9月クールのドラマに見るアラフィフ女性の仕事のこと恋愛のこと

9月クールのドラマがひととおり最終回を迎えました。
中学聖日記の聖ちゃん(有村架純)と黒岩くん(岡田健史)の純愛より、カッコいいミドフォー部長原口さん(吉田羊)とイケメン部下勝太郎(町田啓太)との不器用な恋愛を微笑ましく思ったり、黒岩くんのお母さんの気持ちに共感するのは、私自身がすっかりそっちの世代なのだ。

大恋愛では草刈民代が、黄昏流星群では中山美穂が、娘の婚約者だった男性と結ばれるというあり得ない展開が待っていて、子育て頑張ったあとにもそんな輝かしい未来があるのかと勇気づけられるわけですが、4人のアラフィフ女性がそれぞれの課題に悩み、迷いながらも誇り高く生きている様子が興味深い。

大恋愛の草刈民代は開業医で未亡人
中学聖日記の吉田羊は一流商社の部長で独身のまま妊娠
黄昏流星群の中山美穂はエリート銀行マンの妻で専業主婦
同じく黄昏流星群の黒木瞳は若い頃に母親の介護のために婚期を逃し、倉庫会社の食堂で働く独身女性

この4人を並べると、黒木瞳の貧困感だけが異常に際立っていて、しかも病気になっても治療と向き合わずに、肉体労働が厳しい漁場で住み込みパートを始めて周りに迷惑をかける。

草刈民代も吉田羊も、ほっといたって一人で生きていける強さと賢さを持っていたし、中山美穂は多くを稼ぐ力はないけど20年以上に渡る主婦生活によって手にいれた財産がある。
黒木瞳だけはいつも孤独で、貧困で、変に頑固なわりに仕事の選び方は安易。彼女が「強くて美しくて凛とした百合のような女性」で、偶然出会った佐々木蔵之介が惚れぬいて、中山美穂とも都合よく離婚できたから、命も生活もまとめて救われる結末になったけど、そんな博打のような依存だらけの人生で怖くはないのか?

これはドラマの中のお話だけど、やっぱり年は残酷なまでに平等で、重ねれば病気のリスクも高まるわけで、いまのパフォーマンスが維持できるわけじゃない。いつまでも時間を切り売りして仕事をしていてはいけないということ。
日々、刻々と老いに向かって時を刻む自分の体や心や今の生活と向き合って、どのように生きていくかを改めて考えている平成最後の師走。

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