「ゆっくりペース」
(登場人物は仮名です)
こうもりあそびばは、誰もがふらっと立ち寄れる場所であってほしいと思っている。
あそびばでは名前を知らない子ども同士が、いつの間にか一緒に遊んでいるということがよくある。
一緒に遊ぶなかで次第に互いの名前を知り、学校名を知り、学年を知る。属性を知るよりも前に、その子との関係ができる。それは子ども同士もそうだし、私と子どもとの関係もそうだ。
マイが特別支援学級に在籍する子だと知ったのも、彼女との関係ができてからだった。
彼女は他の子がする遊びに合わせることはなく、いつも自分のしたい遊びをする子だった。特に、一人でものづくりをすることが多かった。
ちょっと人と違うことをする子は大歓迎なので、あそびばでのその子はまったく違和感がなかった。というか、同じように一人でものづくりすることが好きな私は、似たものを感じて、むしろ好感を持っていた。
話は変わるが、私自身の話を少ししておく。
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