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私の作るサラダには様々なものが詰まっている

変化のない日々を好んで送っているわたしの、今年唯一と言っていい変化は毎日サラダを作るようになったことだ。

ある日、お夕飯は唐揚げにしましょうと鶏肉とサラダ用の葉物野菜を買ってあったが旦那に急な会食が入ってしまった。肉は冷凍庫に入れればいいがサラダ用野菜は我が家に於いて肉料理の彩り以外の使いみちがない。
困っているわたしを見て旦那はこう言った。
「それマヨネーズかけて朝食べるよ」
まぁ至って普通の発言だよね。もったいないからね。

翌朝、もちろん野菜を皿に盛りそのまま出すつもりだった。
皿に乗せるとなんだか味気ないし物足りない。つまんない。
冷蔵庫にベーコンがあった、じゃあこれをカリカリベーコンにして、ゆで卵もスライスして入れよう、グラタンに使ったチーズもある、削ってかけよう。そこら辺で買ってきたただの野菜がどんどんキレイなサラダになった。
旦那はもともとサラダが大好きだし毎朝出してあげましょかね。

これがきっかけだった。
この些細な出来事からはじまる、変化のない日々を好んで送っているわたしの今年唯一と言っていい変化は、その後非常に大きな変化となった。

イヌが死んだあともなんとなく通い続けている特に用事のない海沿いのファーマーズマーケットも、意識高い飯はもういいんだよ…とこぼしていた生野菜たっぷりのカリフォルニアスタイルのレストランも、よく行くスーパーマーケットも、いい加減飽き飽きしていたSNSも、サラダに関係することは何を見ても何を聞いても面白い、すべて初めて触れる知識。楽しい。

わたしにとって、サラダはそれくらい未知の領域だった。
なぜならわたしは生野菜が大嫌いで、全く食べないからである。


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サラダは見た目と味がダイレクトに関連する。

見た目を美しく仕上げようと思うとまずは野菜の鮮度、次に彩り、最後に盛り付け。良いものを買い色を考えキレイに盛る。ごちゃごちゃといろいろなものを盛り込み過ぎても駄目、かといってSimple is bestというわけでもない。この野菜とこのチーズは合うかなこのスパイスはどうだろう。合うと思っていた組み合わせが合わず、逆に意外な組み合わせもある。
世の中には知らない野菜がまだまだ存在し発見も多々ある。
この、サラダと味の関係というのはいろんなものに似ている。お洋服の着こなしはもちろん、文章の構築、人間関係。


哲学的に言うと「サラダ作りは人生に近い存在」なのである。


まぁ大げさだわね。年末に何を言ってんのかね。
でも毎朝わたしは自分の嫌いなサラダに人生を投影し、自分の食べられない生野菜から人生を学んでいる。

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わたしの母はサラダが大好きで、娘であるわたしが生まれた時「この子が大きくなったらバケツサイズのサラダを一緒に作って食べよう」と思ったそうだ。母は存命だが過去形にしているのは、生野菜だけはどう頑張っても食べられない大人になってしまい、その夢は叶えてあげられそうにないからである。
実家に帰ると母は今でも諦めること無くサラダを作って出す。わたしが手を付けないのがわかっていても食卓に並べ、そして自分で食べる。食卓に並べることに意義があるらしい。
毎回「もったいないから作らなきゃよいのに」と言い続けていたが


今はなんかちょっとわかる気がする。


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今年もたくさんの皆さんにブログをお読みいただき感謝しております。
毎年同じことを言っているように思いますが、来年はもう少し頻繁に記事を更新できればいいなと思っております。

皆様、あたたかく良いお年をお迎えください。


なかむら

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東京都出身、サンフランシスコ市内在住 猫一匹、旦那一匹と暮らしています。 「きょうのおかいもの」というタイトルの、タイトルとはほぼ関係ない内容のブログをたまに書きます。 Copyright © 2015-2019 きょうのおかいもの All Rights Reserved.
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