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自分の人生をデザインしよう #heydesignersnight 後編

hey desiners night Vol.2 レポート後編(完結!)中編は↑こちら。


久下:
何かを作るときメンタル的にやられるとか、自分はこの後どこに向かうのかデザイナーのキャリアパスについての情報があまり無いので、自分の経験の中からシェアしたいとTaidoが話してくれたので、それについて聞きたいなと

Taido :
Topic1はburnout、Topic2は自分のためのempowerment, inner voiceについて。どうやって自分の期待や求めてることをコミュニケーションして成功の道を作るのかということ。
ここの話は学校でも教えられていないと思う。

これを話したくなったキッカケは、Airbnbのデザインインターンシッププログラムで一人のインターンをマネージしたことから。
彼女は若いけどスキルセットすごくてやる気もあって、ポートフォリオも素敵だった。
けれど1on1で話をすると、彼女は自分に自信がなくて、自分の価値観を理解してない状態だった。

Impostor syndromeというのがあって、「そこにいるべきじゃない」「いつかバレるという恐怖をもつ」「自分の意見が言えない」等のこと。
アジア系でよくある文化だけど、謝罪してから意見をいうのがある。こちらからすると「なんであやまるの?」っていう。
彼女と12週間、毎週1時間の1on1をやる。本当はその時プロジェクトのステータスやマネージャーができることがあるかについて話すんだけど、彼女の場合はプロジェクトはどうでもいいと思った。それよりも彼女自身に集中してほしいと思った。

なぜ自分に対して自信がないのか、なぜここにいるべき人間ではないと思うのか。彼女はインターンプログラムでトップ、最初にフルタイムのオファーが出た人だった。けれど彼女は、自分がなるべくスペースを取らないようにしていた。
それをどうやったら、堂々と自分の存在を認めてもらい、意見を言い理解してもらおうと思うようにできるのかと考えた。だから12週間の1on1はプロジェクトではなくあなたのことに集中しようと伝えた。あなたの思ってることや悩みは何なのか、それから話し始めた。

何週間も1on1やプライベートでも話をすると、お互い涙がでてくるような会話もした。自信のなさには元がある
なぜプロダクトでなく彼女に集中したかというと、他人のためではなく自分がベストな状態になることが最初にやるべきことだと思っているから。それを助けるのがいちばんいいパートナーになれるはず。
彼女がベストな状態になることが、結果的にいちばんいいプロダクトになるのではないかという考えがあった。

実際に12週間続けていくと、それは当たっていた。1週間おきに自信がついてきて、他人との話すことば、歩き方、プロダクトやアウトプットが変わった。

久下 :
面白いね、デザイナーのキャリアの話は大体小手先の話やちいさなtipsの話になったりするけど、そもそもアウトプットのクオリティはメンタルから考えるという

Taido :
こうやったらいいよとかfigmaが、みたいな話もできるけど、今回は意味ないと思って。ツールとかどうでもいい、本当に自分が身につけているなら何を使っても良いものがつくれると思う。道具は使う人間にかぎる
もしワークショップなどで時間かけるのであれば自分に対してかけるべきだと思う。それによってスマートな仕事やコミュニケーションの取り方、自分の意見を持ったりできる。なぜ私はここにいるのかとか。

久下 :
Taido自身がメカニカルなバックグラウンドがあって、デザイナーのタイトルも色々移ってきてるけどプロダクトをデザインするところは変わらずなのは、スキルセットをその都度インプットしてるからなんだろうね。

Taido :
job titleはこの人が何やってるか会社が言いやすいようにつけてるだけ
。自分自身はただの職人、クリエイターだと思っている。だから時にはReactでコードを書く、時にはプロトタイプを作ったりアイコンデザインをしている。自分のストーリーをよりよく理解してもらうために使うただの道具だと思う。

けど、自分の価値観やバリューを自分が設定しなければ他人に設定されてしまう。バリューは何か、何をしたいのか、何を信じているのか。自分が設定してコミュニケートして他人に同意してもらって前に進むべき。それを設定しなければ他人が勝手に仮定してしまう。

パーミッションを他人に与えてはいけない。この業界で成功していこうとするなら、他人のレベルで設定されてたら絶対成功できない。他人が設定したものにいつも答えることはできない、毎回変わるから。

よくあるのが、自分の価値観を自分が出したアウトプットに接続してしまう。例えばこんなプロダクト出しました、たくさん売れました。なので自分はいいデザイナーです、と。逆にそれ本当なのかな?って思う。
自分もチームに恵まれて世界で知られているプロダクトを出して、気づかなかった。世界で使われてるものを出せてる自分はいいデザイナーだと。Appleを辞めて何もしてなかった時に、自分の価値観を考えた。もしAppleやiPodのデザインをしてるランツ、ということになったら(状況が変化すれば)消える、と。

で次のTopicへ繋がる。この中でBurnoutしたことある人?(会場:思ったより多くない)
正直自分は Burnout 3,4回してますよ。一回消えたことをまた始めるのはすごい大変、死ぬ思いでやらないといけない。

Burnoutの理由は3つあり、2つ適用してしまうとBurnoutする

1.フィジカルに疲れ果てる(労働時間が長すぎる)
2.チャレンジできてない(自分が成長していない)
3.自分のアウトプットが受け入れられてない(バリューがない/認められていない)

Burnoutはなったら悪いとかじゃなく、自分が認識しなければならない
Burnoutになった人間は、ここもういいやと最初に転職する。けどBurnoutの転職はまた繰り返す。一時的なfixなだけで、根本解決されていない。
なぜBurnoutしてるのかと考えるべき。みなさん殆どしてないと思うし、僕も最初してなかったが、時間かけてやるべきだった。

久下 :
Burnoutした原因を解決しないまま、転職すれば治るんじゃないかと思うけど

Taido :
価値観、何を大事にしてるのか、自分のキャリアのステップやコミュニケーションをとっているのか考えなければいけない。

認められない(プロモーションもらえない、マネージャーになれなかったetc.)としたら、その希望やゴールを伝えていたか?そのステップを一緒に手伝ってくださいとexpectationをセットしてあるかどうか?そこまでしていないケースが多いと思う。
それをきちんと伝える。コミュニケーションして前にすすむべきだと思う。

Burnoutする時は一番エモーショナルな時期だから、それでチャンス見逃す可能性がある。大変だけど、希望を伝えるスキルを身につけて前に進むといいと思う

この業界は思ったより大きい。毎年何千人の学生や新しい人が入ってくる。デザイナーがエンジニアになったり、デザイナーがエンジニアになったり。業界が倍になっていく。その中でどう成功していくか、あなたの価値観は何か?他の人とどう違う?セットすべきではないかと思う。

・・・・・・

会場からのQ:
成功というキーワードがよく出てきましたが、Taidoさんのいう成功とは何ですか?

Taido:
成功というのも自分でセットすべきだと思う。エクスペクテーション(期待されるもの)を。

成功とは、自分だけのため、チームのため、二人での間なのか、会社のためなのか、それによって意味が変わる。
自分で決められるのか、決められないのか。決められるなら誰に説明したらいいのか毎回違う。数字だったり、部下が次のレビューでプロモーションがもらえることだったりすることもある、変わる。

変わらないものが、コミュニケーションと人への説明や理解、納得し同意してもらうこと

久下 :
Taidoの話を聞いてると、割と職人という言葉を使うけれど、プロダクトとして全力で恥じないものを作るというのを持っているよね

Taido:
コアバリューが強い人間で、自分のミッションステートメントもある。integrity, qualityがコアバリュー。ミッションステートメントは、自分の力で人生であう人ひとりひとりが、よりよく生きられるようにサポートしていきたい。職人といってもモノだけじゃなくて、人間を通しての関係。それが自分の責任でミッション。

・・・・・・

会場からのQ:
自分の価値観を言語化するのは大変だと思いますが、Taidoさんがburnoutから復帰したときにやったこと、習慣などはありますか?

Taido:
まず最初burnoutを認識すべきだと思います。調子悪いとか、仕事いきたくないとか、ちょっとしたパターンがあると思います。何日だけではなく何週間続くとか、目の前のことがやりたくないとか。

自分の人生でいちばん大切なものは自分の時間
お金はやったことの価値交換なだけだし、役割のために払われているもの。
burnoutしたら、なぜこう感じているのか、何を変えれば自分の時間を使うことに無駄がないと思えるのか。これに自分は時間を与えていいのか考える。

次にいまの状況で何に納得してないのか、変えられるのか、ベストケースシナリオを考え紙に書いていく。
次に上司などにコミュニケーションとるべき。こう感じてますがこういうプランでいきたいということを伝える。

僕はクオーターごとにプランやマイルストーンを考える。細かく書くこともあるし、書かないこともある。役割や今やってるプロジェクトのこと、納得してるかしてないのか全部書く。3ヶ月おきにプロダクトと同じように振り返る。

人生のマイルストーンとして、いまハッピーなのか?そういう質問でNOが多かったら何かを変えなければならない。そこで初めてプランを考える。

久下 :
ライフプランに対する取り組み方が、自分自身をデザインしているみたいだね

Taido:
自分の人生こそデザインすべき
。他の人にデザインされるべきではない。
自分の人生なのに他人にデザインされたら当然100%は合わない、だからキャリアも含め自分で決めるべき。

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会場からのQ:
人生を変えた本を教えてください

Taido:
さっき言ったSimon Sinekは僕はすごくファン。

こちらは成功して次のレベルに行ったとしても、自分はここにいるべきなのかわからないと言って自分をサボタージュして下ろすという本。

次は、もともとテック業界でプロダクトマネージャーだった人が、夢で白い部屋を見た。起きた時に「ずっと絵を描きたかった」ことを思い出して仕事をやめる。アパートを探しに行ったら夢で見たアパートに似た部屋があった。そこを借りて絵を描き始める話。

shouldというのは他人からの影響でできる必要性、mustというのは個人からでた必要性。shouldとmustを区別した上で、いかに人生からshouldを消していくかという。彼女は今年、女性に向けたインナーボイスの本も出した。

結構いっぱいあります。

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久下 :
そろそろいい匂いがしてきたということで、懇親会へ!みなさんどうもありがとうございました。きてくれたこの二人に拍手(会場一同拍手)

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あとがきと感想

Taidoさんの言葉はどれも、人が本心から話す時に宿るパワーがあってとても刺激になりました。私自身もそうありたいと思いましたし、人との関わり方について大きな助けになるような話ばかりでした。

その後の懇親会でも
仕事のために生きてるのではなく、生きるために仕事してる。時間かけるべき、あせらなくていい」
「自分がコントロールできること、できないことを考えると良い」など、Taido節は一貫していて、一人一人に向き合う真摯な姿が印象的でした。

よし、今日からもっと自分の人生をデザインしていこう!
改めて、企画のみなさま、Taidoさん、ありがとうございました。
また、最後までお読みいただきありがとうございました。

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