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【オリジナル絵本】カニカマ海へかえる

カニカマは気が付いた時にはカニカマでした。
でも冷蔵庫の砂抜き中のあさりがいうには
カニカマも元々海にいたというのです。
その夜、マヨネーズにつけられて食べられそうになっていたカニカマは
食べられる前に一度は海を見たいと、箸をすり抜け家を飛び出しました。
海を目指し旅を続けるカニカマ。
途中、猫に襲われそうになったり、バイクにひかれそうになったりしましたが
なんとか海へたどりつくことが出来ました。
海はカニカマの想像以上に広く雄大でした。
カニカマは思いっきり海へ飛び込みました。
でもカニカマは一匹もおよいではいません。
岩にカニがいたので声をかけました。
「おーいぼくはカニカマ、きっとカニさんの仲間だと思うんだよ」
「ハサミもないし、おまえなんてなかまじゃないよ」
「魚さーん。きっときみたちの仲間だと思うんだよ?」
「ヒレもないし、ぜったいちがうわよ」
みんなから仲間外れになって
カニカマはさみしくなってしまいました。
「グス…グス…」
そんなとき、だれかが声をかけてくれました
振り返るとそこにはチクワがいました。
カニカマと同じように海にかえってきたのです。
今でもカニカマとチクワは、仲良く海で暮らしているのでした。

おわり。

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