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36. 決断する勇気の出る映画3選

映画初心者のための、「なりたい気持ちで映画セレクト」企画。今回は、僕が出張授業でお伺いした高崎商科大学のUくんからのリクエストのこちらを考えてみました!

決断を迫られた時に自分が選択した道が何であれ、ポジティブな気分になれる映画3選を教えていただきたいです!

僕も教えてほしいくらい、とっても大事なテーマだなあと… 薦める立場でいうのもなんですが、わたくしも決断が本当に苦手で、本当にたまたま周りの人に恵まれて何とかここまで生きてこれたと思ってます。ほんとに。なので、自分自身にとってクスリになったなあと感じた映画をこんな感じで3選、絞りだしてみた次第。ポイントは「選択した道が何であれ」っていう一文かなと思うので、そこも大事にしてみました。結末はここには書きませんが…!

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はじまりのうた

2014年公開
監督 : ジョン・カーニー
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会社を追われたプロデューサーと、傷ついたシンガーが、曲作りを通じて再生を目指すお話。「どこを向いて進むか」の大切さの物語。自分のプライドやエゴに向いていたプロデューサーと、彼氏に好かれることに向かい過ぎていたシンガー。音楽を通じて、「その音は、どこに向かっている音なのか」というテーマを通じて、大事にしたいことを大事にすることの難しさと大切さがしみじみする映画。音を聞けば、奏で歌う人がどこを向いてそれを発しているかは、わかっちゃうというのはなんとなくわかるので、なかなか、残酷な映画だなあと思いつつ、とても勇気づけられる話。この映画で描かれる決断のあとのポジティブな気分は「情に流されず自分のことを大事にできた」気持ち。”自分を大切にする”という言葉は手垢にまみれたセリフですが、本当にそのスタンスが問われるのは、人への情と自分のありたい形がぶつかったときだから。だからこそそれを乗り越えるって、大人になることなのかなあとか思ってみた映画でございます。

バケモノの子

2015年公開
監督:細田守
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親を失った少年が、迷い込んだバケモノの世界で生き方を見つけていくお話。運命の受け入れ方の物語。主人公の少年は、数奇な運命に翻弄されて、いろんな「まさか」な状況に適応して生きていくことを強いられるわけだけど、その様が、清々しい。自分で能動的に状況ごと選択していけるような決断を普通、「決断」という言葉からは想像する人が多いと思いますが、実際の人生の決断って、そういう自分に主導権のある決断は案外少なくて、「今、目の前に起こる運命や状況を、いかに”受け入れるという腹を決める"か」という決断ばかりな気がする。そういうときこそ、何を決断するのか以上に、どのように決断するかがそのあとの自分を変えるように思います。この映画で描かれる決断のあとのポジティブな気分は「大切なものを守るために、運命を受け止める清々しい」気持ち。九太も熊徹も、受け入れた先に、清く生きていて、勇気もらえます。

グッド・ウィル・ハンティング

1997年公開
監督:ガス・ヴァン・サント
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天才的頭脳を持ちながら虐待のトラウマから心を閉ざす青年の、成長と自立のお話。これは何回見ても、いいよね。主人公に、すごい共感。自分をさらすのが怖くて、嫌われたくないから関わらなくて、失敗したくないからやらなくて、今の生活にしがみついて。「そんなに頭がいいのに、こんなに簡単なことにも君は答えられない! 君のやりたいことは、なんだ?」 耳がいたいです。素直にならないと、やさしくなれないし、強くなれない。自分の外側に広大に広がる社会というやつは目に見えないし、そのくせ人それぞれとても相対的に存在している靄のようなもので、手探りで暗闇を探るかの如く、何度も何度も勇気を出してまさぐって、時にやけどしたり手を切ったりしながら、だんだんと形が分かっていくものだと思ってます。主人公は、それが怖くて、暗闇の外から、知識という名の「人が触ってきた社会」を引用してばかり。手を出していく勇気を人はどうやって、それまでのトラウマや恐怖を乗り越えて獲得していくか、その先で何を決断するのか。ぜひ見てほしいと思います。この映画で描かれる決断のあとのポジティブな気分は「本当に大切なものを大切にできたとき、その結果ではなく、決断できたことにすでに救われている」んだよっていう気持ちかな。「何を選んで何を得たか」よりも「いかにして選んだか」こそ、大事なのかもしれません。

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決断って、ほんとうにおっかないし、どんなに小さい決断でも、「選ばなかったほうを外したこと」になる。ランチ何食べる?っていう決断から、内定2社出たけどどっちにしよう?という決断まで。僕は、転職するときに本当にかっこ悪いくらいぐちゃぐちゃと悩みに悩み倒し、周りにあきれられたこともあるので汗、貧乏性で優柔不断で、情けないですほんと。そんな人間だからか、この3つの映画は本当に、勇気づけられたなあと見たときに感じたことを覚えております。3本とも、決断の種類や、そのあと決断した者がたどる運命も違うけど、「結果はどうあれ、すがすがしく決断したいなあ」と、今も思います。

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