見出し画像

生きる気力を取り戻すために--ほんまにやりたいことって何やろ?

こんばんは。乳がん闘病中のまいです。

食欲なくて、全然何かする気もおきんくて、普通にやってたことができない。ただ、生活するだけなのに。普通に、生活して、日々暮らしてくだけなのに。それがしんどい。

どうしたらえぇかなぁと思って、自分のこころに尋ねてみた。


ほんまにやりたいことって、何?


何で私は東京にもんて(戻って)きたんやろか。


ここで、何がしたいん?


何のために、今、一人で耐えてるん?


ただじっとしてるのが苦手な私は、いつも動いていたい。

何かに向かって突き進んでいたい。

向かう先がはっきりしてなくても、その方向を向いてたい。そっちへ足をのばしたい。


本も読みたくない。勉強もしたくない。行きたい場所もない。食べたいものもない。


何がしたい?何に気持ちがわくわくする?


そう思って、今すぐできることが、

衣装を作ることだった。

買った布地で自分で仕立てたくて。布の水通しまでやった。

画像1

いつ使うかは分からんけど。普段着にもできるような、衣装が作りたい。


珍しく、好きな音楽をかけてみた。聴きながら、型紙を切る。


あ、この曲で踊りたいな。


型紙を切り始めたら、外が明るくなってきた。

雨があがって、日が差してきたみたい。

画像2

踊りたい。

でもまだ体力が戻らない。踊りたいなら、体力を戻さないと。


お天気がよくなってきたから、久しぶりに散歩に出ることにした。

ご近所だけど、今まで行ったことのないところまで。

音楽を聴きながら歩き始めたら、


あ、なんか、今日は踊れるかもしれない。


踊っても邪魔にならない場所を探してたら、首都高が見える高台に公園を見つけた。空が広い。夕焼け空が見える場所。

画像3

音楽に合わせて自由気ままに踊るんは、3ヵ月以上ぶり。

身体は重かったし、思うようにはまだまだ動かんけど、気持ちよく踊れた。

何より、楽しかった。


あ、生きてて、良かったなって思えた。



そうだ。いつも、つらい時、踊った。楽しい時も踊った。

私はなんで、踊るんだろう?

生きてることを表現したいから、踊るんだ。


作品を作りたいとか、誰かに認められたいとかより。

生きるってどういうことかを表現したいから、踊るんだ。


生きるのは、楽しい。

生きるのは、つらい。

生きるのは、面白い。

生きるのは、苦しい。

生きるのは、愛しい。

生きるのは、しんどい。

生きるのは、切ない。

生きてるのは、不思議。

人はなぜ、生きるんだろう。


そういうのを、踊りに込めたい。

だから、踊るんだ。だから、生きるんだ。



私は今、ようやっと、自分が病気なんだということをきちんと認識しようとしてる。その過程。

今更?って感じやけど、渦中にいるときはほんまに全然実感なかったん。だって、どこも痛くなかったし、どこも悪くなかったし。


がんって、初期に見つかると何の自覚症状もないんよね。痛みとか不調とか。でも、そのままにしとくと他の臓器に転移して、だんだん衰弱して、死に至る。放っておいたらあかんの。転移する前に切除してしまえば、不調を食い止められるってこと。逆に、不調が出るまで放っておくと、手術をしても治らん可能性がある。だから、手術できて、良かった、ということ。

手術して、良かったと、そう思うために。

こころが納得するために。


生きてて、良かった。


そうやって実感できる時間が、今、必要。


踊れて、良かった。

そういう時間が、私に生きる気力をくれる。


何のために、東京にもんてきたんか。

踊れる場所があるから。

一緒に踊りたいと思う人たちがおるから。

ここでやれることがあるから。


踊ることで、少しずつ、気力を取り戻して。

病気にこころが負けないで、自分らしく生きられるように。


今やりたいことは、

踊ること。

踊れる身体を取り戻すこと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?