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尼信会館〔#260〕(博物館の縦割りの弊害についての考察)

(1)はじめに

神戸で用事があり、帰りに時間があったので尼崎駅で途中下車して、尼信会館、世界の貯金箱博物館、尼崎城を訪問しました。(2020年6月)

2020年2月下旬から、コロナウイルス感染拡大の影響で、ずっと仕事と買い物以外の外出を自粛していたので約4か月ぶりの観光。近所だったけど、行ったことないところだったのでとても楽しかったです。

以前、尼崎に貯金箱の博物館があるという新聞記事を読んだ記憶があったので、google Mapをみながら到着しました。

レンガ造りの立派な建物です。

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入口の案内板を見ると貯金箱の展示が書かれていないので、係員の人にたずねると、ここは「尼信会館」といって尼崎の歴史、世界各国のお札やコインが展示されているところと説明を受けました。


なんと貯金箱博物館は隣の建物だということでした。いい機会なのでここも見学することにしました。


(2)尼崎の歴史

展示室の前には、江戸時代の尼崎の港の絵が飾られていました。

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尼崎城の城下町の地図が掲示されていました。
かなり栄えていたようです。

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展示室に入ると尼崎の歴史がとても丁寧に説明されていました。

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中央には尼崎城の模型がありました。

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(3)世界のコイン

次の部屋は世界中のコインが展示されていました。
数十年経って、世界中が電子マネーになってしまうかもしれません。

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そうなったらこれらのコインも、いま私たちが江戸時代の小判をみるような感じで、骨董品として見るようになる時代がくるのでしょう。


(4)博物館の縦割りの弊害についての考察

尼信会館では、尼崎の歴史、特に尼崎城については、とても丁寧に説明がされていました。この後、訪問した尼崎城の中の展示より歴史の部分については充実していたように思います。

訪問する人は圧倒的に尼崎城の方が多いでしょうから、ここの展示は尼崎城の中に移設したほうがいいように思いました。これも地域の間での縦割りの弊害でしょう。

多くの県庁所在地の都市では県立と市立の博物館で重複した展示をされていて、どちらも中途半端な展示になっていることが多いです。こういうのも自然史博物館と歴史博物館に役割分担すれば、充実した展示になっていくことでしょう。

沖縄県は、どこの博物館も展示方法が充実していて、役割分担も明確になっていたように感じました。

博物館は、単なる観光施設だけではなく、よい展示をしていていれば、そこの地元に住む人が郷土に対する誇りや愛着を感じることにつながる施設だと思うのです。

都道府県の中で、文化施設の在り方についてきちんと役割分担していくことが、そこの地域に愛着を持つ人が増えていくことになることでしょう。

沖縄県がどのような取り組みをしているのかは知りませんが、他の都道府県に沖縄県と同じような博物館が増えていくことを博物館マニアとして願っています。


訪問日 2020年6月
入場料 無料
住所  〒660-0864 兵庫県尼崎市東桜木町3