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ストリップ劇場

皆様、こんにちは。

今日はストリップ時代の話を書きたいと思います。

果たして1回で終わるでしょうか?

以前にも少し書いています。

この、ストリップ劇場にいた時代はわたしにとって勉強以外の何物でもありません。

1日に4回のステージがあり、1公演が10日間。たった10日間で40回のステージを踊るので、経験値はどんどん上がります。

遅い劇場だと終演は24時位。そして翌日は大体11〜12時開演なので、家から通っても泊まりでも結構なハードスケジュール。1日4回も汗だくで踊ったらクタクタになりますからね。

10日間が終わると11日目にはもう次の劇場に飛びます。同じ都内だったら移動は楽ですが、札幌から福岡に飛んだり、沖縄に飛んだり。そして移動をした当日にはもうステージが始まります。

わたしは最高3ヶ月、休みがなかった事がありましたがそれ以上は無理でした。体力のある踊り子は半年休みなしなどザラにいたけど、皆さんストレスフルな状態だった筈。その証拠に皆、凄く食べたり呑んだりしてるのにどんどん痩せていくんですよね。

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わたしは5年で引退をしましたが、5年のキャリアなんて全くもって短く、10〜15年の踊り子も沢山いました。

わたしは劇場の時代が変わるな、変わった後はきっとわたしには向いてないなと察知して引退したのですが、お客様達からはまだ早い!と散々言われて辞めたんですよね。5年なんてその位短いのです。

ストリップ劇場の今はわかりませんが、わたしがいた当時は縦社会がしっかりある芸の世界でありました。年齢は関係なく先輩は皆、お姐さん、と呼ばれます。

もし誰かのステージを観たい場合、必ずお断り(お願い)をしなくてはいけません。黙って観ることは業界のご法度。そして、観終わった後は必ずお礼の挨拶と感想を述べる。もし同じ曲を使いたければ先に使っているお姐さんに断りを入れる。自分の出番の前の踊り子の衣装は全て片付ける。

今の時代の方からしたら厳しいかもしれませんが、劇場の世界は昔からとても礼儀正しかったと思うし、そういった決まりがなかったら逆に混乱してたかもしれません。劇場の大きさにもよりますが、大体10人前後の踊り子が10日間を共にする訳です。しかもそこは女だけの人気商売。決まりがあっても幾度と踊り子同士の喧嘩も見てきたし、小競り合いなども多々ありました。わたしはいつも傍観者だったので、何度止めて下さい!とお願いされた事でしょうか。殆どが嫉妬からの喧嘩なので大体は放っておき、後で双方の話を聞いてまとめる位でした。

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全裸の女同士が喧嘩をするって、凄まじい物があります。しかも原因は嫉妬…下らないのですが、本人達にとってはいたって本気。そんなプチ修羅場も沢山見て、劇場にいた頃の心境は段々無となりました(笑)。必要以上に人に関与しない、行動は基本一人。

しかしわたしは幸か不幸か、当時では珍しく刺青もあったし、アンダーグラウンドキャラの括りにいたので他の踊り子に嫉妬される事が少なかったんですね。ついてた客層も他の踊り子とあまり被らないし、より一層楽な立場だったので精神的には楽で楽しかった思い出の方が多いです。

殆どの踊り子が新しい演目を披露する時、事前にダンスの先生に振り付けをしてもらってレッスンをします。個人差はありますが、3日〜1週間位は余裕でかかります。休みがなければ終演後、開演前に練習したり。それぞれがタイトなスケジュールで必死にレッスンをこなし、新作を披露する訳です。勿論振り付けは有料で自前、衣装も自前、交通費も自前、郵送の荷物も自前(これがみんなデカくて多い)。まとまったお金はもらっていましたが、出費もとても多かったです。ちなみにわたしの送り荷物はたったの2個。この頃に物を減らしたり最小限する癖が付き、今でも変わっていません(笑)。荷造りも早くて的確になり、今も役立っております。

そんなストリップ劇場ですが、本当に色んな勉強をしました。

着物もこの頃に教えてもらったし、自分の武器は何なのか、何を魅せたいのか、自分のコンプレックスをどう活かせるか。

この頃の学びは自分のステージ人生にとってとても大きな経験でした。

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わたしは最初、皆と同じ様に振り付けを付けてもらって踊っていましたが、当時は嫌になる程踊りが下手でした。それまでちゃんと踊った事なんてなかったし、いきなり3〜4分の曲を踊りこなさなければならないって大きなハードルです。踊った事がある人はわかると思いますが、3〜4分は意外に長いのです。

しかしわたしは踊って魅せる、と言う事から踊りも踊るけど演じて魅せる、という風にシフトしていきました。きっかけはこちらで書いています。

ああ、やはり長くなってしまいました。

2回に分けて書きたいと思います。続きも是非読んで下さいね。

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続きます🌹

©2010-2019 Maico Tsubaki

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