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卒園式当日のママのきもち

毎朝泣きながら母から離れなかった甘えん坊が、初めてこっちを振り返らずに友だちの元に走っていった朝はいつだったかな。オムツがいらなくなり、給食のタオルエプロンを持っていかなくなり、気がつけば竹馬やのぼり棒に乗れるようになってた。毎日見てたはずなのに、いつのまにこんなに大きくなってたんだろう。卒園式はそんな日々を振り返られる日。規模は縮小し、例年と違う式だったけどその中でどんなことができるかすごく考えて作られたとっても心がこもった式だった。

もう朝「早くしなさい」って急かしながら自転車に乗せることもなくなるんだな。帰り道に背中から聞こえる兄の歌声と一緒に歌うことも、虫好きの兄と虫を探しながら帰ることもなくなるんだな。

雨の日は濡れるのが嫌だと泣かれ、雪の日にはベビーカーを一緒に押しながら歩き、春はたんぽぽ、秋は落ち葉を集めながらの登園だった。振り返ると一番大変だったこの送り迎えが保育園生活の一番の思い出になってる。

卒園式の今日、娘はパパと車で行き、息子と二人で自転車で保育園に行った。

「毎日一緒に保育園行くの楽しかったね。帰りによもぎ摘んで帰ってよもぎ団子とか作ったよね」
「うん。これからも一緒に行ってくれる?」 
「これからはお友だちと一緒に行って帰ってくるんだよ」
「ふーん、そっか。じゃあ、よもぎ摘みは一緒に行こうよ」
「そうだね。今年もよもぎ団子作ろうね」

これまでの時間は形を変えてこれからも残ってく。そして、わたしはまだあと2年、一人分軽くなった自転車で娘の送り迎えが続く。大事にしよう、当たり前の日々を。大事にしよう、何気ない一言を。大事にしよう、宝物だよってくれた石ころを。

ありがとう。私をお母さんにしてくれて。


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