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nekonosara
それって性格だよね？ まさか、見た目？
その日、フードコートは閑散としていた。
僕は、野菜をとろうと思い、長崎ちゃんぽんの『野菜たっぷりちゃんぽん』に決めた。
妻のゆかりちゃんは、銀だこの『ねぎだこ』。
天つゆに浸して食べるヤツだ。
僕、たこ焼きは、銀だこが1番好き。
外が「カリ」。中が「トロッ」。これが最高に旨い！
＊ ＊ ＊
僕が注文した『野菜たっぷりちゃんぽん』には、柚子胡椒ドレッシングが付いてきた。何も言ってないのに添えられていた。
僕は、柚子胡椒が大好きなのだ。
ちなみに、ゆかりちゃんは、柚子を好まない。
だから僕は、柚子胡椒を入れずに食べた。
ゆかりちゃんとシェアするから。
野菜たっぷりちゃんぽんを、ゆかりちゃんが味見してから、僕は満を持して柚子胡椒を投入した。
「わっ！ 爽やか！」
と、思わず言葉に出た。
僕は続けて、
「これ！ 柚子胡椒を入れたら、僕が、福士蒼汰くんになった、って感じ」
と言った。
すると、ゆかりちゃんが、
「しつこかったのが、爽やかになった？」
と、言いやがった。
「いや、長崎ちゃんぽんは、そんなシツコイ味ではないから…。
安定の！ 定番の味！ が、メッチャ爽やかな味になった、って感じかな。
……ん？
……僕のこと、『しつこい』って思ってる？」
「ん？ …うん」
ゆかりちゃんは、当然でしょ、という顔で言った。
僕は、反論できなかった。
確かに、僕の性格はシツコイ…。
その日は、フードコートは閑散としていて、僕は少し救われた。
おしまい
※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1592話です
※僕は、ゆかりちゃんが大好きです
PS
私、奈星 丞持(なせ じょーじ)は、note創作大賞2024に応募しました。
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