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言語化力について#1

会社で企画系の仕事をしていると「言語化力」がいかに重要か再認識する。

考えていることを言葉にすることは、ビジネスにおいて相当に必要とされる能力である。
私が考える「言語化力」とは、整理するとだいたい以下の要素で成り立つ。
(ここでの言語化は、主に話すことを想定している)

①考えていることをどういった順番、長さ、テンポで相手に伝えるかという構成力(シナリオ力)

②考えていることをできる限り相手に正しく伝えるための、例示、引用、比喩、ユーモアといった、直接的でない表現の幅を持つこと

③マクロからミクロ、ミクロからマクロへと行ったり来たり、論点を絞りながらも結論を急がず、場の流れに沿いながら建設的な議論や意見の積極的な抽出に貢献できること

ここのところ、世界に名だたるコンサル会社と一緒に仕事をする機会を得て、特に優秀なコンサルタントを観察すると100%間違いなくこの能力が秀でている。とにかく、いろいろな場面における適切な言語化と場の組み立てがうまい。

一方でそう上手くない人は、結論ありきの我田引水型が多く、議論や討議の目的を意識せず突っ走ってしまう。自己満足型とも言える。
あるいは、極端に言葉足らずか会議中ほぼ無言の人。

結論ありきで話す人もけっこう面倒くさいのだが、会議の場では黙っている人より100倍マシである。
例えばAさんの考え方が場の方向性として間違っていようが、一旦その考えを発することによる逆方向への気づき(間違いの反対)を促す可能性があるし、根本的にその人が議論となっている課題をどう考えているか、とのメンバー間での考え方の共有になるからである。
会議中にAさんの考え方をクリアに確認しておくことで(発言後、間違いと認めるか、断固として譲らないかといった強度も含め)、会議後の業務においてもスムーズな合意形成のヒントになり得る。

黙っていたら、その人が何を考えているか分からないという点でとにかく最悪である。
(そういう人が実は不平不満を抱えていて、業務もやりづらかったりする)

口下手の人でも考えながら絞り出す言葉に重みがあり、場に大きな気づきを与えることもある。ペラペラと流暢に話すのが良いわけではない。

では、言語化力を身につけるにはどうするか?
長くなりそうなのでまたゆっくりと書きたいが一つ挙げるとすれば、「しっかり人の話を聞く」ことである。

ビジネスに関わらずこれができない人が本当に多い。

言語化力は傾聴力から始まるのであり、より素朴に言えば「人の話を聞いたうえで自分の頭で考えたことを人に伝える力」である。

言語化力そのものを上げにいこうとするより、「この対話とか会議の目的ってなんだっけ?」と原点に立ち帰ってシンプルに捉える方が、周り道のようでよりよく力を発揮できる。

ただ、最初に挙げた②の表現力だけは一朝一夕では身につかない。
これは読書を続ける長年の地道な努力が必要。
日常的にどれだけ本を読むかで、歳を重ねるほど差が開く。

日々、新聞やテレビ、ネットニュースというフロー系の情報に触れるだけでなく、普段から読書をして文字を通して自分の頭でどれだけ考えているかが分かれ目である。
自身も年々読書量が減っているため自戒の意味を込めて、読書量と言語化力は正比例すると言いたい。

さてさて、長くなってしまったので今回はこの辺で切り上げたい。

本テーマはビジネスのコアな部分であると考えるため、また次の機会に取り上げることとしたい。(そのため今回#1とした)

長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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