みいまBear

美ヲ以テ真トナス。 南極とベトナムのソンドン洞窟に行くのが目標です。

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  • 妄想食道楽

    美味しいごはん、食べに行くならこんな服!  半分現実、半分妄想グルメエッセイ。

最近の記事

第8回 横浜トリエンナーレ行ってきた。

 率直な感想を述べるならば、なんていうかメッセージ性が強すぎた。  あまりにもメッセージ性が強いあまり、ちょっと重いし、全体的に怖い。反戦や人種差別や歴史の重みが創作の核になるのはわかる。わかるのだが、これだけのサイズの箱でそれらをぶつけられ続けると、どうにも正直辟易してしまう。  別に見栄えがいいものだけを展示しろなどとは言わない。それでも、これはトリエンナーレ、芸術祭なのだ。祭りなのだ。これがデモだったり、講演会であれば、訴えかけてくる強いメッセージは紛れもなく正解だと

    • 日本橋の裏路地で、暖簾をくぐってお鮨を食べるという憧憬 《日本橋》𠮷野鮨本店

      日本橋、それも大通りを一本入ったところというのは、大人しか通ることを許されていないような気がしてどうにも身構えてしまう。そんな裏路地に面したところに、いかにもという風情で𠮷野鮨本店は存在している。ちょっと薄暗い路地裏で、暖簾のその先にある店内から漏れる光が眩しい。 引き戸を開ければ、明るい店内は木製のカウンターに板前さんと、いかにもお鮨屋さんといった雰囲気。 今回は雑誌OZ magazine の連動企画である「八日京お月見フェス」の特別メニュー、夜のにぎりずしコースを事前

      • 紅茶とスコーンを好きなだけ! 《代々木上原》ムレスナティー 代々木上原店

        今回お邪魔したのは、住宅街を曲がったところにあるムレスナティー代々木上原店。入り口にある大きなティーポットが愛らしい、紅茶専門店らしい素敵な雰囲気の店だ。 店に入れば、赤を基調とした店内、整然と並べられた紅茶箱のキューブ。それはどこか、不思議の国のアリスを思わせる。そこで開かれるは狂ったお茶会? なんて、アリスモチーフなんか付けてたら、なんだか雰囲気がそれっぽいかもとか思う。 メニューはホットケーキやスコーンなど。そして、全てのメニューにつくのがティーフリー。つまり、紅茶

        • ファンシー・ピクチャーに想いを馳せる ~スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

          はてさてスコットランドとはどんな国だったか。エジンバラとはどこだったか。 そんな曖昧な記憶であっても、一枚の絵の前でなぜか既視感を抱かせることができる――それが、THE GREATSたる所以なのかもしれない。 最初から最後まで、余すことなく西洋絵画。 絵画に様々なジャンルはあれど、これだけ西洋絵画だけを全身に浴びることができるチャンスは滅多にない。現代アートが混じったり、エジプトの秘宝の発掘先に不安を感じたり。そんな心配はここではない。ただひたすらに二次元の、その向こうの世

        第8回 横浜トリエンナーレ行ってきた。

        • 日本橋の裏路地で、暖簾をくぐってお鮨を食べるという憧憬 《日本橋》𠮷野鮨本店

        • 紅茶とスコーンを好きなだけ! 《代々木上原》ムレスナティー 代々木上原店

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          7本

        記事

          おでかけの記録 ~三頭山~

          今回のおでかけは三頭山。 高尾山が楽しかったから次どこにしようとか、単独登山に挑戦してみたいんだけどって人に、三頭山はとてもおすすめ。さすがは都民の森というだけあって、最初から最後まで道は整備されてるし、看板も多くてわかりやすい。登っている女性も単独の人がかなり多いし、すれ違う人も多すぎず少なすぎずで安心できる。 それから、ケーブルカーやロープウェイのない山に行きたいって人にも。登る手段が徒歩しかないから、山頂にいる人は全員頑張った人なのがなんか嬉しい。チート手段があると、

          おでかけの記録 ~三頭山~

          TOKYO CREATIVE SALON 2022

           都心のど真ん中に、いきなり大きな四角い箱が現れた。中身は知れない。何の説明も書かれていない。でもオシャレ。そこはかとなくかっこいい。ただの四角い箱がさらりと都心の風景に溶け込み、なんかいい感じになっている。  これぞ東京ならではの風景だ、と私は思う。  箱にはイベントのタイトルのようなものは表示されているが、中が何なのかは外からは全くわからない。加えて、周辺と入口にスーツを着たスタッフが何人か。正直、怪しさしかない。だが、それが許されるのが東京という都市なのかもしれないと思

          TOKYO CREATIVE SALON 2022

          夢見るプリンアラモードとサブカルチャー 《つつじヶ丘》手紙舎 つつじヶ丘本店

           どこかノスタルジックな都営住宅の一角にこの喫茶店はある。周りを見渡せば、真っ白で幾何学的な団地に、公園で楽しそうにはしゃぐ子供たち。目の前には燦然とヒマラヤスギがそびえたち、青空と緑のコントラストが綺麗だ。あまりにも理想的な休日の午後に、くらりと少し眩暈がする。  この小さな喫茶店はいつでもお客さんがいっぱいいて、そのうえ眩しい外の光に比べて中が薄暗いものだから、入るのに少し躊躇する。今回は『手紙社のイベントのつくり方』という本を読んで、その原点を見たくてやってきた。今ま

          夢見るプリンアラモードとサブカルチャー 《つつじヶ丘》手紙舎 つつじヶ丘本店

          明太子いっぱい食べよう! 《丸の内》博多もつ鍋やまや

           辛子明太子を飽きるほど食べたことはあるだろうか。食べたいと思ったことはあるだろうか。食べたことがなくて、食べたいと思ったことがあるのなら、今すぐここへ行くしかない。博多もつ鍋やまや――名前の通り夜はもつ鍋料理が中心だが、この店、ランチは辛子明太子が食べ放題なのである。ちなみに、ごはんとからし高菜も食べ放題。そんなに食べられないと思っても、食べ放題には夢がある。  とはいえ、やまやのランチは行列必至だ。オフィスのランチタイムはもちろん、ランチタイムを過ぎても並んでいないこと

          明太子いっぱい食べよう! 《丸の内》博多もつ鍋やまや

          図書館の隅で

           図書館の隅、まるで陰からとぷんと湧き出るように、彼女はそこに現れた。分厚い本と、黴臭いにおい。そこは図書館でも一番の端っこで、人が来ることなんて滅多にない、そんな場所だった。週に一、二回はこの図書館に通う僕だって訪れたことがない図書館の隅。ここが引っ越すことにならなければ、全フロアを探検してみようだなんて思うこともきっとなかった。 「……こんにちは」   目が合ったので、とりあえず小さな声で挨拶をする。一方、彼女は小さく会釈をしただけで、そのまま横を通り過ぎていく。 「

          図書館の隅で

          孤独とパンケーキ 《布田》バター&ミルク

           駅近くにある、こじんまりとしたかわいいお店。入口はまるで絵本の様だし、小さな窓から中はあまり見えなくて、入るのにちょっと戸惑ってしまう。勇気を振り絞ってその扉を開ければ、そこは白を基調としたシンプルな店内。ほのかに香る甘いにおいが、パンケーキ専門店だってことを知らせてくれる。  メニューはパンケーキとドリンクのみ。おかず系はなくて、甘いパンケーキだけ。キャラメルバナナとかチョコとか抹茶とか。あと、期間限定のパンケーキが常に一種類あるらしい。迷いに迷ったけれど、今回は抹茶を

          孤独とパンケーキ 《布田》バター&ミルク

          アナログ原稿とロストテクノロジー ~TOKYO卍REVENGERS EXHIBITION

           タイムリープの疑似体験ができたり、東卍の集会に参加できたり、黄金のマイキー像を拝んだり。東京卍リベンジャーズの原画展「TOKYO卍REVENGERS EXHIBITION」は私の知る原画展をはるかに超えてエンターテイメントしていた。  確かに最近、原画展には久しく行ったりしていなかったけど、こういうものなの!? なんかドキドキする! なんて、ちょっと驚いてしまった。もちろん、展示されている原稿の数も申し分なくて大満足。ここ、名シーンだったよね――と、原稿の前で思わず打ち震え

          アナログ原稿とロストテクノロジー ~TOKYO卍REVENGERS EXHIBITION

          丸の内OLに扮してベトナム料理を食す 《丸の内》サイゴン

           ベトナム料理を食べよう。何を食べようか考えるとき、一番には出てこないけど時折ふいに食べたくなるのがベトナム料理。同じ東南アジア圏ならタイ料理も素敵だけれど、ベトナム料理の方が何となく少し優しいイメージ。というわけで、今日のランチはベトナム料理を食べに行く。  生春巻きを食べるか、揚げ春巻きを食べるか、蒸し春巻きを食べるか。それにフォーを合わせるか、定食にするか――なんて、選択肢がとにかく多い。フォーだけでも牛肉鶏肉いろいろあって悩むのに、そのうえシーフードビーフンも鶏飯も

          丸の内OLに扮してベトナム料理を食す 《丸の内》サイゴン

          あんみつとワンピース 《上野》あんみつやみはし

           あんみつとは、なんて甘く懐かしい響きなのだろう。餡と蜜。その言葉を聞いただけで頬が緩んでしまう、そんな素敵な名前を持つあんみつ。  あんみつといえば、みはし。あんみつに詳しくない私でも、その名前を知っている有名店。珍しく上野にまでおでかけしたので、みはしに行くことにしてみた。憧れはあるものの、入ったことのないみはし。とはいえ、実は私は正直あんみつがそこまで好きではない。ここまで上げておいて何を言い出すのかと思われるだろうが、あんみつという名前はそりゃもう好きで、ともすれば誘

          あんみつとワンピース 《上野》あんみつやみはし

          固定された世界と取り残された私の話 ~深堀隆介『方舟2』によせて

           金魚に憑りつかれた絵師、深堀隆介。ひとつの絵を通して、彼が金魚に命を吹き込んでいるのか、金魚が彼に命を吹き込んでいるのか。それはわからない。それでも、2.5D Painting という技法を用いて彼が描いた金魚たちは、まるで本物のように美しい。いや、人間の理想を詰め込んで描かれた以上、それは時に本物さえも超越する。  「金魚鉢、地球鉢。」にて展示された作品の中でも、『方舟2』はかなり大型の作品だ。あまりに重く、樹脂を流し込んで制作を進めていくうちに、一人では運ぶことすらまま

          固定された世界と取り残された私の話 ~深堀隆介『方舟2』によせて