのゲームタイトルの競技シーンで活動しています。所属選手は現在6人ですが、もうすぐ2人の選手が加わることが決まっており、8人ほどになりそうです。

ご自分が選手としてプレイされているのではなくて、運営側に回られているということですね。

 そうですね。チームとしてはeスポーツだけではなく、配信や動画投稿も行っているため、タレント事務所とスポーツチームの中間のような形で運営をしています。

どうしてチームを立ち上げようと思われたのか、また、どうして運営側に回ろうと思われたのか教えてください。

 最初はただ対戦ゲームが好きで、様々な対戦ゲームをプレイしていました。しかし、中学2年生の時に友達がマリオカートに本気で取り組んでいる姿を見て、それが本当に楽しそうだったので、僕も本気でマリオカートをプレイするようになりました。さらに、個人で事業をしていて新しいことを始めたいと考えていた時期だったため、ゲームを通じて何かをしたい、事業を立ち上げたいと思い始めました。

 最初はマリオカートのプロチームを作りたいと思いましたが、マリオカートのプロチームが世界に存在せず、日本にはもちろん1つもありませんでした。チームを作っても出場できる大会自体がほとんどありませんでした。そのため、別のゲームタイトルでチームを作ることにし、スマブラSPのチームを立ち上げることにしました。

 そして、自分のチームに入ってくれた選手を応援する中で、それまでのマリオカートや他の対戦ゲームを観戦する以上に、自分が深く関わっている選手を応援することが非常に楽しいと感じました。そこから、もっとチームを成長させたいと思うようになりました。

 今はとにかく応援や観戦が楽しくて、eスポーツ観戦の面白さを多くの人に伝えたいと思っています。

“やっていくうちにどんどんハマっていって、中2の夏休みは朝の5時までやったりしていましたね。”

ゲームにハマったきっかけについてもう少し詳しく教えてください。

 ゲームにハマったのは幼稚園や小学生の時で、当時はポケモンやスマブラなど、様々なゲームを楽しんでいました。僕の父親や兄もゲームが好きだったので、その影響は大きいと思います。

 また、小学校の頃は学校でも色々なゲームが流行っていて、スプラトゥーンやFortnite、スマブラなどが特に人気でした。小学生の時は僕もスプラトゥーンを結構やり込んでいました。

その後、中学に入ってから先ほども話しましたが、友達がマリオカートを非常にやり込んでいて、その友達は今では世界のレートでトップ50に入るくらいなんです。それに影響されて、僕もマリオカートを本気で始めました。やっていくうちにどんどんハマっていって、中学2年生の夏休みは朝の5時までやったりしていましたね。

“その時、自分のチームをもっと大きくしていかないといけないなと痛感しました。”

チームを立ち上げようと思ってから、どんなステップで実現まで進めてきましたか?

 最初は「やりたい!」という強い意志があったわけではなく、漠然とeスポーツで何かをしたいと思っていました。そして中学3年生の6月か7月頃に本気でそう考え始め、準備を始めました。具体的には、様々なeスポーツチームを運営している方々に話を聞くなどしました。しかし、実際にやってみないと分からないと感じ、7月にチームのTwitterアカウントを設立し、設立の発表を投稿しました。

 8月頃には選手のオーディションを開始しました。Twitterで公募したところ、約60~70人のスマブラ選手が応募してくれました。その中から約20人の選手とTwitterのスペース上で公開面談を行いました。視聴者が集まるのか少し不安でしたが、有名な選手も聴きに来てくれて、気がつけば同時接続者数が100人を超えていました。

 その中から6人の選手にオフラインで集まっていただき、10月にスマブラの総当たり対戦を実施しました。集まった6人は本当に強い選手ばかりで、こんなにレベルの高い人たちが来てくれるとは思いませんでした。ライブ配信では同時接続者数が常に200人を超え、最大で260〜280人が視聴し、約6〜7時間の配信を見ていただきました。

 その後、1人の選手がチームに加わってくれることになりました。その選手がラリックスさんです。11月に彼が参加したことで正式にチームとして設立しました。一応8月に設立していましたが、正式に選手が加入して活動を始めたのが11月だったため、11月設立としています。同時期に法人登記も完了し、会社として「RAPPIT」というチームを立ち上げました。さらに11月からはスポンサーさんにも入っていただいて、現在は3社のスポンサーさんに支援してもらっています。

 その後、今年の3月には新しいスマブラの選手が加入し、7月にはPARAVOX部門、11月にはFORTNITE部門を立ち上げることができました。

最初からかなり勢いがあったんですね。やっていく中で難しかったことはありますか?

 やはり、うちのチームは大手のチームと比べると実績がまだ浅いという点が課題でした。そのため、選手が大手チームに魅力を感じて移籍してしまうことがありました。選手としては当然の判断だと思いますが、その時、自分のチームをもっと大きくしていかないといけないなと痛感しました。

 また、資金力の面でも大手チームに比べて限界があり、大きな施策を展開するのは難しい状況でした。大きなチームは資金調達をしっかりしているか、資本力のある企業の傘下に入るか、あるいは運営者の自己資金で運営していることが多いのですが、我々はそういった基盤がありませんでした。

 しかし、そのような中でもお世話になっているスポンサーさんの内の1社と色々お話をしていて、その社長さんもゲームが大好きで、「面白いことをやりたい」とずっとおっしゃっていて。それなら一緒にチームを作りませんかとお話しして、今年の12月には共同での活動をスタートする予定です。

プロチームとしての活動は大変なことも多そうです。

 そうですね。確かに多少の辛さはありますが、楽しいことの方が多いのでそんなに苦しいわけでもないですね。面倒だと感じる場面もありますが、自分自身ももっと頑張らなきゃという気持ちが強いです。

 先ほどお話しした抜けてしまった選手はとても強い選手でした。うちのチームの選手が勝つと本当に嬉しいですし、チームの知名度や売上も増え、広告宣伝効果も生まれます。今、3社のスポンサーさんについていただいていますが、選手が勝つことはそれだけ大きな意味を持ちます。

 自分が楽しいと感じるのはもちろんですが、事業的な観点から見ても、選手には本当に勝ってほしいと思っています。勝つためには、練習して上達することも重要ですが、強い選手をチームに迎えることも必要です。強い選手を獲得するためには他のチームに負けないブランド力をつける必要があり、もっと頑張らないといけないなと感じています。

“深い関係にある選手が活躍しているのは、自分が選手として勝つのと同じくらい本当に面白いです。”

個人で事業をされていた時から、運営側、選手のマネジメント側になっての変化があれば教えてください。

 やはり、お金を自分でやり繰りする部分は、選手として活動していた時とは全く異なりますね。eスポーツチームでは選手に毎月報酬を支払うので、自分でお金を払って人を雇うのはほとんど初めての経験で、その部分が非常に新鮮でした。

そういった変化を経て、今自分の中でワクワクしているポイントは何ですか?

 自分の会社としてサポートしている選手が活躍するのは本当に面白いです。自分も大会の観戦をたくさんするので、それが一番の楽しさですね。深い関係にある選手が活躍しているのは、自分が選手として勝つのと同じくらい本当に面白いです。

“自分が応援している選手が活躍すると、自分がゲームや大会で勝った時の喜びと同じくらいの熱量で楽しめるんです。その体験をもっと広めていきたいなと思っています。”

今後のRAPPITでやっていきたいことのビジョンはありますか?

 今のeスポーツは、チームや選手を応援する文化がある一方で、野球やサッカーと比べると、その応援文化がまだ成熟していないと感じています。多くの人がゲームのスーパープレイを楽しんでおり、特定の選手やチームを応援するよりも、ゲームそのものを楽しんでいる印象を受けます。

 そこで、もっと選手やチームを応援する文化を作っていきたいと思っています。

 そのためにオーディション番組のような企画や、選手と密に関わることができるオンラインコミュニティを作ってみようと思っています。オーディションでは選手が成長していく過程を自分ごとのように見ることができたり、視聴者が「この選手いいんじゃね?」のように投票できるようにしたり、選手のバックグラウンドを知ることができるコンテンツを出していきたいです。

 選手とコミュニケーションが取れるようなコミュニティを通して、特定の人やチームを応援しながら観戦を最大限に楽しめるようにしていきたいと思っています。

 僕自身色々なゲームの観戦をしていましたが、チームを作ってからは自分のチームの選手を一番に応援しています。熱の入り方が違うといいますか、自分が応援している選手が活躍すると、自分がゲームや大会で勝った時の喜びと同じくらいの熱量で楽しめるんです。その体験をもっと広めていきたいなと思っています。

 自分はチームの運営者なのでそれと全く同じとは言えませんが、選手とコミュニティで深く関わることができたり、選手のバックグラウンドをコンテンツを通じて知ったり、選手に投げ銭をしたり、チームのグッズを買って応援したり、ユニフォームを着て同じように応援したり、そういった体験を通じて、チームの運営を疑似体験できるようにしたいと思っています。自分自身がチームを運営する立場として、選手が活躍する姿を見るのは本当に面白いので、その体験を多くの人に感じてもらえるように、どんどん広めていきたいと思っています。

 野球やサッカーは応援文化が根づいていますが、ゲームやeスポーツを応援している人は身近にあまりいない、それが伝わりづらさを生んでいるのではないかと感じます。ゲームをプレイする人は多いですが応援をメインにしている人は少ないので、そういった楽しさを知れる場所を作っていきたいです。そして、応援を楽しむ人を増やしていきたいと思っています。

それをやり続けた結果将来的にどうなっていたいですか?

 最終的には、eスポーツが野球やサッカー、バレーボール、バスケットボールといったメジャースポーツと同じくらい多くのファンを持つようになり、各チームにファンがついて、熱意を持って選手やチームを応援している状態になっているのではないかと思います。自分自身については、物欲などは全然ないので、あまり変わっていない気がします。

 リアルスポーツではサポーターが重要な存在ですよね。eスポーツでもそういうコミュニティを作っていきたいと思っています。現状、他のスポーツに比べるとその数は少ないので、うちのチームでもどんどん増やしていきたいという気持ちはすごく強いです。

 日本で一番ファンの多いチームにしたいです。eスポーツという軸をずらすつもりは今のところありません。eスポーツチームとして活動しつつ、コミュニティを強化していきたいと思っています。そのコミュニティを通じて、所属選手だけでなく、チームのファンも増やしていきたいです。そして、そのコミュニティがただの集まりではなく、参加者が一体となって作り上げていくような形を目指しています。ファンの方と一緒にチームを作り上げていきたいと考えています。

“課題解決よりも、自分が本当に楽しいと思うことを追求して、その楽しさを多くの人に広めていきたい気持ちが強いですね。”

今されていることは、何を追い求めているのでしょうか?たとえば、課題を解決したり世界一になったり、あるいは自分の好きなことをひたすら追い求めたり、人によってすごく違うのだろうなと思っていて。

 課題解決よりも、自分が本当に楽しいと思うことを追求して、その楽しさを多くの人に広めていきたい気持ちが強いですね。

 オンラインコミュニティやオーディションを通じて、自分のチームに熱を持って応援してくれる、選手を応援することを自分ごとのように感じてもらえるファンが増えていってほしいです。その人たちと一緒にゲームやeスポーツを楽しんでいけたらいいなという感覚です。もちろんコミュニティの人数や視聴者数を増やすことを意識した中期的な目標や数字はあります。でも、将来的に何か成し遂げたいという具体的な数字や目標はまだなくて、本当に、できるところまでやっていこう、という感じです。

竹内さんの想いや願い、そこから湧き出る行動や挑戦、いかがでしたか?
引き続き、応援しています!

[取材日]2024/08/20
© Tsubasa Takeuchi &ETIC. All Rights Reserved.

<最後に>

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