ヘドウィグ

21. 「不器用が愛おしい」映画 TOP3

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

2001年公開
監督 : ジョン・キャメロン・ミッチェル

旧東ドイツ出身の性転換ロックシンガーが、”完全な自分”を目指して自分の片割れを探してさまようお話。すばらしいストーリーと楽曲。特に、曲と、詩が、すばらしくてすばらしくて。ヘドウィグがたどってきた数奇な運命と、奥にある、ただただ普遍的でピュアな心の乾きが、泣けました。ありのままの自分が、そのままで完全なんだという、ラストと、エンドロールで再び流れる「愛の起源」が、見事。映画化ミュージカルの大成功例だと思います。曲が、よかったなあ。なにしろ。

パンチドランク・ラブ

2002年公開
監督 : ポール・トーマス・アンダーソン

引っ込み思案のしがない男が、恋をきっかけに変わろうともがくお話。なんか、綺麗な映画でした。綺麗っていうのはなんだろうな、画とかそういうことじゃなくて。人は誰かを好きになると変われるっていうその様が。派手な映画じゃないから、ちょっと好き嫌いは分かれるんだろうけど、個人的にはすごい好きな、静かな映画。

ツレがうつになりまして。

2011年公開
監督 : 佐々部清

漫画家の妻と、鬱病にかかってしまった夫の、闘病生活を綴ったお話。じんわりと純度の高い感動をいただけた感じで、とってもとってもよかった。実話は強し。かりそめのフィクションラブストーリーなんかよりよほど、重くて緩やかで、迫るものがありました。堺雅人がやっぱりすごいね。体重を落として挑んだという演技はもちろん、単純に、なんとなくはまってて、それも含めて。日々生きて行くことに、美しさや正しさ、完璧さを求めすぎる気持ちも、また不器用さのうちで、それすらもそのまま認められればどんなにか、救われるか。そんなことを考えさせられる作品。

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人間の不器用性にとっても興味があります。自分もそんなに上手に器用に生きられないので。でももう不器用な人っていうのは、そんな自分を認められるかしかなくて。まあ”しかなくて”とか考える時点で不器用なのかもしれないけど。自分以外のことにもっと興味を持って、そこに前進していく気持ちが持てた時に、少しずつ変われるのかもしれないですね。なんていうセレクションでした。

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