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41. 子どもゴコロが奮い立つ映画3選

年間100本映画を観ることを自らに課して7年目のわたくしが、映画初心者のために「なりたい気持ちで映画セレクト」する企画、THREE FOR YOU。今回は、変態イノベーターNさんからのこちらのお題。

アイアン・ジャイアント的な映画が他にあれば教えてください!奮い立つような子供でも楽しめる映画!

アイアン・ジャイアントを観ていなかったのでまずそれを視聴。シンプルで骨太なとても強いヒーローものというか、少年の成長譚だったので、大人な僕らの心の中にきっとまだあるはずの「善なる子どもゴコロ」に語り掛けてくるような映画をこんな感じで3本選んでみました。「友情」「協力」「信念」「勇気」みたいなあたりがキーワードです!

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ベイマックス

2014年公開
監督 :ドン・ホール / クリス・ウィリアムズ
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天才テック男子が、遺されたケアロボットと共に兄の死の真相を追いかけるお話。要素がね、多いんですよ。戦隊モノだし兄弟愛だし泣けるしコメディだし。月並みですけど、やっぱりディズニーはすげえ。マーベルとのシナジーが最高の形で結実した作品だと思います。個人的はサンフランソウキョウの描写と、叔母さんめっちゃいい人だなあというところに惹かれました笑 原題は「Big Hero 6」ということで、ロボットとのハートウォーミングな物語と見せかける邦題とジャケットだけど、中身はガンガン、ヒーロー戦隊モノとして、勧善懲悪するので、シンプルに奮い立つストーリーになっております。この映画で奮い立つ子どもゴコロは「連携技ってかっけー!」ですw 6人のヒーローたちは結構凸凹な能力の使い手で、単体だとその偏りからあんまりぶっちゃけ強くないんだけど、連携技ってアガるよね。そういう長所短所を補い合って連携技が決まって勝つというプロットは、子どもゴコロ奮い立つ鉄板だと改めて思った次第。

サマーウォーズ

2009年公開
監督:細田守
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クラウド空間の中で起こった世界規模のテロに、しがない高校生と豪家の一族が挑む。着眼点がほんとに慧眼で、それをテクニックを持ってしっかりと描きあげた監督にあっぱれ。ウェブの向こう側の人間関係と、家族という非常にドメスティックな人間関係。どちらが大事とか、そういうことではなくて、人とつながって、何かに向かって頑張るって、いいことでしょ?っていう、そんな風に見えました。この映画で奮い立つ子どもゴコロは「ぎりぎりの助け合いってしびれる」ですね。ラストに向かっての高まりは、DBの元気玉を彷彿とさせるわけで、それが血縁っていうもともとある人間関係の上で、シナプスがつながっていくかのようにビシビシと決まっていく様が震えます。大流行りした「お願いしまーーーーす!」は最後の一手であって、あの一手を打てるところまで段取れたのは、陣内家の絆のなせる業。ラストの山下達郎による主題歌「僕らの夏の夢」も、切なくて力強くて、夏休みが終わりかけのあの何とも言えない気持ちを思い出すそんな映画。  

フラガール

2006年公開
監督:李相日
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次々と閉山していく炭鉱の町で、温浴施設のダンサーになることを夢見て日々運命に奮闘する少女たちのお話。涙涙。生きるのってつらいし、人と向き合うのってめんどくさいし、 どんなに努力しても理不尽に報われないことだってある。それでも精一杯、全力で生きましょうよって。 ベタっちゃあベタなんだけどさ、超頑張ろうって思える映画。中盤の「今まで生きてきて一番、楽しかった」 で、もう号泣。蒼井優が、眩しい。松雪泰子が、どツンデレ。この映画で奮い立つ子どもゴコロは超ドストレートに「頑張れば夢は叶う」ですね。大人になるとニヒルに「夢なんて頑張ったところで叶うかどうかはわからない」と斜に構えがちで、それはここまで生きてくる途中でおいてきた夢に、自分なりに言い訳というか、折り合いをつけないと生きるのつらいからなんだけど、同時に「少なくとも、頑張らないと絶対にかなわない」というのが他方の真理としてあります。フラダンサーを志す少女たちはもちろん、彼女たちに町の未来を託す周りの大人たちも、みんなひっくるめて清々しくて、見るたびに「頑張らないとだめだ…!」と背筋が伸びなおされる映画でございます。

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「奮い立つ」って、すげーいい感情だなと、3本選びながら改めて感じた今回のお題。個人的にはやっぱりすべてに共通しているのは「仲間と思いがつながりあって、その先で勝利とか成功をつかむ」っていう、コミュニケーションの喜びが通底しているんだなと考えさせられます。もちろん、孤軍奮闘で報われることも尊いことで好きですが、「奮い立つ」というその瞬間の着火って、子どもの心から見れば「誰かが分かってくれた」という普遍的な自己肯定感なんじゃないかなと感じた次第。ベタだけど、「力を合わせて困難に立ち向かう」という青臭さを、大人は日常生活でなおざりにしがちで、それは大人が子どもに比べて、ルールが複雑な(と思いこんでるだけかもしれない)世界を日々泳いでいるからなのかもしれない。そんな中だからこそ、アホみたくまっすぐに自分の思いを伝えることが恥ずかしいからこそ、言ってみたら案外、だれかを奮い立たせたり、その先に自分がさらに奮い立つような体験って、すぐそばに横たわっているのかもしれないなあなんて、考えさせられた3本でした。

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