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いつもと違う『意識の高い』妻も悪くはないが、本来の『大らかな』妻は最高だ

◆1

コインランドリーへ一出かける直前です。

「じょーじはマスク嫌いだけど、ちゃんと持っててね」
「近ごろはね、マスクについての【意味】が変わったの」

「自覚はなくても、わたしも、じょーじも【感染者】かもしれないの」
「つまり、感染【しない】ためのマスクではなく、」
「感染【させない】ためのマスクに、変わったのよぉ~!」
「周りの人を、不安や不快にさせないためのマナーなの」

ゆかりちゃんは、僕をさとすように言いました。

「おお、了解」

僕はマスクが嫌いです(フランス人っぽい)。でも、素直に従いました。


◆2

コインランドリーの向かい側に、地元で人気のケーキ屋さんがあります。
10人くらいの行列ができています。

渋滞中のお店の駐車場をスルーして路上駐車し、平然と行列に並ぶイカツイ中年男性を目撃しました。

「路上駐車はダメよ!」
「ああいうの見ると、イラつく~!」

「おお、そうだねぇ」

この日のゆかりちゃんは、意識高い系です。


◆3

コインランドリーの駐車場に車を入れました。

僕たちの直前に入った車は、駐車場のラインを大きくまたいで、しかも斜めに停めました。

車から降りたのは、中年のオバさん。

「派手な格好のオバチャン! 車! 、、停めるの下手すぎ!」

「うん、だねぇ。でも駐車場ガラガラだから~」

ここでも、ゆかりちゃんは意識高い系です。


◆4

車から降りてみると、その車は思った以上に斜めでした。

オバさんのアイシャドウは青紫色。パンダのようでした。
今日の意識高い系のゆかりちゃんにはたしなめられるか、下手したら叱られるかもしれません。

でも我慢できず、僕は、ゆかりちゃんに近づき小声でささやきました。

「目・・・、誰かに殴られたみたい・・・」


「・・・?」
「ハッ!」

「キャハハハハハハ~~~!」

ゆかりちゃん大爆笑!
そのオバさんが振り向くほどの、大爆笑でした。


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おしまい

※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第592話です
※マガジン【ゆかりちゃんの『天然』のポートフォリオ】↓ に加えます




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