彩園なかや

🥗⁡彩園なかや⁡⁡/群馬県前橋市樋越町 ▶︎⁡【愛され農業】を理念にネギ周年栽培 ▶︎数学…

彩園なかや

🥗⁡彩園なかや⁡⁡/群馬県前橋市樋越町 ▶︎⁡【愛され農業】を理念にネギ周年栽培 ▶︎数学で美味しいと安定供給を実現する「数式野菜®シリーズ」 ▶︎職人が教えるいちばん美味い食べ方「専用野菜シリーズ」 ▶︎加工品準備中 ▶︎群馬.東京の直売.BASE販売中

マガジン

  • 新規就農なんて"クソゲー"だ

    ゼロイチ就農をした私の目を通した新規就農、農業の現実を忖度なしにつづります。

  • 事業計画のつくり方

    営農活動で最も重要な要素の一つである”事業計画”その作り方を彩園なかや流でまとめました。 参考にしてもらえると嬉しいです!

  • 有料記事しりーず

    彩園なかやの有料記事一覧です。 ここには収入に直結する情報を中心に載せています。 気に入って貰えたら嬉しいです😉

最近の記事

  • 固定された記事

はじめに

新規就農なんて難易度調整の狂ったクソゲーだ。 コスト高に対して安すぎる生産物。毎年叫ばれる前代未聞の悪天候。若い新規就農者を無条件に無知であほだと決めつける一部のおじさんたち。つぎはぎだらけで本質からずれた支援策。新規就農の難易度を跳ね上げている要因を挙げ始めればきりがない。 普通にやっていたら「日本の農業」に未来なんてない。 だが、私はこの修羅の道に踏み込んでしまった。だからもう引き返すわけにはいかない。 コストは知恵で、天気はデータで、おじさんたちは実績で、支援策には

    • 値段は勝手に決まる

      価値と値段は比例するのか 価値と値段は比例するのだろうか。 私は必ずしも比例するとは限らないと考えている。 どれだけ高価な原料を使っても、有機栽培であろうと、無農薬栽培だろうと夕飯で使うネギはせいぜい80円/本あたりが限度だろう。どんな付加価値を付加しようともここから倍にはならないと断言できる。 なぜなのか。まるで価値がないから値段が上がらないのだろうか。そうではない。 答えは買う人たちの予算がそのくらいだからである。 “夕飯で使ういつものネギ”の相場観が1本80円前後

      • 2023年を振り返って

        3年目が終わった 彩園なかやの3年目が終わった(正確には4月だが) 結果としては完璧からは程遠いものの上々だったのではないだろうか。 思い通りに行ったこと、行かなかったこと山のようにある。 思い通りいったことは来年に向けて磨きをかけるし、いかなかったことは改善を積み重ね次期にむけ準備していこうと思う。まずは今年取り組んだことの振り返りから始めていく。 結果を求める年 2023年に徹底したことはたったの2つ ・黒字化すること ・7月~4月の長期栽培の実現 彩園なかや

        • 新規就農69%の意味

          新規就農69%という数字 この69%という数字は新規就農者にまつわる数字だが何の数字だかわかるだろうか。 それは「就農4年目で生計が成り立っていない」と平成30年に農林水産省が実施したアンケートの回答である。実に70%近くの新規就農者が農業を始めて丸三年たっても生計が成り立っていないと答えている。データサイエンスを謳っている手前いささか古いデータで申し訳ないが最新版がこれである。 とはいえ、この数字自体は肌感としておおむねあっているように思う。 彩園なかやでは多くの人の

        • 固定された記事

        マガジン

        • 新規就農なんて"クソゲー"だ
          9本
        • 事業計画のつくり方
          10本
        • 有料記事しりーず
          1本

        記事

          フードロス削減は農家の救世主…?

          一人歩きのフードロス フードロスという言葉を知っているだろうか。おそらく知っているだろう。 令和元年から食品ロスに関する方針が政府から発表されている。その内容の一部に「規格外や未利用の農林水産物の活用(加工・販売等)を促進する」ということが書かれている。 さらに昨今のSDGsの流れに乗って盛り上がりを見せているのがこのフードロス削減の話である。 その中で「フードロス削減と農家さんの規格外野菜を活用して社会課題解決に貢献したい」と熱い思いを語る人を多く見かけるが本当にそれは求

          フードロス削減は農家の救世主…?

          新規就農は「蜂の巣経営」だ

          就農3年目の課題 “一人でやるには限度がある。人を雇うには金がない” これが就農3年目にしてぶち当たった課題だ。1年目、2年目である程度の生産技術は確立され販売先もなんとなく増えてきていざ本格的に規模を拡大し始めようとしたタイミングである。 商売の多くは先行投資が基本だが特に野菜栽培、中でもネギは運転資金の回収ですら10か月近くはかかる。その中で規模拡大を実行するためにはかなりの無収入期間が発生してしまう。だが、規模を拡大する上でどうしても人は必要だ。しかし人を雇うだけの

          新規就農は「蜂の巣経営」だ

          アグリテック業界の未来

          思い込みが進化を止める 産業は新規プレーヤーを受け入れると発展し、あざ笑うと衰退する。 これは歴史が完全に証明していることである。 日本のアグリテック業界はどうだろうか。残念ながら衰退産業に片足を突っ込んでいると言わざるを得ない。 日本全体に「農家にテクノロジー開発ができるわけがない」という思い込みが深く刻まれているからだ。 かつて、彩園なかやが自社開発したネギ特化型生育予測プログラム”A-stat”をアグリテック関連のビジネスプランコンテストに出品したことがある。一次通

          アグリテック業界の未来

          農業の現在地点

          新たな時代の幕開け 農業はあたらしい時代を迎えようとしている。 私たちの祖先が種をまき始めたように、化成肥や化学農薬を使い始めたように、農地集約や農業機械を使い始めたように。私たちは今時代の変わり目の農業者として今日も畑を耕す。 IT革命が世の中にもたらされてから約30年。私たちの生活は信じられないほど変わってきた。生活のほとんどがスマートフォンに集約され、財布すらも必要がなくなった。 そして人々は大量の情報やデータを瞬時に扱い私生活やビジネスに応用してきている。 それ

          農業の現在地点

          適利適売が未来を創る

          安売りに未来はない 「より良いものをより安く」 よく聞くフレーズである。私は世界で一番この言葉が嫌いだ。 企業努力の範疇であればとても健全な合言葉なのだが、身を切ってまで身を切らせてまで”より安く”する必要がどこにあるのか。その身を切ったしわ寄せはどこへ行くのか考えたことはあるのだろうか。 “より良いもの”を求めるのであれば”それなりの値段”で取引するのが当然だ。 世の中を見渡すといかに安いものがもてはやされているかがよくわかる。 テレビを見れば激安スーパーや激安爆盛りの

          適利適売が未来を創る

          ゼロイチ就農の生存戦略

          新規就農には大きく分けて2種類ある 新規就農には大きく分けて2種類ある。 ゼロイチ就農と親元就農である。 本当はここに事業継承就農を入れたいがまだ事例が少ない。本音でいえばこの事業継承就農が主流になれば新規就農の難易度は下がると思うのだがそれはまた今回の話とは別の話。 話は戻るが、ここでいうゼロイチ就農とは完全にゼロから始める新規就農者のことで、農業を始めるにあたり「自分で」土地を探し、「自分で」道具を揃え、「自分で」売り先を見つけ、「自分で」資金を集めてこなければならな

          ゼロイチ就農の生存戦略

          独立のための⑫:事業計画をつくる~月単位の予算設定~

          みなさまこんにちは。 今回は今までで作った生産費をもとに月ごとの予算を立てていきましょう。 ①5年後の売上と所得を決める ②ネギの相場、単収、収穫時期を調べる ③ネギをどれくらい売れば①の売上を達成できるのか計算する ④どのくらいの面積をやればよいのか計算する ⑤作付け計画を作成する ⑥施肥設計をする ⑦どれくらいの経費が掛かるのかを計算する ⑧5年目の事業計画を月単位で試算する ⑨所得が①で設定したものになるように調整する ⑩最初に必要な農機類を整理する ⑪1年目から4年

          独立のための⑫:事業計画をつくる~月単位の予算設定~

          独立のための⑪:事業計画書をつくる~生産費を計算する後編~

          みなさまこんにちは。 今回は生産費を計算するの後編になります。 前回までで基肥と育苗にかかる費用を計算しました。 その際には1aあたりにいくらかかるのかというところまで計算を分けていきました。 ここからは栽培管理にかかる費用と収穫出荷にかかる費用を計算していきましょう。 生育期ここでは、定植から収穫までの栽培管理にかかる費用を計算していきます。 主に農薬と追肥にかかる費用になります。 ・殺虫剤 ・殺菌剤 ・液肥、葉面散布剤 ・肥料 まずは殺虫剤と殺菌剤について何を使用す

          独立のための⑪:事業計画書をつくる~生産費を計算する後編~

          独立のための⑩:事業計画書をつくる~生産費を計算する前編~

          みなさまこんにちは。 前回は収穫、定植、播種を逆算して栽培計画を立てました。今回はネギ栽培にかかる生産費を求めてそこから何月にどれくらいの生産費が必要になるのか計算していきましょう。 ①5年後の売上と所得を決める ②ネギの相場、単収、収穫時期を調べる ③ネギをどれくらい売れば①の売上を達成できるのか計算する ④どのくらいの面積をやればよいのか計算する ⑤作付け計画を作成する ⑥施肥設計をする ⑦どれくらいの経費が掛かるのかを計算する ⑧5年目の事業計画を月単位で試算する ⑨

          独立のための⑩:事業計画書をつくる~生産費を計算する前編~

          プロ向け:珍しい野菜の収穫量が計算したい!

          初めて栽培する珍しい野菜。 使える農薬も少なければ、周囲でやっている人も少ない。 そもそも野菜の収量がどれくらいあるのかもわからない。 県の農業指針にも目安が書かれていないし、種苗会社のHPには栽培方法しか書かれていない。 これでは栽培計画が立てられない。 情報が少なすぎる… そんな悩みにぶち当たったことはないですか? 私はたくさんあります。 思い起こせばパクチーに始まり、ツルムラサキ、モロヘイヤなどなど うちの畑はマイナー野菜にチャレンジすることが非常に多く たくさん

          有料
          500

          プロ向け:珍しい野菜の収穫量が計算したい!

          独立のための⑨:事業計画書をつくる~施肥設計をする~

          みなさんこんにちは。 営農計画書を作った次は施肥設計をしていきましょう。 何の肥料をどれくらい使うのか。これがわかれば最終的には生産費の計算する材料がほぼ出そろいます。 ①5年後の売上と所得を決める ②ネギの相場、単収、収穫時期を調べる ③ネギをどれくらい売れば①の売上を達成できるのか計算する ④どのくらいの面積をやればよいのか計算する ⑤作付け計画を作成する ⑥施肥設計をする ⑦どれくらいの経費が掛かるのかを計算する ⑧5年目の事業計画を月単位で試算する ⑨所得が①で設定

          独立のための⑨:事業計画書をつくる~施肥設計をする~

          独立のための⑧:事業計画書をつくる~作付け計画をたてる後編~

          今回も前回の続きからやっていきましょう。 前回は圃場回転数という考え方を使って実際にどれくらいの面積を集めればよいのかの計算をしました。 今回はいつどれくらい収穫をするのか、いつどれくらい定植するのかその計画を立てていきましょう。 何月に何キロ収穫するか決めるこれに関してはさほど難しいことはありません。 まずは収穫する総量を各月に均等に割り振っていきましょう。 計画したネギの出荷量は37,680kgです。 そしてネギの収穫できる時期は1~4月と7~12月でした。 これを簡

          独立のための⑧:事業計画書をつくる~作付け計画をたてる後編~