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NYで感じる エンタメ業界のこれから

まさか世界がこんなことになるとは知る由もなく、ワタクシ演劇学校へ通うべく昨年からニューヨークにおります。
3月頭くらいにはクラスメイトたちと「ここは休校にならないでしょ。小規模だし。」とか話していたのに、2週間後には休校になり、バイト先が閉店し、映画館もブロードウェイも一斉にクローズし、ホント「あっ!」という間に世界最悪のコロナホットスポットになってしまったニューヨーク。
4月からオンラインで学校は再開したものの、ヴァーチャルで演技を勉強するという変な感覚にみんな抵抗はありながら、慣れざるを得ない状況のまま生活していました。

NY州だけで見ても、1日に4~5000人の人が亡くなって1万人以上の人たちが感染していたのが当たり前だった時に比べれば、死者数が500人以下の日が続き、感染者も1~3000人くらいと少しずつ落ち着いてきています。(と言っても、まだかなり酷い状況ですけども)
他の州では経済への打撃を懸念して徐々に規制を解除していこうという動きも出始めていますが、慎重に行わなくてはまた以前のような最悪な状況に戻り兼ねないという専門家たちの意見もあり国全体が穏やかじゃないです。

さて、そんな中、私も個人的に気になってしょうがないのが「一体これからどうなるの?!」ということ。私も何の目的もなく全財産はたいて30代半ばで留学してる訳じゃありませんから!
撮影とかいつ始まるの?始まるとしたらどうやって感染から人を守るの?普通に戻るの??
疑問は絶えません。ただ大変なのは皆んな同じ。
取り敢えず、先生や知り合いから聞いた話や、こちらのニュースなどで見たエンタメ業界の動きを少しまとめてみたいと思います。

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'NEW NORMAL'

「withコロナ」と同じく、よく耳にするようになったのが「ニューノーマル」。まあ簡単に「新しい普通」ですよね。これから、withコロナで生きていく時代、『普通』は以前のものとだいぶ違うものになるだろうという…何とも受け入れ難く悲しい考え方。でも、これが現実なんでしょう…少なくとも有効なコロナ予防策などが確立されるまでは。

今こちらで言われている今後のエンタメ業界ニューノーマル、まず映画やテレビドラマの撮影に関しては、大規模なものはなくなると言われてます。
例えば、沢山エキストラが必要なシーンだとか、沢山のクルーが必要な撮影だとかは避ける必要が出てくる、と。
そして、小規模の撮影であっても、撮影現場が室内だったり「密」な空間である場合は、そこに入れる人を相当絞り込むことになるでしょうね。俳優と監督とカメラマンだけどか。この前ラジオでカメラのFOCUS PULLERをやってるという女性が「そんなの無理!」と言ってましたけど、ホントかなりの工夫が必要になると思います。

スウェーデンやノルウェーでは既に撮影などを少しずつ再開してるみたいですが、前とは全然違う体制で行ってるようです。
撮影現場に入るクルーは最低限に絞り込み、その中でもSOCIAL DISTANCINGは守っているそう。キャスティングは全てヴァーチャルで行われてるみたいです。
不思議とキスシーンやセクシュアルなシーンに関してまだルールが確立されてないらしいですが、お年を召した俳優や感染のリスクが懸念される俳優などは撮影に参加しないように言われているようです。
学校の先生は、今まで不必要に多かったセクシュアルなシーンは減るだろうって言ってますけどね。

オーストラリアでもSOAP OPERA(昼ドラ)の撮影などが再開しているものの、俳優同士の距離も保つようにしているようで、カメラのアングルや編集を工夫することで何とかしてるみたいです。

アメリカでも8月くらいには延期している撮影の再開や、舞台などの活動再開も期待されていますが、今後の状況次第という感じです。
再開されたとしても他国と同じく慎重な対策が必要になるのは当たり前で、既に聞いている話だと、ロケバスなどでの複数名の移動がなくなり、それぞれ個別に移動する必要が出てくるだろう、ということや、ケータリングやクラフトサービスもなくなり、それこそロケ弁みたいな形で対応する可能性が高いみたいです。
撮影現場に限らず、映画館や舞台など、人が集まる環境では来る人全員の検温や抗体検査、もしくは感染の検査が必要になるとも言われています。
ニュースでこの前「陰性パスポート」みたいなものの発行も考えられてるって言ってましたけど、これは現実的じゃないという意見が強いです。

舞台に関しては撮影よりも再開が遅いかもしれませんね。
一応夏に再開を期待する声も上がってますが、ブロードウェイは9月まで閉鎖を発表したみたい。
TONY AWARDも今年は中止になりました。
どう工夫しても「密」になってしまう舞台の環境は、全体の状況が十分に落ち着いてからになりそうです。

全体の動きから見て、撮影や舞台活動の再開はされるけども、性質から見て実行は他の業界と比べても最後の方になるだろう、とのこと。
そして、再開されたとしても、しばらくはニューノーマルが続きそう。

ポジティブな見方

色々としょんぼりしちゃう内容が多いですが、私が感じるニューヨーカーたちの雰囲気は不思議と楽観的です。
いろんな境遇の人たちがいますが、クリエイティブな人たちは何かしらの形で物作りを続ける、という考え方が強い気もします。

アメリカでは事務所に所属していても、よっぽど売れてる人でないと自分でオーディション見つけて来るのが主流だったりもして、受け身で活動をしてる人が少ないです。
学校でも、オーディション以外にも出来ることは山ほどあると何度も聞かされてきました。
また、ニューヨークはアートに関して寛大です。アートを愛し、受け入れ、アーティストたちに敬意を払ってくれます。辛い時にこそ名作は生まれたりしますからね。
だから私の周りでは「今だからこそ出来ることをする」「今だからこそ作れるものを作る」と思って動いている人が多い気がします。

また、今誰もが自粛をして誰とも会わずに閉じこもっている状態ですから、ここから解き放たれた時、皆今まで以上にSOCIALになるだろうと言われています。
今回のコロナウィルスは1918年に起きたPANDEMIC、SPANISH FLUとよく比べられますけど、その時も解放された後皆思いっきり外に出まくったみたいです。
私は前まで時間がある時は一人で散歩したり家でNETFLIX見るのが大好きだったんですけど、ここ2ヶ月半誰とも対面で会っていないし、出来ることと言ったら散歩してNETFLIX見るくらいなので 笑
前までかなり満喫してましたけど、さすがの私でも解放されたらとにかく人と会いたいです 笑 どんな面倒な人でも会って話がしたい!
その頃にはレストランなどはもちろん、映画館や舞台は今まで以上に繁盛するんじゃないかと言われてます。

いつかニューノーマルが以前のノーマルに近づいた時、思い切り動けるように今の時間を有効活用できるといいですね!



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