2024年7月ジャワ旅②ボロブドゥール遺跡

ジョグジャカルタ1日目・前半

入国もたもた

ようやくジョグジャカルタ空港に到着した。そして、インドネシアの入国にはビザが必要なことを、私たちはパスポートコントロールにおいて知るのである。オンラインで事前に申請していればサクッと通過できたところ、アライバルビザの長蛇の列に並ぶハメになってしまった。
さらに税関の申告にはQRコードが必要とのこと。モタモタとスマホで入力⇒登録⇒QRコードを発行して、どやっと係員にスマホ画面を見せたところ、「ロングエアポート」と言って通してくれない。長い空港?はい?ちゃんとQRコードありますで?と言っても、とにかくやり直せという。しぶしぶ入力画面を開いたら手伝ってくれ、親切に教えてくれるに、先ほどの登録は到着空港を間違えていたらしい(ジョグジャカルタとジャカルタのwrong)。恥ずかしい。
ソーリーとサンキューを繰り返しようやく到着ロビーに出たが、一連のどんくさい出来事のせいでボロブドゥール行きのバスを逃してしまった。次はおよそ1時間半後の出発である。

ボロブドゥール遺跡をめざす

ボロブドゥール遺跡へは、ジョグジャカルタ空港から日に何本かバスが出ている。空港は割とコンパクトで、外に出るとバスもすんなり見つかった。インドネシアもインフレが激しいのか、バス代はネット情報で見たより5倍の値段であった。
通貨はインドネシアルピアIDR、ゼロを二つ取ればほぼ日本円の価格になる。バス代はIDR100,000=1000円という風。
なお、バス代はぼられてるんじゃねえかと疑い他の乗客が同じ費用を払っているか張り込んで一応確認したが、みな10万ルピアを支払っていた。

ジョグジャカルタは、インドネシアの中でも観光都市であるらしく、空港や、空港に直結している駅ビルのそこかしこで観光客歓迎の踊りやガムランの生演奏などがなされており、それなりに時間をつぶすことができた。
ミニバンサイズの乗り合いで、ボロブドゥール遺跡までは約2時間。
車中では友人Kも私もウトウトしていたところ、後ろの席の客(インドネシア人っぽい)が大音量で動画をみはじめ一気に目が覚める。どうやら日本の映画を見ているらしく、そいつのおかげで車中いっぱいに大音量の日本語が流れて来て、外国で日本語が聞こえることに少しのうれしさと、こんな爆音出してるのは私たちじゃないっすよ、と焦る気持ちでだいぶドキドキした(ちなみに映画はゴジラだった)。

車内にみずしまを呼ぶ声が響く

奇跡のチケットが舞い降りた

さて、てっきりボロブドゥール遺跡の入り口に到着すると思っていたが、バスがついたのは田舎のバスターミナルのようなところだった。Googleマップによると、遺跡までは歩いて20分程度の距離であるらしい。手ぶらなら徒歩上等であるが、でかい荷物を持ってえっちらおっちら歩くのはごめんだ。バイタクドライバーがわらわら寄ってきて、入口までIDR10,000という。つまり100円、ほなそれで。
バイクでかっ飛ばして思ったよりあっという間に到着したが、やはり歩くにはしんどい距離なので良い選択であった。

まずはチケット購入だ。チケットは事前にオンラインで購入できるはずだが、なんせ今回の旅は事前準備を怠りまくっていたため、もちろんこれもない。招かれるがまま外国人専用チケットブース(建物自体が別)へ。ハローと言うなり告げられたのは、
「遺跡に入れるチケットは売り切れです。敷地しか入れません」
うそやん!
敷地オンリーのチケットでも確か4000円弱の強気設定である。ひきつった顔で友人Kとどうする…?とゴニョゴニョしていたとき、やおらそのスタッフがオゥウェイト、最後のチケット二枚だけあるよ、君たちラッキーだね、などと言うではないか。
なんと二枚だけ別のスタッフが持ってたチケットがあったらしく、最後の最後、滑り込みセーフで遺跡に入れることになった。隣のカウンターの白人はもう売り切れだと断られていた。これはきっと日頃の行いをよく見ている天が味方してくれているのだ。幸先良し。
なお、遺跡に入場できるチケットはIDR455,000(=4550円)もした。高いだけあって、ガイド付き、お水1本、サンダル、履き物を入れる袋、荷物預けサービス(しかも出口まで運んでくれる)あり。遺跡に入場できるのは一日あたり1200人までに限られているらしい。遺跡に入りたい人は絶対に事前予約すべし。

ボロブドゥール遺跡を満喫

遺跡を保護するため私たちビジターは全員サンダルにはきかえる必要がある。天皇陛下もはいておられたあのサンダルである。足元が一気に高貴になった気がするではないか。わりとしっかりとした作りでその後はるばる日本まで持って帰ってきた(はずだが、今どこにあるかは不明だ)。

高貴な足元(フライト後のむくみ付き)

ボロブドゥール遺跡は今から約200年前に発見されたが、それまで約1000年も森に埋もれていたという。もともとは池に浮かぶ蓮の花をイメージして建造されたらしいが、火山噴火で埋まってしまった。ガイドの説明は興味深く、レリーフはいきいきとしておりみているだけでおもしろい。ああ、遺跡入れて良かった。

ボロブドゥール遺跡
真ん中の小丸7つは北斗七星を表している
広がる密林
円壇のストゥーパ

遺跡の上階は円壇になっており、たくさんのストゥーパが並んでいる。ここからは、360度景色が見渡せるので非常に気持ちがいい。太陽が照りつけるなかで石段の昇り降りは少し体にこたえるが、いろんな方角から景色を眺めてみたい。

しかし、この遺跡最大の難所は帰り道にあった。中国の世界遺産でよくありがちな、出口に向かうと土産物屋が並ぶ通りに誘導され強制的におみやげショッピングタイムが始まるやつ、あれの超ロングバージョンが延々と続くのである。大袈裟でなく最低10分は延々と土産物屋の間を歩かされるので、注意が必要だ。

バスターミナルにて

さて、ようやくたどり着いた出口で無事に預け荷物をピックアップし、今夜の宿があるジョグジャカルタ市内を目指す。出口のスタッフに、ジョグジャカルタ行きのバスはさっき出たところだ、今日はもうないぞと言われびびっていたが、バスターミナルへ戻ると、確かについ10分ほど前に出てしまっていたが、ジョグジャカルタ行きはまだもう1本あるという。しかしそれは約二時間後だ。今は三時半過ぎ。待つか、タクシーに乗るか。タクシーならバスより料金はかかるが、断然早く到着するのは間違いない。なにもないバスターミナルで待ち続ける必要もない。明日からのイジェン山ツアーを考え、ここは体力確保のためにもタクシーで早めにホテル行くほうが良さそうだ。

と、ここでようやく少しおなかが減ってきてたので、先にタクシー運転手のアタリはつけておき、まずは遅めの昼食をとりながらゆっくり考えようということになった。時間はたっぷりあるのだ。バスターミナルの隣にあるローカル食堂で、表の屋台で作られる鳥そばをいただく。濃厚な鳥スープがとっても味わい深く、ネギや青菜もおいしい。

滋味あふれる鳥そば

旅展開は突然に

二人でこれはこれはと鳥そばに舌鼓を打っていたところ、スマホチェックをしていた友人Kがどこかから着信あったみたい、という。そして、エッちょっこれ…と見せてきたメッセージ画面には、明日からのイジェン山ツアーの会社から、
「イジェン山の危険レベルが引き上げられたため、本日よりイジェン山は入山禁止となりました。すぐ連絡されたし」
的なメッセージが届いていた。
そ、そんな!!
わしらこのためにインドネシア来たんやで。一年前から予約してようおうおう。
しかし相手は自然である。なんも言えねえのである。
どうやら私たちの運はボロブドゥール遺跡のチケットで使い果たしてしまったらしい。ついさっきまで幸先いいなあなどと言っていたのに、どえらいどんでん返しである。
ツアー会社からは、ツアーを一部続行したりスラバヤ空港ドロップオフの謎提案など、選択肢が三つ提示されていたが、私たちは短い時間で検討した結果、ツアー自体をキャンセルすることにした。つまり、明日から3日間の予定が何もなくなってしまった。
これもまた旅である。

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