屋根裏にいるねずみ

猫を昔に飼っていた私の家は猫がいなくなって、随分経ってからねずみが屋根裏に住み始めた。
ドタドタと毎日忙しなく足音を聞かせている。
そして、ときどきガリガリと音を響かせながら自分たちの陣地を広げようとしている。
毎日大忙しだ。

ねずみが住み始めた当初、私はわくわくしていた。これが今まで読んできた物語の中でしか出会ったことがない屋根裏のねずみかと。こんな呑気なことを考えてる私が生まれ育った家族だからねずみのことを気にせずに最初は生活していたが、食べ物の被害が大きく壁も穴だらけになっていくため家族たちは到頭ここは私たちの住処だということを示すたびにねずみ対策にのりだした。
のりだすまでそれはそれは月日が経っていたため、ねずみも丸々と成長している。
ねずみとりで捕まえたり穴を塞いだり食べ物が食べられないように対策をしたり、そうしているうちにねずみはいなくなったはずだったが、新しいねずみか生き残りかが再びドタバタと屋根裏で音を鳴らせるようになった。

そして私は今日、弟を怒らせた。弟は寝る前も隣の部屋でイライラしている。
その横でねずみは、ガリガリと自分たちの陣地を広げようとしている。

「ドンッ」

その音は弟の怒りの音だった。


私は心の中でねずみたちに謝った。

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