第158話 マンボウ
僕の、スマホのメモに、以下がある。
ゆかりちゃん 「おやすミンミンゼミ~!」
じょーじ 「オレのギャグやん!」
今年の、8月4日のメモだ。
この頃、松潤主演の人気ドラマが再放送された。僕とゆかりちゃんは、大のミステリー好き。特にこの松潤のドラマは、めちゃハマったドラマで、再放送を録画した。
なので、この頃、TBSの日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士』を、僕たちは、ちょくちょく観ていた。
松潤の演じる、弁護士の深山は、ダジャレを言うのだ。
結構ひどいダジャレを、公共の電波で流すのだ。たとえば、「ふとんが、吹っ飛んだ」とか。このダジャレは、僕が小学生のときに聞いている。
おやじギャグの中でも、最もひどいヤツの1つだ。
・・・だが。僕も、そしてゆかりちゃんも、このダジャレが嫌いじゃないのだ。
いや、正直に認めよう。
好きなのだ。
つい、笑っちゃうのだ。
そのような、深山のダジャレの影響で、僕は、「おやすみ~」というところを、「おやすミンミンゼミ~」というようになったのだ。
そして、ゆかりちゃんが、それを堂々とパクったのだ。
それが8月4日の、
「おやすミンミンゼミ~!」
「オレのギャグやん!」
というメモの内容だ。
***
この、8月4日のメモには続きがある。
僕の「オレのギャグやん!」というツッコミを受けての、ゆかりちゃんの第2弾!
「おやすみ~マン~!」
当然だが、僕のツッコミは、
「商品名やん!」だ。
おやすみ~ の、~は、ゆかりちゃんが考えた『間』だ。
「おやす未満」ならダジャレ成立だ。「オヤスミマン」は、たんなる商品名。それはオムツ。
「おやすみ」の「み」か「すみ」か、とにかく、語尾を活かさなければ、ダジャレとは認定できない。
◆8月30日のメモ
8月30日のメモだ。
「おやすみ~マンボウ~!」
「ん?『ミ』にかかってないよ~」
メモには、これだけが書かれている。
当然、ゆかりちゃんは、そのような小さな理屈なんか、これっぽっちも気にしない。
「おやすみ~」からの「おやすみマンボウ~!」は、なんの関連もない。ダジャレになってない。
何度でも説明するが、『み』と『ま』だから、それではダジャレじゃない!
それがダジャレっぽく感じるのは、8月4日の「オヤスミマン~!」という、ボツを知っている、僕たちだけなのだ。
「オヤスミマン~、はダメか~。おやすみま~」って、「ま」まで加えて考えてるやん!
それは~、残念! 正式なダジャレには認定されません!
もちろん、カーネギーの教えを実践中の僕は、上記は、語っていない。
思っただけだ。
そのような理屈を、ゆかりちゃんが気にするはずもない。
語呂の良さなのか、ゆかりちゃんは、この「おやすみマンボウ~!」が、超お気に入りだ。
◆結論
僕のお気に入りだった「おやすミンミンゼミ~」が、最近、かすんでいる。
以前のような輝きが、感じられない。
これは僕が、夏の終わりを、感じているからなのだろうか。
それとも・・・。
日々、聞こえてくる、めっちゃ楽しそうな、「おやすみマンボウ~!」の、ハツラツとした声のせいだろうか。
悔しいから使わないけど、最近の僕は、「おやすみマンボウ~!」を、使いたくなっている。
とこのように、小さい理屈なんて、いとも簡単に凌駕する。
僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。
PS.僕が一番好きなダジャレは、「明治天皇~。眼、いじってんの~?」だ。昔の部下が、眼をいじりがなら言った。笑った。
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