我が名は自由の魔女エル。アートにより未知なる価値観を提供し、世界に自由をもたらす。-El
”魔法のような未知なる価値観を届けていく活動をしています。”
簡単に自己紹介をお願いします。
「我が名は自由の魔女エル。自由を愛し、自由をもたらすもの」。
幼い頃トゥレット症候群というチック症になり、精神的に苦しい思いをした時に「魔法」という概念に出会いました。魔法はプリミティブな文化として存在していたという事実が、人生の困難も乗り越えられるんじゃないかという希望になり、魔法のような未知なる価値観を届けていく活動を始めました。
魔法を自分の中ではどう定義していますか?
現代の魔術師によって定義されてる魔法の定義は存在しますが、自分の中では、この世界を証明するためのひとつの手法だと思っています。
魔法と科学はよく対比関係に置かれることもありますが、全くそんなことはないと思っています。
たとえば、「雨が降る」という現象に昔の人は「これは魔法の現象だ」「神が起こしたものだ」と言っていました。今ではそれが「こういう変圧になると雨が降る」と証明されています。
でも、確かに科学で証明されているけれど、そこに神の意向があり、裏で仕向けられたものかもしれない。そこに神がいるかどうかなんて誰にも証明出来ないし、信仰の問題であるからこそ、信じてみたくなる。それが魔法を信じる、信じないに繋がってきますね。
なので魔法と科学は対立しているわけではなく、この世界で共存しているんです。現象に対してどのような見方で、何を信じるかによって良くも悪くも世界は大きく変わりますから。
以上をもって、定義づけるとしたら魔法とはエネルギー1つ1つに個性があり、その集合体によって世界に変化をもたらすことができると信じることです。
「自由の魔女エル」にはどんな思いが込められていますか?
「自由」は、自分が病気で周りの目を気にしていた時、なんだか拘束されてるように感じ、開放を求め抗い続けてきました。二次元に逃げたり、創作の世界に没頭したり、信仰に逃げたり。「自由」に憧れていたんです。今でも憧れ続けている。だからこそ、「自由の魔女」なんです。
「エル」は、「自由」をもじってつくった魔女名(ウィッチズネーム)というものがありまして、その頭文字を取ってエルになっています。
魔女や魔法という単語は、自分が今後未知なる世界を広めていくにあたって一番いい言葉だと思っています。魔法は、私にとって生きるための希望であり、自分の中で、物質的な豊かさ全てを失ったとしてもそれさえ残っていれば生きていけるくらいのアイデンティティとして確立されているものです。
未知なる価値観を広げていこうという思いはどのように活動に繋がっていったのでしょうか?
私は地域創生や観光が盛んな佐渡ヶ島出身でした。そこで、佐渡に新しい風を起こそうと魔法や精神的な豊かさにフォーカスした観光商品を佐渡でプレゼンしました。それがきっかけで佐渡の観光交流機構さんにお声掛けいただき、一緒に「アーシングヨガ」というものを観光商品化したり、朝ヨガを提供するというところから始まりました。
最近は、地域創生という文脈から外れた、もっとアート寄りの、たとえば、今まで作ってきた創作物をテクノロジーを駆使して実際に現実世界に落とし込んでみたり、絵画を作ったり、Tシャツを販売したり。また、アート体験「天球の音楽」という取り組みにも繋がっています。
”この世界と一つになってるんだという仏教の思想"ワンネス"を実現したい”
今は具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?
世界の多種多様な価値観や民族文化をアート体験として提供し、人々の価値観をアップグレードさせる活動を行っています。
特に、古代ギリシャで提唱され始めた”天球の音楽理論”を応用し、人々が、宇宙と私達は一つであるという、”ワンネス”的な体験ができるようなアート体験の提供に、今一番力を入れています。
天球の音楽理論とアート体験について詳しく教えてください。
天球の音楽理論は古代ギリシャ、ピタゴラスが提唱し始めた理論で、天体の運行に音が発生して宇宙全体が音楽を奏でていると見立てた、ロマンチックな理論です。
この世界を3つの音に分類し、宇宙の音楽と、人間のバイタルデータや声などから発生する音楽、大地の振動やざわめきや海の波紋などの音を融合させた、大宇宙のオーケストラを提供したいと思っています。
音という共通の存在として互いを認知することで、多くの人が「宇宙と大地と私たちは繋がっていて、孤独じゃないんだ」という、孤独感の是正と、この世界と一つになってるんだという仏教の思想"ワンネス"を実現したいと思っています。
大人から子どもまでが、このアート体験を通じて今まで出会ったことのない未知なる価値観や考え方に出会えるきっかけを与えたいです。
この世界との一体感を感じたその先には何があるのでしょうか?
自分はトゥレット症候群だった時に孤独感に苛まれていて、でも本や魔法の価値観に触れたことで、こんな考え方もあるんだ、もうちょっと人生に希望を持っていきていいんだなと思えるようになりました。
ワンネスという考え方があります。「私は宇宙で宇宙は私」「私はあなたであなたは私」という状態が元々の姿で、私たちは一つだった状態から抜け出した個性的な個体なんだと。だから、もっと自分の個性を輝かせていいんだとプラスの方向に切り替えることができて、自分は孤独じゃない。だからもっと自由に生きようって思えたんです。
ビッグバンのような物事の最初の状態を思い出すことによって、原初から分離した個性的な個体としてもっと自由に。一度きりの人生を視野を広げて生きようと思える。そんなマインドの人が増えたらいいなっと思っています。
”人間の本質はやっぱり自然や大地、宇宙にあって、その原点に近づくことで人間本来の可能性や、本来持っている素質や力がぐっと伸びる”
人と人との繋がりは昨今よく叫ばれていますよね。そこに宇宙や大地が加わることでどう変わっていくのでしょうか?
かつての人類は「大地」や「動物」のことも対等に捉え、それがいつも意識の中にありました。だからこそ自分自身のことで悩むことが少なく、孤独感もあまりなかったそうです。
現代においても天、地、人が同一のものとして捉えられるようになったら、もう少し生きやすいのではないでしょうか?
そっちにフォーカスを当てていくと、人との繋がりも芽生えるし、私達を育ててくれている大地に対する感謝もどんどん濃くなっていくと思っています。
人との繋がりも、自然との繋がりもベースとして大切にすべきだと思いますし、その先に、技術といった物質的なものの発展があるのだと思います。
自然との融合を感じる世界が近づけば近づくほど、人々の生活は、スピリチュアル的であるけれども科学的にもなっていくのだと思います。
”精神的豊かさと技術による物質的な豊かさのバランスを保ちつつ、世界に愛と自由をもたらしたい”
今、追いかけている1番大きなものは何ですか?
世界に偏在する伝承、希望を与えてくれる未知なる価値観を届け、現代人の閉塞的な世界に自由をもたらすことです。この世界は物質的な豊かさはすごくあるけど、一方で何か満たされていないと思います。
満たされていないのは精神的な豊かさで、このバランスが保てないとせっかくの人生を繰り返しの’’単純作業’’としてこなすだけになってしまったり、はたまた科学技術を誤った方向に行使する人々が現れたりします。知的好奇心で倫理観を破る前に、愛をベースにする必要があると思うのです。
精神的豊かさと技術による物質的な豊かさのバランスを保ちつつ、世界に愛と自由をもたらしたいという大きな旗を掲げています。それが大きな目標です。
何事もバランスを保ちつつ、愛に溢れた自由な世界を生きてほしい。
そのために私はそのきっかけを作ります。世界の煌びやかな伝承や価値観を知ることで人々の人生が開放的でより豊かなものになるように。
物質的な世界と精神的な世界の対比構造で、物質的豊かさに偏ってしまうと何が問題になるのでしょう。
死んだ時に虚しい気持ちになってしまうと思います。死んだ時に持って帰れるものって思い出などの目には見えないものであって、この世界で物質的なものだけ積み上げてしまうと、虚しいだけに感じます。
人生における本質的な心の豊かさはどんどん離れていってしまうのかなと思っています。この二つの豊かさは、均衡が保たれているからこそ成り立つのではないかなと思います。
”大好きなことが目の前にあって、これをすればいいって感覚的に思えるのって、もうなんかそれって天命じゃないですか。これしかないと思いました。”
活動の中で、しんどいな、やめたいなと思った瞬間はありましたか?
いや、全くないです。これは自分の使命だ、天命だと思ってやってるので、全くないです。
大好きなことが目の前にあって、これをすればいいって感覚的に思えるのって、もうなんかそれって天命じゃないですか。これしかないと思いました。
これさえあれば生きていける。何を失っても、これさえあればいい。それくらい大好きって自信があります。
自分の「好き」は今の活動にも深く関係しているのですね。
自分の好きなものは全部自分の事業にかき集めて表現していきたいと思っています。自然も好きだし、宇宙も好きだし、アートも好きだし。だからこそ、私が愛するすべてのものを表現した活動をしてます。
この感性でいくと、目に見えるものが全て美しく、愛に溢れているように見えて笑。
太陽の光にキラキラ照らされているのを見ると、綺麗だな、愛に溢れてるな、なんだか自分のことを励ましてくれてるみたいだな!って感じます。
”私はアートいっぽんでこの世界を変えていきたい”
これからどういう未来を実現していきたいですか?
これらのアート体験で達成したいことは3つあります。1つ目が精神的に豊かで自由な世界の実現。2つ目がアートと技術のバランスが取れた世界の実現。3つ目が多種多様な価値観の共存です。
世界中を旅しながら、それぞれの場所で出会った民族文化や価値観をその場・現地で取り入れてアートを制作し、現地で新しいアート体験を提供していきたいです。また世界各地で出会った体験を日本に持ち帰り、日本でも価値観のアップグレードを起こすアート体験を届けていきたいなと思っています。
世界各地で行うことによって、その時生まれた感情、その人にとっての希望の光が顕現していって、愛の柱が建ち並ぶと信じています。それが各地に建つことで、世界中が豊かになるという願いを掲げています。
世界を変える方法はいくつかあります。しかし私はアートこそが世界を変える上で最高の方法であると考えています。
「技術で世界を変えるは分かる。アートで世界を変えるはどうやって?アーティストの戯言。」そういった言葉を見たことがあります。しかし、アートは人間の精神に訴えかけることで、意識的に大きな変化をもたらすことができます。世界の運命を握る人間の心を根幹から変えていけるのは汎用性が高く、特級的だと確信しています。だからこそ、私はアートいっぽんでこの世界を変えていきたいと思うのです。
世の中に自分の思うアート体験をどう打ち出していこうと考えていますか?
技術が発展して、どんどん効率性を求めて大量生産大量消費していた時代も変わってきていると感じています。この先、圧倒的に精神的な豊かさを求める人が増えてくると思っていて。
その中で、それに気づいた人から届けていくのはもちろん、気づかないけれど無意識的に欲している人はいると思うので、その人たちに向けてまずはライトなアート体験として提供していきたいと思っています。
今目の前にある世界、目に見える世界にだけとらわれず、人はもっと自由に生きていいと思うし、寂しい思いをする人が見えないところで増えてきたからこそ、心の豊かさや人との繋がりを求める人が増えてくる。そのときに自分が提供していくアートがあったらなと思っています。
自分が届けたいメッセージを発信していく中で、意識していることはありますか?
話す人によって情熱度や、使用する言葉、質等を変えていくことが、自分が発信する中で大事だなと思ってきています。
また、発信したりtoC向けのパッケージにしていく中で取捨選択しないといけない場面もあって、自分が本当に届けたいものって何だろうと考えています。
たとえば、孤独感の解消、人々に癒しを届けたい、宇宙と自然と人の調和などは、提唱されてきた人々が古代からいる。そういった過去の偉人の言葉や世界の古くから伝わる文化を参考にしながら、社会的にも認められるような媒体を通し伝えていきたいなと思っています。
最終的に届けたい層の人はどのような人たちでしょうか?
都会で働いている方々にマッチしたらなと思っています。一番届けたいのはそこの層ですね。
田舎の方だと、通勤通学時、周囲にあまり人がいないので、意識せずとも自分のことや自然など周りに目を向ける機会が増える。ですが、都会の道を歩いてると人がたくさんいて、無意識的にずっと他者を意識して生きないといけない。
また、多くの人に空白の時間がほとんどなく、次のタスクや今日の予定はこれだと、今ではなく次・次のことを考えて生きているので、特に世界の未知なる文化や考え方をぶつけてみたい層ではあります。
いくら技術が革新して時間に余裕ができても、人々は自然を見たり今を生きようとしないでしょう。だからこそ、今を楽しめるように、たとえば道を歩いてる時に咲いてる花が綺麗だとか、飛んでいる蝶がかわいらしいなとか、心にゆとりを持ってもうちょっと楽に生きられる社会が訪れたらなって思っています。
ですが、自然豊かな地域であっても、自然との一体感や繋がりを感じる人が多いわけではないので、都会を中心として活動しつつ、自然が豊かな地域にも広げていきたいと考えています。そんな感性を持つ人間が増えてきたら私の活動は達成されたといってもいいかもしれません。
アート体験を届けるにあたって大切にしていることはなんですか?
自分はアート体験を通して、一つの教訓のようなものを届けていきたいです。
アート体験をした時、人それぞれ色々な感じ方や捉え方があると思うんですよ。綺麗・美しい・幽玄的…。そのような感じ方にプラスして、世界の燦然たる未知なる価値観を知って、そこで人生を豊かにしてくれるエッセンスを得られるような体験にしたいと思っています。
こういう考え方もあるんだ、自分もちょっと楽に生きていいかもな、世界にはこういう見方もあるんだ、と良い方向に価値観が変わるように。
深い本当のアートは、綺麗だけどもっと別の深い何かがある、そういう余力を残しているのがアートの本質だと思っていて、それを達成したいと自分は思っています。
今後どのように広げていきたいと考えていますか?
まずはコアなファンを作ることを目指しています。自分のことを理解してくれる人や、少しでも美しいな、いいな、幻想的だなと思ってくれる人が増えるように、地道に活動していきたいなと思っています。
のちのち企業さんとも連携して、toC向けのワークショップとして、屋上の小さな公園など身近な自然での壮大なアート体験の提供を目指していこうと思っています。
確かに、自分の想いは、中々理解してもらうのは難しいだろうなと思いつつ、でも一方で自分の憧れているアートディレクターの方など、先駆けてコンセプトを形にされている方もたくさんいるので、そういう方々が社会で認められてたり、世界的に大きく活躍できると実証されているからこそ、自分も活躍できる。負けていられないなと燃えております。
もちろん視点は世界です。世界中を旅して未知なる価値観を世界に届けていく。数年後、星空降り注ぐサハラ砂漠で「天球の音楽」体験を提供しているでしょう!
[取材日]2024/08/25
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