見出し画像

読書感想文の見守り方

夏休みの宿題にどこまで親が手を出すのかって
その家庭の教育方針みたいなのが
よく出ているような気がする。

全く口を出さずに提出も
好きなものだけやればいい派。
賞をとれるくらい良いものを作りたい派。
どれも間違いではなく
それぞれの味なんだと思う。

我が家はと言えば
基本子どもに任せるけど
全く口を出さないわけではない。
先の例の折衷派というところかな。

例えば絵を描くときに
子どもの絵は素晴らしいから
大人はそれを壊さずに
手を出すべきではないという先生と
描き方を教えてあげた方が
その子の画力が伸びるという先生がいる。

私はもちろん前者に共感するけれど
後者もまたあるように思うのだ。

私自身は文章を作ることが
昔から得意だったけど
それだって最初からできたわけじゃない。
母から書き方を教わって
なるほどこうやって書いていけばいいのか
とある適度コツがわかってから
スイスイ書けるようになった気がする。

絵だって私にはその才能が全然なかったけれど
絵の教室で描き方を教わり、
(今作品を見てみると考えられないくらい
先生が手を加えたものに
なっていたけれど、笑)
それでもそれを見よう見真似で描いていると
何となくそれっぽい絵を
描けるようになっていた。

それが自分の作品じゃないと言われると
もちろんそうなんだけど
特に絵の世界で生きて行こうと
思ってるわけではない私には
そんな風に大人になっても趣味として
絵を描く楽しさや、自分が満足できる作品を
作る力をくれたことは
やはりありがたかったなと思うのだ。

そして読書感想文の話に戻るが
夏休みの宿題というのは
そんなことを教えられる
良いきっかけであるような気がしている。

ただ、やっぱり全部教えてしまって
その通りに書かせてしまったら
それは親の作品。
そうはしたくない。
そう思いながら試行錯誤の3年目。
ようやく今年なんとなくやり方を
つかめてきた気がするので
備忘録として残しておきたい。

必要になってくるのは
「親の質問力」なのかな、
と今年一緒にやっていて思った。

読書感想文なんて
はっきり言ってよほどの天才でない限り
一人で構成力のある文章なんて
低学年には書けない。
特に一年生なんてただ文章を作って
つなげるだけでも大変だ。

息子が一年生の時には

起)なぜこの本を選んだのか
承)どんな内容の本だった?
  どんなことを感じた?
転)ぼくと主人公の似てるところ、
  違うところは?
  ぼくのエピソードも教えて!
結)まとめ

という構成図を見せて書かせたけど
どうもありきたりな感じになってしまい
息子の良さも引き出せずに終わった。

そこで2年目は自由にさせてみたら
ながぐつしたのピッピを読んで
サーカスのエピソードや
火事の話への思いを熱く書いた後に
最後の一文が「ピッピは赤毛でした。」
で終わっていた。
思わず、私は吹き出した。
「それ、今!?」(笑)

それはそれでとっても面白いと思ったし
2年生の思い出としては良いものができたけど
構成力を自分で持てるようになると
文章を考えることが楽になるし
もっと良いものができると
自分自身が楽しくなるから
やっぱり放ったらかしも
もったいないなと思った。

そこで今年は
息子にも娘にも書く前に先に
たくさん質問をして、
思いを引き出し、彼らが言った文章を
全部別の紙に書いてそこからまずは
構成を作っていった。
構成と言ってもただどの順に
彼らが言った言葉を
並べていくかだけの話だ。

小1の娘に関しては
起承転結なんてものは早々に諦め、
ただたくさん文章を書ければオッケーとした。

息子の場合は何となく
起承転結をつけてあげて
まとめは私に言わなくていいから
一人で考えてみてとしてみた。
3年生にもなると一人で書ける子は
簡単に書くだろうから
最初から一人で書けるなら
放っておくべきだと思うが、
うちの子はまず
何から書き出したらいいかわからない。
やりたくないというタイプだったので
そんな風に助け舟を出した。

その時の構成図は文章で書かないことが
ポイントだなと思った。
文章で書いていると真似して写してしまうので
これはいかんと、途中から箇条書きにして
「なんて書いたらいいかわからん」
と言ってきたら
何度でも質問して自分の口で言わせて
それを書かせるようにした。

そんな風にして今年は何とか終えたのだけど
結果的に小一の娘は
このやり方で彼女の良さが出せた
良いものになったと思う。

ただ小三の息子に関しては不完全燃焼。
本をたくさん読んでいる息子は
はっとするような表現を
作ってくることが多いのに
それが全然引き出せなかったのだ。

うーん。

一度一人で書かせてみてそこから
アドバイスすればよかったかな。
いや、でも自分の書いたものを直されるのは
彼の一番嫌いとするところで
書き直しなんて絶対しないしな、ともやもや。
来年また試行錯誤だな。

ちなみにもう一つ、
読書感想文の見守りに大事なことは
「賞は狙わないということを
先にはっきり決めておくこと」
かなとも思った。

実は私自身は小学生の頃から
作文でよく選ばれていて
それでラジオに出て作文を読んだり
自分の作文が冊子に掲載されたり
なんてこともある子だったのだけど
賞というのは入賞しないのなら
2番も200番も変わらないと思っている。
入賞したいのなら
入賞できるような書き方で教えるけど、
そうでないのならクオリティは一切求めない。
76番を72番にするようなことを 
しても意味がないと思うのだ。

ただこの子達の文章を作る力の通過点を
ここでどこまで伸ばせるか、
ここでどんな練習ができるかだけを考える。

と、いう感じで
一つの宿題をするのにも親の向かい方が
なかなか鍛えられている。
娘が卒業する頃には
一冊本が書けるんじゃないかとさえ思えてくる。

そんな夏休みもあと2週間。
早いなぁ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?