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35. 曲者キャラがオモシロイ映画3選

今回は、会社の同僚Tさんからのご依頼。部のホワイトデー企画で女性陣にカタログギフトをプレゼントするという手の込んだことを仕掛けようということになり、僕は特に取柄もないので「映画セレクトしてDVDプレゼントします」というメニューにした結果、Tさんが選んでくれたわけです。つーわけでお題を頂戴しましたのがこちら。

「曲者キャラがオモシロイ映画で!」

(+Amazon Primeでタダで見られるのはナシで!)
というなかなかの難条件。笑 いろいろ考えて、たくさん好きな映画もあるんですが、以下の3つを見たことがないということだったので、こちらをオススメしたいと思います。

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ゆれる

2006年公開
監督:西川美和
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ある死亡事故を通じて、ゆれる兄弟の思いを描いたお話。 深いです。描写がすごくうまい。嫉妬、懐疑、嘘…。いろいろな思いが複雑に絡み合って、でも、すごく自然に描かれていて。丁寧です。とても丁寧な映画。 思いは言葉に出さなければ、伝わらないものですね。ラストは、解釈に余白を残しているのでどうとるのかは観た人次第。この映画に出てくる曲者は香川照之演じる「嫉妬にもだえるゆがんだ兄」ですね。怖いよこの役は。人の本性と、外に見せる姿が違うことはなんとなくわかるのだけど、その境目が解けて露見した時にどれだけ狂うかという歪曲がオソロシイ。まあ主人公も、チエコちゃんも、どこか閉塞感が漂った曲者なんだけど。

ソードフィッシュ

2001年公開
監督:ドミニク・セナ
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かつての世界最強ハッカーが、謎の男の依頼から大陰謀に巻き込まれていくお話。映像技術で魅せる映画、っていう文脈で語られがちですが、ストーリーもなかなかだまされる、よく出来た感じでした。トラボルタがまあなんというか胡散臭くて底が見えないキャラが、ハマってましたね。人には、やっぱり使う人と使われる人に分かれるんだなっていう、なんかそんなことをふと考えたりしましたとさ。この映画に出てくる曲者はジョン・トラボルタ演じる「謎の天才ハッカー」ですね。大体この人は顔のつくりが曲者顔なのでどうしたってこういう役がはまり役ですよね。笑顔の不敵さは素晴らしいw 最後までどんでん返しが用意されているので、裏ですべての糸を引く策士としてはちょっと顔の存在感ありすぎな気もするけどw、曲者がオモシロイっていうテーマにはぴったりかなと思い、「パルプフィクション」ももちろんですが、個人的にはこちらを。

ナイトクローラー

2014年公開
監督 : ダン・ギルロイ
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スクープ映像に取りつかれた狂気のカメラマンと、加熱する凶悪犯罪報道の病理を描いたお話。狂っているのは社会のほうでは?っていう投げかけともとれる一本。主人公は最初っから頭がおかしくて、冒頭その狂気の一端はさっそく描かれるわけで、感情移入を求めるような映画ではないよーって親切に表明してくれていたので、変な振り回され方せずに、狂気の映画だって見れてよかったです笑 一人ひとりは別に狂っているつもりもなく、ただただ過激で際立った出来事に耳目が集まっていて、その裏でその狂気を一手に引き受けてやばいことをやっている側から描いたのが、なんだかしんどい。そんなバカな、な設定なので、真実はこれよりもマイルドであることを願いますが、そんな境界線が分からなくなるような問題作でした。この映画に出てくる曲者はジェイク・ジレンホール演じる「狂気のたたき上げジャーナリスト」ですね。目つきがイッちゃっててさすがの怪演でした。登場シーンからラリってるのでここからどうするんだろうと思ったけど、最後の最後までやり通してくれます笑

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僕は人生で演技をしたことってないんですが、曲者な役が来たときって、楽しいんだろうなあと思うわけで、その感覚って、普段あんまりできないことを思いっきりやれるからなんじゃないかと、全部ただの空想だけど思うわけです。それだけ、ある種、リアリティのない存在なはずなんだけど、「曲者役が似合う役者」さんに惹かれるというのは、いるいるなリアリティではない、何か、人の心にどこか少しずつある屈折や妬み嫉み、人をだましたり出し抜いて感じる気持ちよさをよしとするような好奇心みたいなディフォルメされているからじゃないかなとも思うわけです。そういう意味では、映画ならではの楽しみ方ということでこのお題は玄人の出す奴や…と思いながらなんとか選びました。

ということで、この中で唯一、Amazon Primeでフリーになっていない「ゆれる」をDVDでプレゼントしたいと思います。名作なので、オススメできてうれしいです!

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