わたしは、甘いトマトにはなれない
トマトってストイックだ。
極力水分を与えずに育てると、甘く育つなんて。
私は、甘いトマトにはなれない。
何も与えられず、がんばり続けることはできないし、無視されることを我慢できない。
何の見返りも求めず愛し、誰かのために働き、走り回り、ごはんを作り、抱きしめ、一緒に眠り、また起きて1日を始めることなんて、到底できない。
ほんのちょっとでいいから言葉がほしい。
ありがとうなんて大層な言葉じゃなくていい。
はにかんだ小さな「おはよう」でいい。
「これ、おいしいね」でいい。
自慢でも愚痴でもいい。
話しかけたら返事がほしい。ただ笑いかけてくれるだけでもいい。
だからね、息子たち。
大きくなって「別に。」だけで返事をすませたくなっても、無視はやめよう。
母はいつもここにいて、みんなの声を待ってる。
「ねーねー、かっかー」
今、あきれるほどに降り注ぐ、母を呼ぶ声。
このシャワーみたいな呼び声を赤い貯金箱にためておけたらいいのにな。
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