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聴講リポート「今、勢いのあるスタートアップの共通項」 村上臣さん×高野秀敏さん対談

LinkedIn News編集部LIVE!として10月6日に開催された、LinkedIn日本代表の村上臣さんと、キープレイヤーズ代表の高野秀敏さんの対談から、自主リポートしてみます。

▼キープレイヤーズ代表の高野秀敏さんのご経歴は以下となります。
スタートアップを支援する人材エージェントとして活動しながら、キャリアコンサルティングなど起業家を総合的に支援しておられます。エンジェル投資家としても資金面でのサポートを手掛けるほか、最近はYoutubeなどの情報発信にも力を入れておられるとのことです。

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今回のLIVEでは、9月23日にリンクトインが発表した「コロナに負けない 注目のスタートアップ10社」ランキングをフックに、今、日本で勢いのあるスタートアップの共通項について、トークが展開されました。
規模は違っても、いくつかのポイントは自分の経験との共通項もあったことから、スタートアップに限らず、多くの人にとってヒントになることが多いと感じました。簡単に以下にまとめてみます。

●自分や人の魅力を知るためのLinkedIn活用

冒頭は、リンクトイン発表のスタートアップランキングをもとに、各社に共通するポイントとして、高野さんからは「組織力とチーム力がカギ」であるとのコメントから、トークがスタートしました。
「勢いのあるスタートアップの共通項は?」という質問には、技術力などはもちろんのこと、以下の掛け合わせがポイントと示されました。

経営チームのクオリティ × 成長市場を捉えているか

その経営者としての資質には、人を巻き込める魅力を持っているか、も欠かせない点です。
そして強く勧められていたのが、「みんなLinkedInに登録すること」でした。(この点は、LinkedInから推奨して欲しいと言われた訳ではないとの一言も添えて。)

LinkedIn活用をオススメされる理由としては、
「一人ひとりが自分のスキルをアピールできるようになれば、企業側の採用コストが下がり→長期的には個々人の給料が上がることも可能になると思う」という解説があり、最近は日本でも、紹介によるリファラル採用やダイレクトソーシングも増えていることにも触れ、村上さんも共感されていた点です。
確かに言われてみればその通り!とも感じ、もしかすると世界でLinkedIn活用が進んでいる背景には、上記のような着目もあるのかもしれません。

高野さん1

●キャリアの棚卸しから深めていきたいこと

その他にも高野さんから推奨されたアクションに、「キャリアの棚卸し」があります。既によく耳にすることですが、更に深堀して以下の具体策が勧められました。

職務経歴書を書いたことない人は書いてみる
・その内容も時間をあけて書き直してみる
LinkedInに載せてみる

これらが推奨される背景として今の日本に、以下のような人が多いことも挙げられました。

・自分の振り返りについて考えてこなかった、という人
・転職未経験者
・アピールするほどのことは何もしていない、という人

これらを踏まえて、自分の市場価値をアピールする訓練が必要とされました。

LinkedIn村上さんからも1on1ミーティングの機会などを用いて、「自分が何にモチベーションを持っているか」を確認する機会の重要性が触れられ、その背景に関するトークが盛り上がりました。
1on1の相手となる「管理職」の有り方を起点とした以下も、押さえておきたい点です。

●管理職の本来の意味は、コントロールではなく、リードしていくマネジメントにより、リスクや人材活用も含めて経営の為の采配をすべきではと感じる。(村上さん)
●以前より企業内の情報が透明化してきており、マネージャーの必要スキルも、メンタリング的な要素が高まっている可能性がある(高野さん)
●退職者をアルムナイネットワークで活かす企業も増えている(村上さん)

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●スタートアップに限らず身近なシーンに共通すること

後半では、「勢いのあるスタートアップで働く人に共通点はありますか?」という質問から、より身近なトークが展開されました。この質問には高野さんから、
・ポジティブ思考な人
・他責思考ではなく自分事にして自走できる人
・グロースマインドセット(※1)の人
※1 自分の才能や能力は、経験や努力によって向上できるという考え方

また、今のコロナ禍で話題になる質問として
「オフィスは今後どのような用途で活用されていくか?」については、
広さは40%ほど縮小しても良いかも、と考えるスタートアップ企業が多いことや、一方で世代によっては自宅でのフルリモートワークでは、仕事に集中できないという傾向もあり、折衷案の模索が多いことが触れられました。
シェアオフィスとリモートオフィスの両立も視野に、業界や個人のパフォーマンスに応じた見極めが必要だとのコメントもあり、自走できるマインドセットの観点からも、「自分にとってのベストは、どのバランスか?」については、定期的に考えを持っていることが良さそうです。

最後に、以下の質問についてもご経験に基づいた回答が示されました。
Q: 高野さん注目の起業家は?
A: SNSを上手に使える起業家や企業は、採用もアピールも効果的に行える

Q: 世界に共通するスタートアップの条件は?
A: 世界に向けては、日本固有のもので勝負することや、ニッチ分野のトップになること

Q: ニューノーマル時代で、転職は控えるべき?
A: 今追い風が吹いている業界もあり、挑戦マインドのある人は応援したい


今回のトーク全体を通しては、マインドセットの有り方が重要キーワードとされ、キャリアの棚卸しなどのアクションや管理職に関する考え方は、その立場にある無しに限らず、意識をすることで日々が訓練の場になり、実践に活かされるのではないでしょうか。
私も今回のようなインプットの場を、自分のキャリア観に活かすマインドセットを持ち、今後も過ごしていこうと気持ちを新たにしました。